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新しい血圧コントロールの発見

英国の科学者たちは、血圧を調節する新しい方法を発見したと話し、脳卒中や心臓発作を闘う新薬の希望を提供している。
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痒みの遺伝子の希望

科学者たちは痒みの遺伝子を特定し、この症状に対する治療の希望を与えると考えている。

GRPR「痒み遺伝子」は、ワシントン大学チームによって脊髄神経細胞で発見された。

研究者たちはマウスで実験を行い、皮膚から脊髄を経由して脳まで痒み信号を中継する役割を果たすと話す。

それが正しいなら、ひどい痒みのある人々を助ける鍵を握っているかもしれないと、彼らが述べていると、ネイチャー誌は報じている。

慢性的な痒みは湿疹のような皮膚疾患に起因したり、腎不全や肝障害などの深刻な問題から生じることもある。

また、モルヒネのような強力な鎮痛剤や、癌治療の重大な副作用かもしれない。

最も深刻なケースでは、睡眠障害や傷になったりするものの、それに対する有効な治療法がほとんどないと、研究者たちは語る。

歴史的に、科学者たちは痒みを痛みのひどくないバージョンと考え、痛みを理解することに研究を合わせてきた。

実際、GRPR(ガストリン放出ペプチド受容体)遺伝子が最初に科学者の注意を惹きつけたのは、そのような研究の間だった。

それが少数の脊髄細胞にのみ存在するのに気がつくほど、その遺伝子は目立っていたが、マウスの実験を行った後、それが痛みの経路に関係がないことが分かった。

けれども、痒みのテストを行ったとき、影響があることが分かったのである。痒みの刺激を与えると、遺伝子を中和したマウスは、その遺伝子を有するものほどには反応しなかった。

研究主任のZhou-Feng Chen氏は、遺伝子が痛みに関係のない痒みに対して特定されたという事実が、特定の治療が開発されるかもしれないという望みを提供すると話す。

「それは、薬が痛覚に影響を及ぼさずに痒み感を抑制するように使われるかもしれないことを示唆します。それに、痛みが危険を警告する重要な防御のきっかけなので、私たちの痛覚の能力を損なわないような抗痒み薬物を有することは注目すべき利点かもしれません」
(BBC - 2007年7月26日)
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グルコサミンの効果に関する研究

最近の主要な分析によると、関節炎に苦しむ何百万人もの人が関節痛を緩和するためにグルコサミンのサプリメントを買うが、製品に効果があるという納得のいく証拠はまだ全くないという。

事実、店頭販売のグルコサミンの15件の試験の結果は、非常に大きく異なり、業界のバイアスが、より肯定的な結果に影響を及ぼす要素であると、Arthritis & Rheumatismの7月号に、チームの論文で結論づけている。

「予想するよりはるかに、試験には大きな差があります」と、ボストン大学メディカルセンターのリウマチ学会員で主任研究者のSteven Vlad博士は説明する。

しかし、この雑誌の1人の論説委員はその主張に反論する。

ベルギー、リエージュ州にあるリウマチ疾患の公衆衛生面のための世界保健機関の共同センター(the World Health Organization's Collaborating Center for Public Health Aspects of Rheumatic Disease)のJean-Yves Reginster博士は、業界の試験は独立した学問の研究よりも一般的に厳しいと反対している。彼はまた、Vlad氏のグループが、時間枠や手順に関して全く異なる分析で試験を行い、結果を混乱させていると考えている。

そのため、グルコサミンに関する科学的論争は長年続いている。一般的なサプリメントは、今年の初めに大ヒットしたが、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで発表された主要な米国の研究で、グルコサミン塩酸塩が膝変形性関節症にほとんど役に立たないということが分かった。

しかし、他の研究では定期的にグルコサミンの服用すると本当に効果があることが分かったということも、Vlad氏は知っている。なぜ試験に違いがあるのか?

解明するために、彼はチームと共に入手できる文献を念入りに調べ、二重盲検で偽薬を対照とし、ランダム化した15件の臨床試験を選び、腰や膝の変形性関節症と闘うために4週間以上グルコサミンの使用して調べた。

試験は2種類の主なグルコサミン製剤(グルコサミン塩酸塩かグルコサミン硫酸塩)のどちらかが含まれた。それぞれ異なった化学塩に結合したグルコサミンを供給する。

まず、チームは、製剤の1つが役に立たないことを見つけた。

「グルコサミン塩酸塩に効果がないことが、非常に決定的に明らかになったと思います」と、Vlad氏は話す。「このデータはすべて一貫しており、効果があるという証拠は全くありません」

しかし、それは別の製剤のグルコサミン硫酸塩の話ではない。

このケースでは、この無作為試験の間の結果はばらつきが大きかった。 けれども、そのばらつきは無作為の機会をはるかに越えた。 事実、Vlad氏によると、さまざまな試験の結果における広がりは通常予想されるものの4倍だった。

この研究のデザインのどんな特定の特徴も、「配分隠匿」(どの患者が薬物を服用し、偽薬を服用するかに関して、研究者たちに隠す他の研究よりもあいまいな試験があったという事実)として知られる試験の違いを除いて、この不一致についての説明に役立たなかった。

1つの要素がグルコサミン硫酸塩の試験結果(業界が関与)の変化において役割を果たすようにみえた。

「それがどれくらい大きい要素であるかを知るのは実に難しいです」と、Vlad氏は話す。「全体の効果を生産しているのか、もしくはただそこにある効果について誇張しているのか」彼はまた次のように強調する。「業界からのバイアスがあるなら、それが意図的であるということに、私は大変疑いを持っています。人々は彼らの製品を販売したがっていますが、私は、結果をねじ曲げるという意志で研究をすることはめったにないと思います」

しかし、Reginster氏は社説で、Vlad氏自身の分析に欠陥があると考えている。彼は、業界の関与が可能で、しばしばそうし、試験結果に影響を及ぼすというボストングループに同意する。しかし、彼はまた、ボストンの分析に含まれる業界の研究の多くが、the
European League Against Rheumatism(リウマチに対するヨーロッパ連盟 = 多くの試験の高品質のものに対して保証する専門組織)の合格レベルに達しなければならなかったと述べる。

それは重要であると、彼は語る。というのも、米国と違って、グルコサミン硫酸塩はヨーロッパの監督官庁によって処方薬としての販売を承認されているためである。承認を得るために、業界によって資金提供された試験は、規制監督に従わなければならず、独立した研究よりもしばしばうまく設計されていると、彼は述べる。

しかし、Vlad氏はその議論を買わない。「私は一般に、製薬業者が、より良い試験を行うという(Reginster氏)に同意するでしょう」と、彼は話す。「でも私はまた、それが非常に単純なので、学術研究者が、その結果に影響を及ぼす交絡因子やものを除去するのが上手でないと言うのは安易過ぎると考えています。彼らは同じくらい良い試験を行うことができます」

別の専門家がこの問題に加勢する。

「私は両方で(産業界と独立したところ)働きました」と、ニューヨーク市のレノックスヒル病院のthe Nicholas Institute of Sports Medicine and Athletic Traumaの研究のディレクターのMalachy McHugh氏は話す。彼は、1つの問題が品質の独立した研究の極度の欠如であると言う。

「栄養サプリメントの領域において、より大きな問題は、会社がそれらの製品を検査するのに阻害要因があるということです」と、彼は話す。「彼らが、彼らの製品に効果があると人々に信じさせることができるなら、なぜ、他のことを立証する危険を冒すでしょうか?それに、日の目を見ない否定的な研究もたくさんあります」

Reginster氏はVlad氏の研究に別の大々的な批判をした。彼の意見では、ボストングループは広く、さまざまな時間枠(4週間の研究と3年の試験)の試験や、注射と錠剤の両方で運ばれたグルコサミン、全く異なった質の研究を一緒に混ぜた。彼は、このタイプの異種性がさまざまな結果につながるのは必至だと記述する。

Vlad氏は、彼のチームの分析が広いネットを投げたことに同意したが、彼は、それがメタ分析が通常実行される方法であると話す。「あなたは自分の疑問に関連するかもしれないすべての試験を捕らえようとしています」と、彼は言う。非常にわずかな試験のみを選択すれば、統計的検出力を失う。

このシステムが「決して完全にはならない」と、Vlad氏は述べる。

彼は、新しい分析がグルコサミンに関する本を閉じないと強調した。そして、そのサプリメントが安全であることは分かっているので、グルコサミン硫酸塩から恩恵を受けていると本当に信じている患者は、遠慮せずにそれを服用し続けるべきである。

しかしながら、Vlad氏とMcHugh氏は、高価なサプリメントが変形性関節症の痛みを緩和するということに疑いを抱いたままである。。

「私の見解から、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン紙は効果について最も客観的な見解を提供します」と、McHugh氏は話す。「結論は限定的な効果があるということです」

この雑誌の同じ問題に関連する研究では、米国の研究者が6,000人以上の関節リウマチの人について調査し、大部分の人は症状が悪化しない限り、新しい薬物療法に切り替えるのに気乗りしないことが分かった。

カンザス州ウィチタのthe National Data Bank for Rheumatic Diseasesのチームは、回答者の4分の3が現在の薬物療法に満足しており、約3分の2(64%)の人は症状が悪化しない場合は新薬を試さないと話していることが分かった。この調査結果が、多くの患者がなぜ有望な新しい薬物療法を試みることを寄せ付けないのかを説明するかもしれないと、研究者たちは語る。
(HealthDay - 2007年6月30日)
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日焼け止めで日焼け?(米国)

環境監視グループによると、米国市場に出回っている日焼け止め剤のほとんどは、彼らの主張に達しないか、安全でない成分を含むという。

785種の異なる日焼け止め製品の分析で、環境ワーキンググループは、日焼け防止指数(SPF)が15以上のものの84%が、彼らが自慢する保護を使用者に与えないことが分かったという。

「市場に出ている製品の16%のみが安全かつ有効で、紫外線Aと紫外線Bの両方をブロックし、日光に対して安定な状態を保ち、健康に有害だと非常によく知られている成分も疑われるようなものもほとんど含みません」と、このグループはレポートに記述している。

製品の半分以上は、日光の下で分解する不安定な成分を含み、使用者が無意識にさらしたままにするので、多くの製品は有効性や安定性について根拠のない主張をしていると、このレポートの著者は断言する。

このグループは、条件を満たすものや満たさないことが明らかになった日焼け止めの製品など、調査結果をウェブサイトに掲示した。

「FDAはできなかったので、EWG(環境ワーキンググループ)がこの研究を実施しました」と、環境ワーキンググループの研究の副責任者のJane Houlihan氏は話す。「毎年報告される皮膚癌の100万以上の症例と共に、人々にはどの日焼け止め剤が自身や彼らの家族に対して最高の保護を提供するかに関して、最も信頼できる利用可能な情報がなければなりません。」

しかし、条件を満たさないと分かった製品と比較して、条件を満たすと分かった製品の使用は、非黒色腫皮膚癌もしくは悪性黒色腫の割合を減らすという保証を、このグループは提供しなかった。グループはそのような研究をしなかったと、スポークスマンは述べた。

化粧品業界のスポークスマンは、このレポートに批判的で、このグループが実はどの製品の検査もしなかったと指摘する。

「彼らが言っていることは、どんな事実であれ研究であれ、彼らが実際になされたと提出している、このタイプの結論を許容する他のどんなものによっても支持しません」と、the Cosmetic, Toiletry and Fragrance Associationのチーフの科学者であるJohn Bailey, Ph.D.は、インタビューで語った。

「あなたは彼らが作るあらゆるポイントを実質的に取り、FDAの見落としや科学の状態、彼らがすることよりもっと実際のもので対抗するのみならず、製品が安全で有効であるということを確実にするためにメーカーがする努力を指摘することができます」

ボストンのBeth Israel Deaconess Medical Centerの皮膚科部長で一般的な日焼け止め剤の支持者であるRobert S. Stern, M.D.は、このグループに無数の製品の相対的なメリットと安全性を審査するために充分なデータがあるかどうか疑問を持った。

「彼らの方法論が何であれ、UVA防止に対してSPFや程度を決定するデータの量が重要で、それがいかに重要かは、まだよく分かっていないことです」と、Stern博士は話す。

環境ワーキンググループは、食品の安全や、消費製品、環境における化学物質などの問題に焦点を合わせる、ワシントンに拠点を置く非営利の監視グループである。このグループは消費者連盟に研究及び支持組織と評され、自然食品や食品の安全を調査するConsumer Reportsで取り上げられている。

このグループは、the Capital Research Centerのように保守的なグループの避雷針であり、5番目に「最悪の環境グループ」と位置づけ、「恐怖の売人」で「えせ科学専門家」として糾弾している。

この研究において、このグループは消費者に対して実際的な推奨を出すために用意した科学的研究や、日焼け止めの有効性や毒性の工業モデル、そして政府や研究者及び業界のデータベースからの調整データを含む400件近い文書を概説するために、独自の手順を用いた。

彼らの主な結果は次の通り。

・多くの日焼け止め剤の成分は日光の下で分解し、紫外線に皮膚の曝露を可能にする。
・すべての製品の約半分はそれらの製品(「防水」「一日中保護」「全ての有害な放射線をブロックする」など)に対し、証拠によって支持されないとクレームをつける。
・トップランクの日焼け止め剤のいくつかは、微粒状にされたりナノ粒子形で酸化亜鉛や二酸化チタンを含有する。これらの成分が通常、安全かつ有効であると考えられているが、他の化学物質の微粒子の剤形が試験されずに製品に含まれているものがあり、もし皮膚を通して吸収されれば、有害かもしれない。
・少なくともSPF30のものと定義される高いSPF日焼け止めで、13%がUVBの日焼けをする光線に対してのみ保護し、UVA周波数帯の光に対しては保護せず、それは加速する皮膚老化や皮膚癌と関係がある。

ヒューストンのthe University of Texas M.D. Anderson Cancer Centerの発癌の部門の光生物学者(photobiologist)であるDavid L. Mitchell, Ph.D.は、UVBと同様にUVAを効果的にブロックする必要性に対する証拠が増加していることについて、インタビューで同意している。

「UVAは発癌性があるかもしれません。それは確かに皮膚の老化を引き起こします」と、Mitchel博士は語る。
「免疫抑制の証拠がいくつかあり、ヒトで基底細胞癌、マウスモデルで扁平上皮癌を引き起こすことを示す論文が発表された。本当の問題は、黒色腫です」

Mitchell博士も、フランスの化粧品会社ロレアルがMexorylと呼ばれる、UVAをブロックする日焼け止め剤を開発したと述べ、日焼け止め剤のヨーロッパの研究開発が米国のものより優れているが、「FDAを要し、この国でそれを承認するのに何年かかるか分かりません。それは良いUVA阻害剤です」という環境グループの主張に同意した。

Stern博士は充分に高いSPF値(通常15以上)の日焼け止め剤で、患者が最も快適な媒体(クリーム、ローション、ジェル、スプレー)を選ぶことを勧めている。

「ビンに残留する日焼け止め剤は、SPFがゼロです」と、彼は話す。

環境ワーキンググループの日焼け止め剤のランキングは、下記のウェブサイトに掲示されている。
http://www.ewg.org/sunscreen/
(medpage TODAY - 2007年6月21日)
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オーブンクリーナーに緑内障の希望

オーブンクリーナーに含まれている物質が眼の病気の緑内障を治療するのに使えるかもしれないと、米国の研究は示唆している。

酸化セリウムのナノ粒子(ウインドウクリーナーにも一般的に使用される)は、目に活性成分をより効果的に届けるのに役立つかもしれない。

ニュー・サイエンティストに発表された詳細によると、その物質は、ラットやウサギで検査すると、目をヒリヒリさせなかった。

専門家たちは、どんな本当の主張でもなされる前に、適切な試験が必要だと話す。

しかし薬物を届けるのに、より効果的な方法が歓迎されると、彼らは強調する。

「それは現実問題です」と、Robert Weale教授(キングズカレッジの眼科医)は話す。「しかし、臨床試験は副作用をはっきりさせ、その治療がその病状より悪くないことを確認するために必要です」

・浸透

現在、少量の活性化学物質のみがなんとか角膜を浸透することができるものの、酸化セリウムの粒子は通過するのにぴったり適切なサイズ及び形だと、研究者たちは述べる。

オーランドの中部フロリダ大学のSudipta Seal氏とSanku Mallik氏は、これらの粒子とhCAII酵素をブロックする化合物を結合することに成功し、緑内障に中心的な役割を果たすと考えている。

この酵素は目の中で液体の産生に関与しており、それが積み重なって、目の神経が治療されないまま損傷する。

世界中で何百万人もの人が、この眼の病気に冒される。

10人中約1人が、70歳までに何らかの緑内障に罹る。
(BBC - 2007年6月14日)
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SUMOは脳疾患に希望を与える

脳内タンパク質のレベルを高めることは、てんかんや統合失調症のような病気を治療する方法となるかもしれないと、科学者たちは提案する。

ブリストル大学の研究者たちは、SUMOタンパク質が細胞に伝達される情報の量を低下させるように作用すると話す。

そのような「興奮し過ぎ」は、脳に影響を及ぼす多くの病気の特徴である。

専門家たちは、ネイチャーのこの研究結果がさらに理解を進めると話す。

脳には1億の神経細胞があり、それには各々1万の、シナプスと呼ばれる接続があり、他の神経細胞とつながる。

これらの接続は、化学的に、レセプターと呼ぶタンパク質を経由して脳の機能をコントロールする情報を伝達する。これらの過程は、学習や記憶の基礎となると考えられている。

健康な脳では、伝達する情報の量を増減することによって、シナプスは能率的に働く方法を修正することができる。

あまりたくさんの情報を有することは問題だが、ほとんどないと昏睡などの状況を引き起こす。

・新しい展望

ラットで研究を行った研究者たちは、あるタイプのレセプター(カイニン酸レセプタ)が化学信号を受けると、SUMOと呼ばれる小さなタンパク質が自身をくっ付けることが分かった。

SUMOはカイニン酸レセプタをシナプスから引き出し、それが他の細胞から情報を受け取るのを止め、細胞を興奮しないようにする。

SUMOの役割を発見した科学者たちは、それがレセプターが破壊されず、単に休止中のまま(細胞間のコミュニケーションを完全に止める危険性が避けられなければならないことを意味する)のことを意味するので、興味深いと話す。

この研究を導いたJeremy Henley教授は、次のように述べる。
「我々は、脳内の細胞間で情報の流れを制御する1つのメカニズムを見つけました。それは新しい展望や、それがいかに起こるか、より深い理解を与えてくれるので重要です」

「カイニン酸レセプタにくっついてSUMOの量を増やし、細胞間のコミュニケーションを減らすことが、過度の刺激を防ぐことによっててんかんを治療する方法であることは可能です」

研究者たちは、彼らの研究結果が、統合失調症のように、非常に多くのシナプス活動によって特徴づけられる他の脳疾患に対する洞察を提供することもでき、そのことである日、新薬に至ることができると話す。

・違いを作る

the Institute of Neurologyのてんかんの専門家であるLey Sander教授は、この研究は初期段階であるが、面白いと話す。

「これはパズルの追加の部分で、脳プロセスについてもっと学ぶことは面白いです。しかし、このことが本当に大きな差を生じるかどうか、私たちはおよそ5〜10年議論しています」

「私たちはこの刺激的な新しい研究を歓迎し、ある日、それが統合失調症のような重い精神疾患を抱えて生活している何千人もの人に違いを生じることができることを望んでいます。より少ない副作用の第三世代抗精神病薬に至るような研究に継続的な投資をしたいです」
(BBC - 2007年5月8日)

SUMOというのは、
Small Ubiquitin-like Modifier(小さなユビキチン様修飾因子)、
つまり「ユビキチンに構造がよく似た小さなタンパク質」のことで
「スモ」と呼ぶそうです。
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運動とパーキンソン

定期的に運動をする人はパーキンソン病を発症しない傾向があるかもしれないが、ゆっくりとした散歩は充分でないかもしれない。

このニュースは1992年〜2001年まで追跡調査を行った14万3300人以上の米国の男女の研究に由来する。

この研究が開始されたとき、被験者は平均63歳だった。彼らは、毎週軽い運動(ウォーキングもしくはダンス)をし、中程度から激しい運動(ジョギング、ランニング、水泳、自転車、テニスかラケットボール、エアロビクスか美容体操)を行ったと報告した。

研究の終了までに、計413人の被験者がパーキンソン病と診断された。

Harvard School of Public HealthのEvan Thacker, SMを含む研究者たちによると、最も活動的な被験者は次の10年間でパーキンソン病を発症する傾向が最も少なかった。

・運動とパーキンソン病

「私たちがこの研究から学んだ最も重要なことは、中程度から激しいレベルの高い活動的なレクリエーションの身体活動(バイクや、水泳、エアロビクスなどのような)は、パーキンソン病のリスクが低くなることと関係があるということでした」と、Thacker氏はWebMDに語る。

「この研究の始めに、高いレベルのレクリエーションの身体活動を行った人は、低レベルの身体活動もしくは全く行わなかった人に比べて、次の10年間にパーキンソン病になるリスクが低かったのです」と、Thacker氏は話す。

Thacker氏は、2007年5月1日にthe American Academy Neurologyの59回年次総会でこの研究を発表することにしている。

・運動の程度

パーキンソン病のリスクの低下は、中程度から激しい運動をたくさん行った人でのみ見られた。

「この研究で、ハイレベルのレクリエーションの身体活動を報告した人々は、毎週エアロビクスを5〜6時間、水泳を3〜4時間行うのに相当する運動を行っていました」と、Thacker氏は話す。

「パーキンソン病のリスクは、全く運動をしないと報告した人やウォーキングのような軽い運動しかしていないと報告した人よりも40%低かったのです」と、彼は言う。

・運動強度は重要

「歩いたり、踊ったりするような軽い身体活動は、パーキンソン病のリスクと全く関係がありませんでした」と、Thacker氏は話す。

「他方で、バイクに乗ったり、水泳、ジョギングなど中程度から激しい運動をする被験者は、パーキンソン病のリスクの低下と関連していました」と、彼は語る。

中程度から激しい運動のうちで、最も良いものとして際立った特定のフォームはなかった。

「費やされた時間や強度の総合的なレベルは、特定の活動より重要でした」と、Thacker氏は話す。

・研究の限界

研究は純粋に観察だった。つまり、被験者が運動するように要求されたのではない。

研究者は被験者の年令や性別、喫煙を考慮したものの、他の要素がこの結果に影響を及ぼした可能性を除外することはできない。

Thacker氏らはパーキンソン病を不充分な運動のせいにしてるわけではない。彼らの研究はまた、運動がパーキンソン病を防ぐとも約束していない。

多くの要素がパーキンソン病を発症の差異に影響するかもしれないし、医師はパーキンソン病を発症する理由をそれほど正確に知っているわけではない。

「私たちの研究は、パーキンソン病を予防するものを発見する、複雑なパズルの1ピースにすぎません」と、Thacker氏は語っている。
(WebMD - 2007年4月23日)
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脳はどのように道徳基準の選択をするか

科学者は、危険な状況で道徳と感情が衝突する脳の領域を正確に指摘しているかもしれない。

その領域は腹内側前頭前皮質(ventromedial prefrontal cortex = VMPC)であると報告されている。

the National Institute of Neurological Disorders and StrokeのMichael Koenigs, PhDは、the University of Iowa Hospitals and Clinicsの神経学部のスタッフで、この研究に携わった。

Koenigs氏らは、成人になってVMPCの障害を受けた6人の人で研究を行った。VMPCが同情や恥、罪などの感情的な反応や社会的な感情に関与していると、Koenigs氏のチームは述べている。

比較のために、脳障害のない12人の健康な成人とVMPCや他の感情に関する領域に影響しなかった脳障害を有する12人の成人も調べた。

この研究で被験者たちは、他の人たちの生命を守るために1人の人の人生を犠牲にするといったジレンマのある作り話のシナリオを読んだ。

例えば、1つのシナリオで群衆に向かって走ってくる暴走ボックスカーを出演させた。研究の被験者たちは彼らがボックスカーから他の5人を救うために橋から1人を突き落とすかどうか質問を受けた。

VMPCに障害をもつ人たちは、その行動に最も同意する傾向があり、他の個人的、感情的、生死のシナリオでも同様の選択をした。さらに、彼らは他の被験者たちよりもその決定が速かった。

しかしながら、これらのVMPCに障害のある被験者は他の被験者のように非個人的で、利害の少ないシナリオをたくさん扱った。

研究者たちは、VMPCに障害のある被験者が冷酷だとか、あるいは不道徳であるとは言っていない。しかし、VMPCが個人的だったり、感情的だったり、感情で道徳的な決定をすることに関与しているという理論を、この調査結果は支持していると話す。
(WebMD - 2007年3月21日)
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サーカディアンリズムと双極性障害

サーカディアンリズム(目覚めや睡眠のサイクルなど生活のリズム)の制御に関する遺伝子は、双極性障害の躁病相で中心的役割も果たしているかもしれない。

時計遺伝子はサーカディアンリズムを制御する中心であるが、この遺伝子に、ある特定の変異のあるマウスは、ヒトの躁病の行動と非常に似た行動を見せた。リチウム(双極性障害の治療に使用される薬物)を投与すると、多くのマウスは正常な行動に戻った。

この研究結果は、研究者を交わし続けるメカニズムをもつ双極性障害に、さらなる研究への出発点として役立った。

「躁病がどのように発症するのか、また、躁病の治療がどのように作用しているかを研究するのに、非常に良い躁病のモデルを私たちに与えてくれます。なぜなら、安定剤の作用の多くが謎だからです」と、Colleen McClung氏(研究のsenior authorで、ダラスのthe University of Texas Southwestern Medical Centerで精神医学の助教授)は話す。「双極性を研究するのは困難でした」

David J. Earnest(MedicineのTexas A&M Health Science Center College of Medicineの神経科学及び実験治療学の教授)はつけ加える。「実際、患者が双極性障害を経験している時、サーカディアンリズムが乱れています。この動物モデルで、時計遺伝子の変異は双極性障害と非常に似通った行動パターンを作り出します」

科学者たちは、サーカディアンリズムが精神障害、特に双極性障害に関係があるかもしれないと、長い間疑ってきた。

双極性障害は、エネルギーの変化や機能の能力とともに、気分が非常に高揚したり、非常に低下(うつ)したりと、揺れが交互にくる特徴がある。米国国立精神衛生研究所によると、約570万人のアメリカ成人(18歳以上の人口の約2.6%)が双極性障害かもしれないという。

この障害を有するほとんどすべての人はまた、睡眠/目覚めやホルモン、食欲、体温などの日内周期の機能が不規則である。睡眠/目覚めのサイクルの大きな乱れは、双極性の症状の引き金となる。そして、リチウムなどを使った双極性障害の治療の多くは、サーカディアンリズムを変えることができる。

時計遺伝子(サーカディアンリズムに関わる中で最も重要な遺伝子の1つ)がまた、この障害に関係しているかもしれないという示唆があった。けれども、決定的な証拠はない。

「私は、常に関係があると考えていますが、ほとんどの研究は相関関係で」と、Earnest氏は語る。「私たちは、サーカディアンリズムの乱れの間に、決定的な関係があると本当に言うことができませんでした。それは単に関連性にすぎません」

今週の全米科学アカデミー会報で発表された新しい研究で、McClung氏らは、双極性障害のヒトと類似性があるかどうか調べるために、時計遺伝子に変異を有するマウスで実験を行った。

事実、マウスは過剰に活動したり、多くのリスクを取ったり、コカインや砂糖などの『報酬』物質のために優先したりした。

そして、リチウムをマウスに与えると、彼らの行動は安定した。

「彼らが躁病の段階にあるとき、行動全体が双極性患者に非常に似ています」と、McClung氏は話す。「このことは非常に重要です。なぜなら、ヒトの躁病の良いモデルでも、完全なモデルではなかったからです。これは今まで記述された中で最も完全なモデルです」

研究者は、脳のどの部分が関与しているかを決定しようと、一歩先に進んだ。機能的な時計遺伝子をマウスのドパミン細胞内(ドパミンは報酬や気分の制御に関与している)に戻すと、これも躁病の行動のいくつかを修正したことが分かった。

「これはおもしろいことです。というのも、時計が機能している脳の領域を正確に指摘しているのですから」と、McClung氏は語った。「私たちは、時計がそこで何をしているのかを本当に知りませんでした。時計がドパミン活性を制御しているかのようですし、これらのタイプの行動を引き起こしているのかもしれません」

しかしEarnest氏はまた、いくつか警告を発した。

「マウスの全体的な行動は、双極性障害の患者で見られるものと非常に似ているように見えます」と、彼は話す。「しかし、行動で見られるものが、双極性うつ病に関する臨床的症状と、どのように完全に一致するか?私たちはいずれにせよ、双極性うつ病に対する動物のモデルを充分に表しているか議論することができます」
(ロイター - 2007年3月20日)

いつもそうなのですが、今回は特に訳に自信がありませんのであしからず。
いずれにしても、サーカディアンリズムと双極性障害に関連性があるらしいということで、
これには時計遺伝子の変異が関わっていて、
単に生活のリズムを変えるだけではだめということのようです。
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抗うつ薬は双極性にリスクがあるか?

抗うつ薬が自殺のリスクを増加させるかもしれないという関心が広まっているが、イタリアの精神疾患の専門家は、薬物が正しく使用されない場合にのみ、本当だろうと話す。

ランセットで3月17日に発表されたエッセイで、Franco Benazzi, MD, PhDは双極性障害(双極性障害IIと呼ばれる)の、一般的だがあまり認識されていない型について記述している。

この障害はしばしばよく誤診されるため、患者たちがしばしば抗うつ薬単独で誤った治療をされ、そのことが問題をさらに悪化させると、精神医学の教授はWebMDに語る。

「これらの患者は、気分を安定させる薬物を使用する必要があります。それでも、うつ症状が持続するなら、抗うつ薬を追加することができます」と、Benazzi氏は話す。「抗うつ薬単独で治療すると、実際躁症状を増大させて、病気を悪化させます」

・双極性障害IIとは何か?

双極性障害はかつて躁うつ病として知られ、極端に上がったり極端に下がったりする劇的な気分の変動で特徴付けられる。双極性障害IIはこの病気のそれほどひどくない型であると考えられ、軽躁病として知られる軽〜中程度のレベルの躁病である。

双極性Iの患者には、精神症状があるものの、幻覚症状や妄想は双極性IIでは起こらない。

気分の変動が双極性Iほど明白でないので、双極性障害IIを診断するのに問題が残されている。患者はしばしば、うつ症状によく苦しむため、非常に多くは抗うつ薬のみで治療される。

「うつ症状は認識されますが、双極性障害はされるというわけではないのです」と、Benazzi氏は話す。

この問題は子供や青年期で特に一般的かもしれない。

「注意欠如多動性障害(ADHD)や大うつ病性障害のように双極性障害の誤診は一般的で、気分の安定剤の代わりに興奮剤や抗うつ薬を使用することが悪化させるかもしれません」と、彼は述べる。

Benazzi氏は、現れている症状がうつを示す患者は、躁病や軽躁病の症状かどうか評価されるべきであると記述している。双極性障害と診断されれば、治療は抗うつ薬のあるなしに関わらず、リチウムのような気分を安定させる薬物を使用するべきである。

うつ症状のある患者誰にでも抗うつ薬単独で広く治療されていることは、これらの薬物を服用する患者の間で自殺の増加が報告されていることについて説明がつくかもしれない。

「抗うつ薬に関連する自殺はおそらく、時々は薬物ではなく、うつ症状の治療に、ごちゃ混ぜに抗うつ薬のみを使用した臨床医によって引き起こされたものでしょう」と、Benazzi氏は結論づけている。

・さらに多くの研究が必要

研究者のRif S.El-Mallakh, MD(the University of Louisville School of Medicine)は、近年臨床医が双極性障害IIを特定できるようになってきたと話す。しかし、彼は、まだまだ多くの患者がまだ不適切な治療を受けているとつけ加える。

El-Mallakh氏(精神医学のassociate professor)は、躁病や軽躁病の症状の頻度を増加させることに加えて、抗うつ薬がうつ症状を悪化させ、将来うつ病になる可能性を増加させると、WebMDに語った。

双極性の患者が、1年以内に躁病や軽躁病の症状を4回以上経験することは急速交代型(rapid cycling)として知られている。

抗うつ薬の導入前には、双極性障害において急速交代型はかなりまれで、患者のちょうど2%〜3%に起こると、El-Mallakh氏は話す。最近は20%〜25%の患者が急速交代型を経験すると彼はつけ加える。

研究者たちは、双極性障害IIや関連する障害のスペクトルにおいて、より多くの研究が必要であることに同意している。

病気が正しく特定されるまでに、8〜10年誤診されていた双極性障害の平均的な患者において、そのことを示す研究を、Benazzi氏は指摘する。

「うつ病は、障害が進行するにつれ、より悪くなる傾向があります。特に患者が長年誤った薬物を服用しているなら」と、彼は語る。
(WebMD-2007年3月15日)
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目にベータカロテンは役に立たないかもしれない

ベータカロテン剤は加齢黄斑変性症(AMD)の予防の役に立たないかもしれない。

Ophthalmology(眼科学)のアーカイブにおける新しい研究では、12年間ベータカロテン剤を服用している健康な男性が、ベータカロテン剤を服用しない男性と、AMDなどの加齢黄斑症(ARM)を発症しやすさは同様であったという。

AMDはアメリカの視覚損失の主な原因で、米国では1300万人以上の人に影響を及ぼしている。55歳未満の人では珍しい。

AMDは黄斑(読書や、テレビを見たり、運転したり、裁縫したり、あるいは集中して正確なビジョンを要することを行うのを可能にする網膜の一部)をターゲットにする。AMDは徐々に黄斑を傷つけていく。

・ビタミンと視覚の研究

新しい研究では、研究の開始時に40〜84歳の2万2千人の明らかに健康な米国男性の医師で行った。

ボストンのBrigham and Women's Hospitalの予防医学部門のWilliam Christen, ScDを含む研究者たちは、男性たちをランダムに2つのグループに分けた。

男性の1つのグループは、1日おきに50mgのベータカロテンを含む錠剤を服用するように割り当てられた。もう片方のグループは、ベータカロテンを全く含んでいない偽の錠剤(プラセボ)を服用した。

12年間追跡調査を行った。ほとんどの人はその間、従順にその錠剤を服用した。毎年、彼らは自分の医学履歴を更新した。

男性はこの研究のために自分の目を調べさせる必要はなかったが、研究者たちは報告されたARMの診断を確認しようとした。

・研究の結果

研究の終わりに、ベータカロテングループの162人の男性とプラセボ・グループの170人はARMを発症した。2つのグループの違いは、偶然といえるほど小さかった。

研究の間、プラセボ・グループの男性は、もし望むなら、自分自身のビタミンをのむことができた。プラセボ・グループの男性の6%近くはベータカロテンを含むビタミンを摂取した。それはおそらく結果を歪曲しなかったと、研究者たちは述べている。

この調査結果は、Christen氏らが男性たちの年齢や他の危険因子を調整したものである。

ベータカロテンのサプリメントの長期使用は、ARMを発症する率を上下させないと、研究者たちは結論づけている。
(WebMD-2007年3月14日)
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脳内物質と薬物中毒

イギリスの研究者の報告によると、ドパミンと呼ばれる脳内化学物質が衝動性や薬物中毒に影響を与えるかもしれないという。

イギリス、ケンブリッジ大学のJeffrey Dalley, PhDもその研究者の1人である。 Scienceで発表されたこの研究結果は、薬物中毒における脳の役割について説明するのに役立つかもしれない。

「次のステップは、その遺伝子もしくは脳の受容体の供給を減少させる原因となる遺伝子を特定することです」と、Dalley氏はケンブリッジ大学ニュースリリースで話す。

興奮剤に対する中毒は「しばしば過度に危険を冒すことや刺激欲求、衝動性と関連しているが、十分に理解されない方法で」とDalley氏らは記述している。

目標は、衝動性か薬物中毒のどちらが一番になるかを調べることだった。そして、ドパミンがどのように衝動性や中毒に影響を及ぼすか。

・研究室でのラットの実験

Dalley氏のチームは人間ではなく、雄のラットで研究を行った。

研究が開始される時、どのラットもどんな薬物にも曝露されていなかった。

まず、ラットは衝動性のテストを3週間受けた。

そのテストでは、ラットのケージ内の5つのスポットのうちの1つで、明るいライトをほんの一瞬照らした。ラットには、ライトが次にどこで光るかわからないようになっていた。

ラットがライトのところにすぐに疾走すれば、えさのペレットが報酬で与えられた。衝動的に間違った場所に突進すれば、えさはない。

テストでは、数匹のラットが非常に衝動的であることが示された。
ポジトロン放射断層エックス線撮影を使用する脳スキャン(PETスキャン)によると、衝動的なラットは、それほど衝動的でないラットよりも脳の主要な領域におけるドパミン受容体が少なかった。

・薬物テスト

次に、研究者は静脈(IV)のチューブをラットに外科的に取り付けた。

約2週間後、そのIVチューブに慣れてから、ラットがケージ内でレバーを押すと、チューブを通って少量のコカインを含む液体を得ることができるようにした。

コカインの量は制限されたが、非常に衝動性のあるラットは他のラットよりも多くのコカインを自分に与えることが、この研究でわかった。

Dalley氏らはコカインのみで研究を行ったが、ニコチンや鎮静剤など他の中毒性のある薬物においても同様で、ドパミン受容体と関連しているであろうと示唆している。
(Web MD-2007年3月1日)

BBC Newsでは、薬物だけでなく、ADHDにおいての可能性についても書かれていました。
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ナイアシンの分子の阻害が老化を遅らせるかも

ビタミンB3(ナイアシンとしても知られている)の成分を阻害する薬物が、加齢を遅らせるかもしれないということが、最近の研究でわかったという。

フィラデルフィアのthe Wistar Instituteのチームは、このナイアシンの成分(ニコチンアミド)がサーチュイン(sirtuin)と呼ばれる酵素の特定の位置に結合し、その活性を抑制することがわかった。

サーチュインは活性化されると、酵母菌や、虫、ハエなど多くの種類の有機体の寿命をかなり延ばすことができる。サーチュインはまた、2型糖尿病や肥満など、加齢と関わりのある新陳代謝の病気をコントロールできるかもしれない。

ニコチンアミドがサーチュインの特定の位置に結合するのを妨げる薬物は、この酵素を活性化し、健康を向上するかもしれないと、この研究者たちは話す。

この研究はMolecular Cellの2月9日号で発表されている。

「私たちの研究結果は、サーチュインを活性化する薬物を設計するための新しい大きな道を示しています」と、senior authorであるRonen Marmorstein(Wistarの遺伝子発現及び調節のプログラムにおける教授)は準備された声明で述べた。

「この種の薬物がヒトで寿命を延ばすかどうかに関する結論はまだですが、同様にまた、そのような介入が、肥満や2型糖尿病など加齢に関する健康上の問題を打ち消すのに役立つかもしれないという可能性に興奮しています」と、Marmorstein氏は話す。
(HealthDay News-2007年2月9日)
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抗うつ薬と骨折のリスク

ある種の抗うつ薬を50歳以上の成人が毎日服用すると、骨折のリスクが倍になることが、新しい研究でわかったという。

「他の研究でこの関係が指摘されていましたが、私たちの研究でこのことがはっきりしました」と、この研究の論文著者の1人であるDavid Goltzman, MD(モントリオールのMcGill大学でthe Centre for Bone and Periodontal Researchのディレクター)は言う。

研究に使用した抗うつ薬は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)として知られているもので、プロザックやパキシルなどの薬物である。

低濃度の脳内化学物質のセロトニンは、うつ病と関連しており、その薬物はセロトニンをより利用できるようにすることによって作用すると考えられている。

・SSRIと骨折のリスク

Goltzman氏らは50歳以上の成人5,008人(平均年齢は65歳)で評価した。

5年以上追跡調査を行い、それらは彼らが「もろくなって」骨折(ベッドから落ちるなどの比較的マイナーな外傷の例)を経験したかどうか調べた。

SSRIの日常的な使用は137人の被験者で報告された。

骨折のリスクを増加させる因子として知られているもの(転落、骨密度が低い、身体をあまり動かさないなど)を調整してからでさえ、SSRI抗うつ薬を服用する成人は、別の抗うつ薬を服用する人よりも、骨折のリスクが2倍高かった。

X線で、自己報告していた骨折が本当だったことが確認された。

「SSRIを服用していたグループでは、137人中18人(13.5%)が、骨がもろくなって骨折したことがX線で確認されました」と、Goltzman氏は言う。

「使用しなかったグループでは、4,871人中317人(6.5%)が、骨がもろくなって折れたことがX線で確認されました」と、Goltzman氏。

研究では5種類のSSRI(プロザック、パキシル、セレキサ、ルボックス、およびゾロフトを使用)が使われた。

・いかにしてSSRIはリスクを高めるか

Goltzman氏は、抗うつ薬が、骨の生理機能のために、骨折のリスクを高めるかもしれないとしている。セロトニンは最近、骨の生理機能において重要であることがわかっている。

1つの動物研究によって、例えば、「骨がセロトニンを使用する能力を変えると、骨密度が減少する」ことがわかった、とGoltzman氏は話す。

製薬会社は加勢する。

この研究は因果を立証しないと、Eli Lilly and Company(プロザックのメーカー)のスポークスマンであるAmy Sousa氏は言う。

「現在のプロザックの説明書には、副作用として『骨粗鬆症』がまれ(1万人中1人未満)に起きると、臨床試験のデータを基に記載されています」と、彼女は話す。

Goltzman氏の研究が小さなものであると、彼女はつけ加える。

この研究のための基金は、イーライ・リリー・カナダや他の製薬会社や、the Canadian Institutes of Health Researchなど、さまざまなところから提供を受けた。

・実用化

SSRIを続けることを考えているなら、50歳以上の人は、この関係をはっきり意識しておくべきで、骨密度検査を受けた方がいいと、Goltzman氏は言う。

「もしあなたが50歳以上で、あなたの医師がSSRIを処方するなら、特にちょっとした怪我で骨折したことがあれば、まず骨密度検査を受けて下さい」と、彼は話す。「私は、患者にSSRIを服用しないようにとは言いません」

体をよく動かしたり、ビタミンDやカルシウムを充分摂取し、喫煙や過剰な飲酒はしないなど、骨折のリスクを減らすために知られているようなライフスタイルに注意することも大切であると、Goltzman氏は話す。

さらに多くの研究が必要であると、Robert P. Heaney, MD(ネブラスカ州オマハのクレイトン大学の教授で長年にわたる骨粗鬆症の研究者)は言う。「うつ病それ自体は骨折のリスクと関係があります」

この研究での発見で、その薬がうつ病と闘うのに役に立つと、医師が決めたなら、SSRIの服用を止めるべきではないということに、Heaney氏は同意している。

うつ病は特に高齢者に一般的で、高齢者全体の約10%の人に影響を及ぼすと、Goltzman氏は述べる。

Goltzman氏の研究は、the Archives of Internal Medicineの1月22日号に掲載されている。
(webMD-2007年1月22日)

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スピリチュアリティは血圧を下げるかも

5,300人以上のアフリカ系アメリカ人の研究によると。宗教やスピリチュアリティ(霊性)は血圧において良い作用をするかもしれないという。

研究者たちはジャクソン市(ミシシッピー州)の人々で行った心臓の研究で、宗教活動に関わったり参加した人は、そうでない人たちよりも血圧が非常に低いことが分かったという。宗教活動に関わる人々で、血圧やBMI値が高く、薬物療法を信奉しない傾向がある人でもそうであった。

この研究結果は、このほどニューヨーク市で行われたAmerican Society of Hypertension's annual meetingで発表された。

「アフリカ系アメリカ人の間で、心血管系の健康上の相違は広く認められており、高血圧はアフリカ系アメリカ人の心血管系疾患の発症における最も際立った危険因子です」と、この研究論文の著者であり、ジャクソン市のUniversity of Mississippi Medical CenterのSharon Wyatt氏は、準備された声明で発表した。

「私たちの調査結果は、宗教と精神性の統合(教会に通ったり祈ること)が、人がストレスにさらされるのを緩和して、高血圧の有害な作用を遅らせるかもしれないということを示しています。これらの習慣は、人が自分の日常生活に組み込むのに役立つ場合があります」と、Wyatt氏は語る。

これまでのいくつかの研究で、宗教と精神性が健康上の結果において予防効果を持っているかもしれないということが示されている。
(HealthDay News - 5月18日)
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銅、マグネシウム、亜鉛濃度と死亡率

フランスの研究者たちは、体内の3種類の金属の濃度と、癌や心臓病による死のリスクとのつながりを特定したという。

Lille Pasteur InstituteのNathalie Leone博士らは、銅が高濃度の人では、18年の間に亡くなるリスクが増加する一方で、高濃度のマグネシウムの人では、死亡率が減少したことを発見した。マグネシウムの濃度が低いと、他の2つの要素の作用を強めるようである。

けれども、研究者たちは、これらの金属が実際にその作用の原因なのか、癌や心臓病に対する単なるマーカーであるのか、まだ明らかではないとしている。

亜鉛や銅、マグネシウムは体内で多くの重要な役割(例えば、免疫反応や炎症、酸化的ストレス)を果たしていると、Leone氏たちは研究雑誌Epidemiology(疫学)で記述している。これらの要素の体内濃度と死亡率との間の関係を調査するために、研究者たちは、30〜60歳までの4,035人の男性で18年間追跡調査を行った。追跡調査の間、339人の男性が亡くなり、うち176人が癌で、176人が心臓病だった。

この研究の開始時に最も高い濃度の銅を有する男性では、低い濃度の男性に比べて、どんな原因でも亡くなるリスクが50%増加し、癌で亡くなるリスクは40%高かった。

他方では、最も高い濃度のマグネシウムを有する人では、最も低い濃度の人と比べて、亡くなるリスクは40%から50%減少した。

銅の濃度が高く、亜鉛の濃度が低いと、死亡率のリスクがさらに高くなった。この組み合わせを持つ男性は、亜鉛も銅も濃度が低い人よりも、追跡調査の期間に亡くなる人が2.6倍多かった。亜鉛の濃度が低くて、マグネシウムの濃度も低いと、死亡率のリスクが合わさって増加した。

高い銅濃度は、高齢、喫煙、高コレステロール値と関係があるが、低いマグネシウム濃度は、高齢、高血圧、糖尿病に関連していると、Leone氏のチームは述べている。

銅は体内の有害なフリーラジカルの生成の一因となり、マグネシウムが少ないと炎症の原因となるという。亜鉛濃度が低いと、免疫機能を損なうかもしれないが、一方でまた、亜鉛はフリーラジカルから肉体を保護する。

Leone氏のチームは、「このように、亜鉛が減少し、銅が増えるかマグネシウムが減ると、相乗効果的に酸化による障害や炎症反応を高めるかもしれません」と記述している。

それらは、「臨床的に血清中の亜鉛と血清中の銅、もしくは血清中のマグネシウムとの相互作用と、全ての原因、癌や心血管系疾患の死亡率の予測が可能かどうか確認するのに、さらなる研究が必要です」と結論づけている。
(ロイター - 5月12日)
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胸焼けを解雇する

何百万人ものアメリカ人が胸やけで悩まされていますが、専門家は、いくつかの簡単なライフスタイルの変更で、症状を減らしたり、排除することができると話しています。

メイヨー・クリニック・ヘルス・レターの5月号に掲載されている、いくつかのチップをここに挙げます。

・小さいものを食べる。これは、下部食道括約筋という、通常胃内の酸性消化液を保持する輪状の筋肉における圧力を減少させるのを助ける。
・「引き金」になる食物を避ける。ほとんどの人々が胸やけを引き起こす特定の食物がある。これらは脂肪性のものや揚げ物、アルコール、チョコレート、ペパーミント、にんにく、たまねぎ、トマトをベースにした食物、辛い物、柑橘類、カフェイン、またはニコチンを含むかもしれない。
・ベルトを緩める。腰の周りがきついと、下腹部や下部食道括約筋に圧力がかかる。
・食べた後に、横たわらない。食べてから少なくとも3時間待ってから、寝たり、カウチで身体を伸ばすこと。
・禁煙する。喫煙は胃酸を増加させる。また、喫煙中に空気を飲み込んで、酸の逆流が一層悪化するかもしれません。
・スリムなままでいる。太り過ぎは、胸やけの最も大きな危険因子の1つである。
・睡眠中は高くする。例えば、胃酸が上がってこないように、レンガやブロックを使用して、あなたのベッドの頭側を約6インチ(1インチ = 2.54cm)上げる。また、腰から上の身体を高くするために、マットレスとボックスのスプリングの間にくさびを差し込んでもよい。あなたの頭を高くするために、余分の枕を使用するのは十分ではない。
・左側に向く。左側を下にして眠ると、胃が空になるのを助けるかもしれない。

胸やけの問題が続くなら、医師の診察を受けてください。治療のオプションとして、薬店や処方薬、括約筋を締めるための外科などがあります。
(HealthDay News - 5月7日)
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FDAが抗ヒスタミン剤に警告

アメリカ政府の厚生省は、火曜日に2歳未満の子供に塩酸プロメタジンを含む薬物を与えないように、抗ヒスタミン剤の使用と関係のある7件の死亡事例を引用して、両親や医師に警告した。

食品医薬品局(FDA)は安全性情報で、死亡事例以外にも、アレルギー薬の使用に関連した重篤な呼吸障害の報告を22件(すべて2歳未満の子供)受けたと話す。

また、塩酸プロメタジンとして知られるこの薬物は、さまざまなジェネリック薬品同様、Wyeth社から商品名Phenergan(米国にて)で販売されている。この警告は、シロップ剤、坐薬、錠剤、および注射薬など、この薬物のすべての剤型をカバーしている。

FDAは、両親がこの薬を2歳以上の子供に与える際にも注意するべきであるとしている。

FDAは、強まっている警告を反映するために、この薬のすべての剤型のラベルを新しいものにしたという。

この薬は、1951年に承認され、アレルギーや、軽いアレルギー症状に対して、花粉症や鼻閉、鼻水を治療するのに使用されている。

詳しくは、FDA promethazine information:
http://www.fda.gov/cder/drug/InfoSheets/patient/promethazinePIS.htm
(Associated Press - 4月25日)

プロメタジンは、日本ではピレチアやヒベルナとして知られており、
アレルギー症状を抑えるだけでなく、パーキンソン病の症状やめまいに使用したり、
吐き気を抑える作用なんかもありますが、
この記事は2歳未満を対象としたものなので、
アレルギー薬として扱われているのだと思います。
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アスピリンは抗生物質による聴力損失を予防する

最新の報告によると、一般にアミノグリコシドと呼ばれる抗生物質によって引き起こされる聴力損失を、アスピリンが予防することがわかったという。

アミノグリコシドは急性感染症、嚢胞性線維症、結核などを治療するのに過去60年間使用されている安価な抗生物質である。けれども、それらの使用はまた、不可逆性の聴力損失にもつながる。

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの4月27日号で、米国と中国のチームによって報告されるように、この研究は195人の中国人患者で行われ、ゲンタマイシン(アミノグリコシドの一種)を1日2回、80mgから160mgまで静脈注射を5日〜7日間行った。195人の患者のうち89人は、抗生物質と一緒にアスピリンを服用し、106人は抗生物質と一緒に偽薬を投与された。

アスピリンを服用した患者で聴力を損失した率は3%で、偽薬を服用した患者では13%だった。このことは、アスピリンを服用した患者の聴力損失率が、75%低いことを意味する。

「患者に対してリスクを最小にするための予防策を講じることができるように、この言葉が世界中の医学界に広がるのを見たいと思います。アスピリンはどこででも入手できますし、安価です」と、この研究のsenior authorであり、University of Michigan (U-M) Medical Schoolの耳鼻咽喉学科で生化学教授のJochen Schacht氏は、準備された声明で発表した。

この研究は動物におけるこれまでのU-M研究に基礎をおいている。

「これまで私たちは、そのような治療がマウスで効果があることがわかっていましたが、これがヒトでも非常にうまくいったことにエキサイトしています。動物研究を臨床研究に置き換えるのはたやすいことではありません。最初の治験で、マウスから男性や女性にまで推定したことは幸運でした」と、U-M Health System's Kresge Hearing Research InstituteのディレクターであるSchacht氏は語る。
(HealthDay News - 4月26日)
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腎臓結石衝撃波治療が糖尿病や高血圧のリスクを高める?

医師たちは腎臓結石を破砕する一般的な衝撃波療法が、糖尿病や高血圧のリスクを増大させるという報告に慎重な反応をしている。

メイヨー・クリニックの研究者たちは、破砕術と呼ばれる治療を行う患者は、他の治療法を受けるよりも、糖尿病を発症する可能性が約4倍高く、次の10年間にわたって高血圧になるリスクが約50%高いと、雑誌Urologyの4月号で報告している。

しかしながら、メイヨー・クリニックでの破砕術の使用を変更していないと、研究論文の著者で、泌尿器科のレジデントであるAmy Krambeck博士は話す。

「私たちは破砕術を使用し続けます」と、Krambeck氏は言う。彼女は、それには患者から苦痛の元の石を取り除くことを助けるという「明確な役割」があるとしている。

Krambeck氏は、この研究が決定的でないと指摘する。「私たちが、正確な原因を発見したとはっきり言うことができるなら、異なっていたでしょう」

Urology Society of Americaの社長でもある、オクラホマ市の医師のPhilip Mosca博士はそれらの意見に共感した。彼は、メイヨー・クリニックの研究が「回顧的」であると述べた。これは、予期され、制御された試験であるよりもむしろ歴史的な結果を見たことを意味している。「回顧的な研究は常に疑わしいです」と、彼は話す。

米国国立衛生研究所によると、男性の10%と女性の5%の人は、70歳までに腎臓結石を発症すると予想され、メイヨー・クリニックの専門家は、約100万人のアメリカ人がこれまで破砕術を受けたとしている。

この研究において、まず破砕術の長期効果を調べるために、メイヨー・チームはアンケートを1985年にこのクリニックで衝撃波治療を受けた630人の人に送った。それらの結果を、他の腎臓結石の治療を受けた患者と比較した。

研究者たちは、アンケートに回答した、破砕術を受けた患者の60%において、糖尿病や高血圧の発症が増加していることがわかったという。

しかし、Mosca氏は、1985年以来破砕術が非常に変化しているので、この結果が今日治療を受ける人とは関連していないかもしれないと話す。「当時、人々はおそらく少し「過剰に治療」されていました」と、彼は言う。「また、彼らはHM3マシンを使用しました。これは、破砕する機械の中で最も高いエネルギーを発生するものです」

Mosca氏は、アンケートの使用に慎重にならねばならない別の理由があると話す。 「対面でインタビューをすれば、違う結果を得ます」と、彼は語る。

また、少なくとも糖尿病に関する結果を疑う別の理由がある。インスリンは膵臓で生成され、それは破砕術の影響を受けない。 「通常、ビームは膵臓を通過しません」と、Mosca氏は言う。

実際、技術者側が完璧に狙いを定めていればという仮定でのことであると、Krambeck氏は語る。 「もし正確に焦点が合っていなければ、膵臓に衝撃波が当たっていたでしょう」と彼女は話す。

Mosca氏は、破砕術の使用を減らしたり、止めたりする計画がないと語る。「現在の時点ではありません」と彼は言う。「予測できて、あまりコントロールできないものがわかるまでは」

Krambeck氏は、治療後、慎重に患者をフォローするのが目的の、将来への研究が計画段階にあると話す。

一方、メイヨー・クリニックでほとんど変化がないと話す。そこにいる泌尿器科医はまだHM3マシンを使用している。Krambeck氏はそれを「ゴールド・スタンダード(至適基準?)」と呼ぶ。

長期にわたる潜在的なリスクについて話の後でさえ「私たちの患者の大部分は衝撃波療法に対して受容的です」と、彼女は言う。Krambeck氏は、多くの人が外科など他の治療より、それを好むとつけ加える。
(HealthDay News - 4月12日)
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Ambienと夢遊病とのつながり

米国で主に処方される睡眠薬のAmbien(日本ではマイスリーという商品名で販売されている)は眠っている間に夢遊病など奇妙な、あるいは危険につながるような行動(食事、電話での会話、万引き、運転など)をとるかもしれないと、ワシントンポストは報告している。

目覚めると、これらの活動についての記憶が全くない。

Ambienが、こういった事例と関係があるという報告が、まだ決定的ではないものの、増加していると、睡眠の専門家や研究者たちは話す。多くのケースが医学雑誌で発表された記事に掲載されている。

メイヨー・クリニック睡眠障害センターの研究者であるTimothy Morgenthaler氏は、Ambienを服用した後に夢中歩行や眠りながら食事をする人々の多くのケースを調べていると話す。
(HealthDay News - 3月14日)
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抗うつ薬は心臓病患者の死のリスクを高める?

冠動脈疾患の抗うつ薬を服用する男女は、亡くなるリスクが高いように見えると、驚異的な新しい研究は示す。

この研究結果に対する説明の準備はなかった。それは、これまでの研究と矛盾する。

「これは予期されなかった調査結果でした。」と、この研究論文の共著者で、デューク大学メディカルセンターの医学心理学教授のJames Blumenthal氏は話す。「明白な説明はありません」

しかし、「抗うつ薬で患者が亡くなったと結論づけるのは、不適当です」と、彼はつけ加えた。

「私たちが望んでいたことに矛盾します」と、ニューヨーク市のレノックス・ヒル病院で女性の心臓病のケアのチーフで、かつ、米心臓病協会のスポークスウーマンである、Nieca Goldberg博士は言い足した。「けれども、私たちはどちらにせよ、立証することができません。」

土曜日にデンバーでのAmerican Psychosomatic Society meetingで発表されたこの研究で、さまざまな要因を調整してからでさえ、抗うつ薬を服用する心臓病患者は、抗うつ薬を服用しない人よりも亡くなるリスクが55%高いことがわかったという。選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)を服用する人と、他のタイプの抗うつ薬を服用する人の間には、統計的に重要な差異はなかった。

これまでの研究で、うつ病は血小板が凝集する傾向が増加する傾向があるため、うつ病の心臓病患者は亡くなるリスクが高いことがわかっている。その結果、多くの医師は、そのリスクを相殺するために抗うつ薬でそのような心臓病患者を治療する。

最近の1つの研究によって、抗うつ薬が死のリスクや、最初の心臓発作を起こした人々が2回目の心臓発作を起こすのを、ほぼ半減することがわかった。

その研究にもかかわらず、心臓病の人々における抗うつ薬の効果の研究はほとんどなかった。

この研究に、デュークの研究者たちは、冠動脈がどれくらいブロックされたかを調べるために心臓血管造影を受けた921人の患者の情報を分析した。 被験者の約20%の人は、抗うつ薬を服用しており、そのうち66%の人はSSRIを服用していた。

抗うつ薬をのんでなかった人々が、広く使用されているうつ病のスケールでスコア7で、抗うつ薬をのんでいる人では平均スコアが11だった。スコア10以上だと、その人はうつ病であると考えられることを意味すると、この研究は述べている。

3年で、抗うつ薬を服用する患者の21.4%は亡くなり、対して抗うつ薬を服用しないグループでは12.5%だった。

この研究には、しかしながら、限界があり、それがランダマイズされなかったということが主なことである。

Goldberg氏は、また、うつ病患者が抗うつ薬を服用することから利益を得たか否かに関係なく、徴候もなかったと話す。

デュークの研究者たちは、運動とSSRIが心拍数の可変性や血小板凝集の「粘性」といった冠動脈疾患のバイオマーカーに影響するかどうかを調べるためのランダマイズされた試験における患者をすでに登録している。

「このことは興味深く、私たちが考えたことと異なっています。なぜなら、私たちが、これらの薬物療法が安全であると一般に考えるためです」と、Goldberg氏は話す。「それは、私たちがうつ病を治療するべきでないことを意味しませんが、私たちは、起こったことをただ観測するのと対照的に、なぜこのことが起こったかを理解する必要があります」
(HealthDay News - 3月4日)
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プラダー・ウィリー症候群で睡眠時無呼吸が悪化するかも

研究によると、プラダー・ウィリー症候群(Prader-Willi Syndrome = PWS)と呼ばれる珍しい遺伝病の患者に成長ホルモン(GH)を短期投与すると、ほとんどの患者で睡眠異常が改善されるという。けれども、一部の患者では睡眠の乱れの悪化を経験するかもしれない。

PWSには、筋肉の緊張が乏しく、低身長、学習障害、および慢性的飢餓感など、さまざまな特徴があり、過食は肥満につながる。他に睡眠時無呼吸という、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる状態が存在するかもしれないという特徴がある。

GHは2000年にPWSに対して承認された。しかしながら、PWSがすぐ後にGHの治療を始めてからすぐに亡くなる人が出て、GHが睡眠時無呼吸を悪化させるかもしれないということに関心を促した。

ゲーンズビルのUniversity of Florida College of MedicineのJennifer Miller博士と同僚たちは、一晩睡眠検査を受けてPWSであると遺伝的に確認された25人の患者において、GH治療を始めたときを基準にして6週間、睡眠時無呼吸のGH療法の効果を調べた。

GH治療はほとんどの患者において睡眠時無呼吸になる頻度や重さを減らしたと、彼らは雑誌Clinical Endocrinology and Metabolism(臨床内分泌学および代謝)で報告している。

しかしながら、6人の患者では、これらの症状は悪化した。

後者の4人の患者は、同時に上気道感染を起こした。4人すべてが評価の際に扁桃腺が大きくなっていた。扁桃腺切除術およびアデノイド切除はこれらの患者の厄介な睡眠時無呼吸の徴候を改善した。

どの患者がGHで、悪化するかを予測することは可能でないので、患者は「GHを始める前後に、睡眠の検査を受け上気道感染のある睡眠時無呼吸に対してモニターしてもらうべきです」と、研究者はアドバイスする。
(ロイター -2月27日)
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遺伝子が過食症とOCDの関係を説明する

特定の遺伝子異型は、なぜ摂食障害と強迫神経症(OCD)が時に一緒に生じることがあるのかについて説明するかもしれないと、カナダの研究者たちが報告する。

そして、「私たちは、摂食障害を有する家系で、しばしばOCDの率が高いということがわかっており、ある程度、逆もまた然りです」と、トロント大学の精神科の教授であるRobert Levitan氏は準備された声明で発表した。「これらの個人にとって、摂食障害はOCDが現れる様式の一部になります。わかっていないことは、2つの病気の関係において遺伝的にどんな役割を果たしているかということです」

Levitan氏や同僚たちは16〜55歳の過食症の女性165人で遺伝分析を行った。研究者は特にセロトニン-1B受容体の遺伝子G861Cの異型に焦点を合わせた。G861CはOCDに寄与することが知られている。女性はまた、彼女たちが完全ないしは部分的にOCDを有するかどうか調べるために面談を受けた。

大学の声明によると、この研究によって、完全ないし部分的にOCDを有する女性の27.3%で「G861C多型は強い分化を提供し、完全な症状と関連しているのはG対立遺伝子(形)で、部分的なものではC対立遺伝子でした」。

「これらの結果は、この対立遺伝子が強迫症状を引き起こすのではなく、それらを和らげるように作用するということを語っています」と、Levitan氏は話す。「おそらく、別の遺伝子がOCDを引き起こしていて、この対立遺伝子はその遺伝子とともに症状の感度に影響を与えるように働くのかもしれません」。

この研究結果は雑誌European Neuropsychopharmacologyに掲載されている。
(HealthDay News - 3月3日)

遺伝子については専門外なのでわかりませんが、
対立遺伝子というのは、どうやら突然変異でできるもののようです。
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抗うつ薬は新生児の肺に影響を与えるかもしれない

新しい研究で、妊娠中にプロザックや他の同様の抗うつ薬の使用が、新生児にもまれであるものの、別の、生命に危険を及ぼすような肺の問題につながることがわかった。

母親が妊娠後期に抗うつ薬を服用した幼児は、肺の病気を発症するリスクが6倍高いと予想されることが、このほどニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンで報告された。

この抗うつ薬は選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)と呼ばれ、プロザック、パキシル、ゾロフトなどの薬が含まれる。

「これは胎児に対してSSRIの厄介な副作用の可能性を報告する最新のものです」と、 National Institute of Child Health and Human DevelopmentのJames L. Mills博士は、付随の論説で記述した。

他の研究では、妊娠後期における抗うつ薬の使用が、新生児の神経過敏やイライラ、低血糖、呼吸困難につながることがわかった。食品医薬品局は昨年、妊娠初期の3カ月の間にパキシルの服用が、心臓欠陥に関連しているかもしれないと警告している。

道義上、妊娠している女性で薬物療法をテストすることができないため、薬が市場に出て使用されてから胎児における薬物の可能な効果を観測することができるのみである。

研究者の1人である、サンディエゴのカリフォルニア大学のChristina Chambers氏は、「それが本当にリスクなら非常に低いです」と、この研究結果のことを語った。研究者たちの計算によると、妊娠後期に抗うつ薬を服用した女性の99%は、問題なく出産するだろう。

食品薬品局の新薬のオフィスのdeputy directorであるSandra Kweder博士は、この結果が心配であるとして、政府機関が近日中に公衆の健康に関する勧告を発表すると話す。

「私は、これらの薬物療法を受けている女性の間でパニックの原因にならないと強調するでしょう」と、Kweder氏は話す。

女性は、自分で抗うつ薬の服用を止めるべきではなく、気になるなら、担当の医師に問い合わせるべきであると、Kweder氏は語る。「多くの女性にとって、この研究で示されたリスクは低く、彼女たち自身のメンタル・ヘルスの状態の治療が個人的に必要であるほどではないかもしれません」と、彼女は言う。

この研究では、研究者は持続性の肺性高血圧と呼ばれる問題が見られた。幼児の肺がすぐに適応せず、血液に達する酸素が十分にないときに、この病気は出生後発症する。それは1,000人の出生あたり1〜2人の幼児に起こる。

研究者は、問題を有する377人の幼児の母親にインタビューし、妊娠中に、うつ病の薬物療法を受けたかどうか尋ねた。この女性たちを、ほぼ同じ時期に生まれた836人の健康な赤ん坊の母親と比較した。

幼児が問題を有する14人の母親は、比較グループの6人の母親と比べて、妊娠後期にSSRIを服用したと報告した。研究者は、抗うつ薬で病気のリスクが6倍に増加すると見込んでいる。

彼らは妊娠前期にSSRIの使用や、妊娠中の他の抗うつ薬の使用で肺の問題のリスクが増加しないことがわかった。
(Associated Press - 2月8日)
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ノコギリヤシの効果はないかも

何百万人もの男性に使用されるポピュラーなハーブの錠剤は、何度もトイレに行きたくなったり、他の前立腺肥大のつらい症状を抑えないと、厳密に行われた新しい研究で結論づけられた。

1年にわたる研究で、この植物の抽出物(ノコギリヤシ)は、ダミーのカプセルほどには、この研究を行った225人の男性の症状を和らげる効果がないことがわかった。この結果は、役に立つというこれまでの研究と対照的である。

「このことは、製品が有効であるか否かに関係なく、確かに、何らかの疑問を落としており、効果がないかもしれないということを示します」と、San Francisco VA Medical Centerのlead researcherであるStephen Bent博士は話す。

200万人以上のアメリカ人男性が前立腺肥大を治療するために、このハーブを摂取し、ヨーロッパで広く使用されていると、研究者たちは言う。 さらに多くの研究ではっきりするまで、ノコギリヤシを服用し、それが作用していると感じる男性は、おそらく使用を続けるべきです」と、Bent氏は語る。

この研究結果は、このほどNew England Journal of Medicineで発表された。

前立腺は尿道を囲むクルミ大の腺で、膀胱から尿を運ぶ管である。良性の肥大は、男性が年をとるにつれ生じる一般的な状態であるが、それは排尿の問題を起こす。この状態は前立腺癌と関係がない。

ノコギリヤシは米国南東部にある自生の小さなシュロである。 このエキスは、オリーブ大のベリー由来で、カプセルの形でOTC(薬店)で販売されている。

それはAmerican Botanical Councilによると、ニンニクやエキナセアに続いて、米国で3番目によく売られているハーブの栄養補助食品である。処方薬と違って、栄養補助食品は政府の認可を必要としない。

Bent氏は、同僚たちとともに、その使用の拡大や、これまでの(効果があるとする)陽性の研究結果から、研究にノコギリヤシを選んだと話す。これまでの研究は、彼の連邦政府によって資金を供給された研究よりも、さらに小規模で、短期間の研究だった。彼の同僚の中には、製薬会社からお金やサポートを受けた人もいた。

この新しい研究で、49歳以上で、中程度から重い症状のある前立腺肥大の男性を募集した。彼らは1日に2回、160mgのノコギリヤシか、同じように見えるダミーのカプセルを服用した。受診のたびに、彼らの症状を調べて記述し、尿流量を測定した。

1年後に、グループ間で、徴候の変化や他の測定値に重要な差異がなかったと、研究者たちは報告した。

Bent氏は、ダミーのカプセルがエキスの茶色の色や、苦味、強力なにおいも同じになるように入念に設計されたと言う。研究の終わりに、ノコギリヤシのグループにおける40%の人と、比較グループにおける46%の人は、よくできていたので、(本物の)エキスをもらっていると思っていた。

「私たちの理論ですが、そのこと(ダミーが本物そっくりだったこと)が私たちの研究がうまくいかなかった理由の1つかもしれないと考えます。反面、それはまた前の研究がうまくいった理由かもしれません」と、他の研究で男性が、偽薬を手に入れていたことをわかっていたかもしれないということを示唆しながら、Bent氏は語る。

Mark Blumenthal氏(American Botanical Councilのヘッド)は、ハーブの研究をフォローして、ノコギリヤシが最新の研究で行ったものよりも軽い症状に勧めると話す。

「私は、彼らが投与量を増やさなかったことが、不幸であると考えます」と、約10年間このエキスを摂取しているBlumenthal氏は語る。

Bent氏は、前立腺肥大に対する処方薬をテストするのに使用される同じ種類の患者を募集したと言う。その投与量はノコギリヤシの初期のテストで使用されたのと同じだった。

「この研究が(効果がないという)陰性の結果なので、さらに高用量を試すのが妥当であると考えます」と、Bent氏は話す。

ノコギリヤシなどハーブ療法の、さらに大規模な研究が最終的な計画段階にある。

この雑誌の社説で、ニュージャージーのUniversity of Medicine and DentistryのRobert S. DiPaola博士とRonald A. Morton博士は、ノコギリヤシの1つの剤型のみがテストされていると述べ、他の剤型や投与量で効果があるかもしれないということを示唆している。

「私が男性に話すことは、それを服用することでそれ自身が害をなさないかもしれないということです。自分たちに少しの害も加えないかもしれないということです。それはまさしく、それを服用したら効果があるかどうかはっきりしていないということです」と、Morton氏は話す。
(Associated Press - 2月8日)

サマリー:ハーブエキスと前立腺

テストされたこと:ポピュラーなハーブ・エキス(ノコギリヤシ=saw palmetto)が頻尿を和らげたかどうかを確認するために、前立腺肥大の男性に与えた。

結果:このエキスは、225人のボランティアの半数の人に与えたダミーのカプセルほど効果的ではなかった。以前の短期間の研究では、それが作用したということが示された。

次のステップ:ノコギリヤシに関してさらに多くの研究が計画されている。それを使用する男性は、おそらく摂取し続けてもかまわないが、医師とそのことについて話し合うべきである。
(Associated Press - 2月8日)
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アルコールがどのように体に影響を与えるか

3種類の天然由来の増殖因子である化学物質が、体内でのアルコールの作用を理解するのに、決定的な役割を果たすかもしれない。

3種類の増殖因子(インスリン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞由来の神経栄養因子(GDNF))の研究は、2005年6月のResearch Society on Alcoholism(アルコール依存症における研究学会)の年次総会で最初に発表された。このシンポジウムの議事は現在、雑誌Alcoholism: Clinical & Experimental Research(アルコール依存症:臨床および実験的研究)の2月号に掲載されている。

「増殖因子は、神経細胞の発達に関わるタンパク質であり、細胞を生存させ続けるためにも重要です」と、シンポジウム共同議長のDorit Ron氏(サンフランシスコ州カリフォルニア大学神経学助教授)は準備された声明で発表した。

「増殖因子(インスリン、BDNF、GDNF)は、細胞の生存における役割とは独立して、アルコールの作用を制御することができるようです」と、Ron氏は話す。

シンポジウムで発表された研究のいくつかは次の通り。

・遺伝子操作したミバエでは、インスリンの径路がアルコールの酔わせる作用に対する感度を制御することを示した。
・マウスでの研究では、低濃度のアルコールで、アルコールの消費を制御するために脳内のBDNFの出現が増加することがわかった。
・脳の腹側被蓋野でGDNFの出現が増加すると、ラットのアルコールの自己管理を減少させるようにみえた。
(HealthDay News - 1月24日)
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手術がいつもヘルニアに対する答えとは限らない

痛みも不快感もないヘルニアの男性は、外科手術の必要性がないかもしれないと、新しい研究で結論づけたという。

「何百年もの間続いている伝統的な教育を変える」発見だと、代表執筆者で、ネブラスカ州オマハのCreighton Universityの外科教授であるRobert J.Fitzgibbons, Jr.博士は話す。「患者は、それとともに生活することができるなら、ヘルニアを治すために手術する必要はないということを理解するべきです」

この研究では、鼠径部の近くに起こる鼠径ヘルニア(最も一般的なタイプのヘルニア)の男性に焦点を合わせた。ヘルニアの治療を受けていない男性で、症状がほとんどないか、あるいは無症状の人は、外科手術を受けて2年経っても残る痛みや不快感と似ていたことがわかった。

この報告は、アメリカの医学会誌の1月18日号に掲載されている。

しばしば筋肉が裂けたりして、器官(例えば、腸)の一部が、筋肉の壁の異常に開いた部分からはみ出てヘルニアが起きる。そこから時々、器官は引っかかったり、「閉塞」し、血流が滞ったり、「絞められ」たりする。

「かつて医師は、血流が止まって壊疽になる危険性があるので、ヘルニアを治療しなければならないと男性に言いました」とFitzgibbons氏は話す。「これらの資料は、医療がすぐに受けられなかった歴史的な時勢に基づくものでした」と、彼はつけ加えた。

この研究で、無症状か症状のほとんどない鼠径ヘルニアの男性における痛みや身体的機能、他の結果を比較した。720人の男性被験者から、ヘルニアを治療する人としない人をランダムに選んだ。

2年後、Fitzgibbon氏のチームは、両方のグループともに、痛みのレベルが日常の活動を妨げるほど高い患者の数が同じくらいであることがわかった。

「まずヘルニアの症状がほとんどないか、まったくない男性は、症状が出るまで手術を延期しても大丈夫です」と、論文の共著者であり、シカゴのイリノイ大学の外科の教授であるOlga Jonasson博士は話した。

Joanasson氏は、ヘルニアの手術をすると、外科手術そのものから合併症を引き起こされることがあると述べた。「主な合併症は、ヘルニアの治療後、多くの男性が長年続く慢性の鼠径部の痛みがあるということです」と、彼女は話す。

「40年間ヘルニアにかかっている男性たちがいますが、それは苦しめませんし、彼らもそれを苦しめません」と、Joansson氏は言う。「破れていなければ、治療しないでください」。

1人の専門家がこの研究結果に同意した。

「ヘルニアがあるのに、そのことを知らない人は、大勢います」と、ワシントン大学の外科の助教授であり、この雑誌に論説を記述しているDavid R. Flum博士は話す。「質問は『ヘルニアと共に生活するリスクは何か?』です」

ヘルニアで、治療しなければならない絞扼性ヘルニアになるというリスクは非常に低い、とFlum氏はつけ加える。「症状が出るまでに予防的に手術をするなら、観察して待つことを決めた人のグループよりも良くも悪くもありません。症状があるなら、治療してください」と、彼は話す。

「それはヘルニアに意味のあることです。破れてないなら、治療する理由が全くありません」と、Flum氏は言いました。

別の専門家は、無症候性ヘルニアに対する最良の治療は治療をしないこと、というのに賛成している。

「私は長年この方法で行ってきています」と、Yale University School of Medicineの外科の助教授である、Robert Bellは話す。「私は患者にこう言います。もしそれが、あなたを苦しめないなら、治療する必要はありません。あなたを苦しめるのなら、あなたは、どこに行けばいいかを知っています。 それがあなたを精神的にも苦しめるなら、私たちは進んで治療しましょう」
(HealthDay News - 1月17日)
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ヘルス・チップ:目のケア

年をとるにつれ、遠視や、ドライ・アイ、涙目など、目の問題が、よく出てくるようになります。

若いうちに自分の目を大事にすることで、将来問題が起きるのを防ぐことが可能です。

米国陸軍Medical部門は次のことを勧めます。

・日光への過度の露出を避けます。紫外線から守るためにサングラスをかける。
・強い化学物質にさらされたり、電動工具を操作したり、またはラケットを使うようなスポーツをするときは、ゴーグルや保護眼鏡を着ける。
・メガネをかけているなら2年に1回、かけていないなら5年毎に目の検査をする。
・目に触れる前に、常に手を洗うこと。そして目をこすらない。
・ベータカロチンやビタミンCを含む果物や野菜を食べる。
・OTC(薬店)の目薬を使いすぎない。それは目を刺激し、アレルギー反応を引き起こすかもしれない。
(HealthDay News - 1月13日)
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ピロリ菌と鉄欠乏性貧血に関連性

最新の研究によると、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染は、米国で成人の約1/3の人に影響を与えているが、鉄の欠乏で貧血のリスクが増加することにも関連しているという。

さらに、十二指腸潰瘍がなくてもこの関連性があり、出血による鉄欠乏性貧血を引き起こす場合があると、アメリカの雑誌Epidemiology(疫学)で研究者たちが報告している。

「米国の住民のサンプルで初めて、私たちはH.ピロリ菌の感染と鉄の欠乏、そして鉄欠乏性貧血との間に、明らかにつながりがあることを発見した」と、ヒューストンのテキサス大学の、代表執筆者であるVictor M. Cardenasは、ロイター・ヘルスに語った。

H.ピロリ菌感染はこれまでに、胃炎やほとんどの潰瘍を引き起こすことがわかっていた。この細菌はまた、胃癌の危険性を増加させる。

研究者たちは現在のNational Health and Nutrition Examination
Survey(1999-2000)のデータ分析に基づく、この新しい関係を特定した。少なくとも3歳の7,462人の被験者に関するデータが、この分析に含まれていた。

H.ピロリ菌感染の存在が、鉄の欠乏と、鉄欠乏性貧血の危険性を、それぞれ1.4、2.6倍上げた。H.ピロリ感染はまた、他のタイプの貧血にもあったが、はるかに少なかった。

H.ピロリ菌感染は、出血性潰瘍を引き起こすことを除いて、どのように鉄の欠乏を促進するか? 「H.ピロリ菌の急速な代謝で、鉄を隔離するようにみえ、それが可能なメカニズムの1つです」と、Cardenas氏は話す。

彼は、彼のグループが現在、H.ピロリ菌の根絶で、子供における鉄の欠乏を改善することができるかどうか調べるための、ランダム化された試験に対する基金を探しているとつけ加えた。

SOURCE: American Journal of Epidemiology, January 15, 2006.
(ロイター - 1月12日)
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OTCの咳止めシロップに効果なし(米国)

OTC(薬店で販売されているもの)の咳止めシロップに、毎年米国で何十億ドルも費やされたにもかかわらず、大部分のものに、咳を軽減する作用はほとんどないと、米国の呼吸器専門医は話す。

一般に、OTCの咳止めシロップは、効果が出るには少ない量の薬物を含み、咳の治療をするのに証明されていない薬物の組み合わせを含むと、アメリカの大学の呼吸器専門医のための咳のガイドライン委員会の議長である、Richard Irwin博士は言う。

ドラッグストアの棚には咳止めシロップがたくさん置かれ、処方箋が不要で、迅速に、かつ、しばしば眠くなることなしに症状を緩和することをうたっている。

しかし、「私たちが始めなければならない最も良い研究では、それらが作用を示さないために、これらの薬物療法を使用するための正当化がそれほどないということを示唆するでしょう」と、マサチューセッツ州ウースターにあるUniversity of Massachusetts Medical Schoolで薬学教授をしているIrwin氏は話す。

この団体の新しい咳の治療ガイドラインは、OTCの鎮咳薬の使用に水をさしている。Irwin氏は、そのような薬は、風邪の咳(最も一般的な咳の原因)を治療するのに無効であるばかりでなく、百日咳のように深刻な咳に対する治療を遅らせると話す。

このガイドラインでは、昨年承認された百日咳のための新しいワクチンを受けることを、成人に強く勧めている。

大衆薬協会(OTCの薬物療法のメーカーのための商取引団体)は、そのガイドラインに反論し、OTCの鎮咳薬が毎年何百万人もの人々の緩和に寄与していると語った。

このガイドラインは、American College of Chest Physiciansの雑誌Chestの1月号で発表された。この推薦は大学、アメリカ胸部学会、およびカナダの胸部学会によって支持されている。

OTCの多くのポピュラーな鎮咳薬は眠気を引き起こさないと、誇らしげに広告を出しているが、Irwin氏は、風邪による咳を和らげる抗ヒスタミン剤の古いタイプのものを含んでいないためであると言う。

これらのジフェンヒドラミンのような抗ヒスタミン剤は、OTCで購入できるものの、鎮咳薬としては販売されていないと、彼は話した。

OTCの咳止めシロップには、風邪が原因の咳を和らげる薬物が2種(コデインとデキストロメトルファン)含まれているものがあるが、一般に含量が少なすぎて効果がないと、Irwin氏は語る。

デキストロメトルファンはRobitussin(米国の商品名)に含まれ、これはOTCで最も良く売れている咳止めシロップである。食品医薬品局は、Robitussinの成分が安全かつ有効であるとしていると、Robitussinを製造するWyeth社のConsumer Healthcareのスポークスマンである、FrancisSullivan氏は話している。

Sullivan氏は、Robitussinに「人々が、もしそれに効果がないと感じるなら、トップブランドにはならなかったでしょう」と言う。

咳は喘息、アレルギー、ひどい胸やけ、後鼻漏、気管支炎など、根本的な原因が多くある。

Edward Schulman博士は、このガイドラインの委員でアメリカ胸部学会代表であるが、患者が3週間以上咳が続いたり、息切れがあるなら肺炎や重篤な状態かもしれないので、受診すべきだとしている。

通常、風邪の咳が続くのは3週間未満である。液体をたくさん飲めば、これらの咳が軽減するので、チキンスープも良いと、Schulman氏は話す。
(Associated Press - 1月10日)

これはあくまでもアメリカでの話なので、
日本人がこれを服用した際、成分の量が少ないというのは当てはまらないだろう。

一方、抗ヒスタミン剤は、咳というよりも、
くしゃみや鼻水なんかのアレルギー症状に効く薬なので、
この記事に出てくることに疑問を感じるのだが…?

いずれにせよ、効き目がないからといって、量を多めにのむのは、
副作用の問題が出てくる可能性があるので、良くない。
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出生時が摂食障害につながるらしい

母親が出産時に難事を体験した子供は、将来、拒食症や過食症を発症しやすいようだと、イタリアの研究者たちは示唆する。

これまでの小規模な研究では、子供の拒食症のリスクに、妊娠から出産までの間の合併症が含まれるとされていたが、1つの研究のみが過食症の因子として出生が関与していると考えられたと、パドヴァ大学のPaolo Santonastaso博士たちは述べる。

研究者たちは、1971年から1979年の間に、パドヴァ病院で生まれた被験者たちの出産歴を調べた。その中に、拒食症の人114人、過食症が73人、そして554人の比較対照の人が含まれた。

Archives of General Psychiatryでこのチームが報告したところによると、拒食症の危険因子として、母親が貧血や糖尿病の人が含まれ、他の人でも、新生児が心臓に問題を抱えている人たちがいた。これらのうち2つ以上の因子があると、16倍近くも拒食症のリスクが増えた。

Santonastaso氏のグループは、母親の貧血や糖尿病のために、胎児の中枢神経系に酸素や栄養の供給が不十分となる場合があると理論づけている。新生児の心臓の問題は、脳障害をもたらす血流低下を引き起こす場合がある。

拒食症の開始の年齢が産科の合併症の数に関連するという調査結果は、彼らの理論を支持する。開始の平均年齢は、合併症がない被験者では18.8歳で、5つ未満の合併症では17.5歳、5つ以上だと16.3歳だった。

過食症については、危険因子は出産時の低体重と、早期の授乳の問題を含んでいた。 拒食症のように、これらの2つ以上の合併症があると、過食症の危険は非常に増加した。

「将来の研究で、産科の合併症の存在の予後や、この因子が適切で有効な治療の選択で助けになるかもしれないかどうかに関して、調べようとすべきです」と結論づける。

SOURCE: Archives of General Psychiatry, January 2006.
(ロイター - 1月5日)
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アミノ酸サプリは心臓発作後に良くないかも

心臓発作のあと広く使用されるアミノ酸のL-アルギニンサプリメントの摂取で、心機能は改善せず、死のリスクの増加と関係していることが、新しい研究でわかった。

L-アルギニンは、高血圧、狭心症、心不全、および性機能不全の人々に対して効果があるとして販売されている。これまでの研究から、L-アルギニンには血管の堅さを減少させる可能性があるとされてきた。

この最新の報告は、これまでの研究に反するが、アメリカ医学会誌の1月4日号に掲載され、6人の患者が死亡して早期に終了した臨床試験に基づいている。

「L-アルギニンの服用を6ヵ月間続けたものの、心機能を改善しませんでした」と、この研究論文の共著者であり、ボルチモアのジョンズホプキンズ・メディカルスクールの薬学教授であるGary Gerstenblith博士は話す。「L-アルギニンは心機能に効果がありません」

研究者たちは、L-アルギニンが一酸化窒素の有用性、つまり、それが心臓発作のあと心臓が回復するように心臓や心臓の血管における負荷を低下させるということを広めることを望んでいた。「私たちの仮説は、L-アルギニンに効果があるだろうということでした」と、Gerstenblith氏は話した。

Gerstenblith氏たちは研究で、L-アルギニンかプラセボ(偽薬)のどちらか3gをランダムに、6ヵ月間毎日153人の心臓発作を起こした患者に割り当てた。6ヵ月目に、研究者たちは、L-アルギニンが血管の堅さを減少させず、駆出率(ejection-fraction;左心室内の血液が心臓の拍動で何%送り出されるかというもので、心機能の指標となるらしい)が改善されず、臨床結果も改善しなかったことがわかった。

事実上、プラセボを服用していた患者に比べて、L-アルギニンを服用していた高齢の患者の死のリスクは増加したことがわかった。L-アルギニンを服用したグループの6人の患者が6カ月の研究期間の間に亡くなったが、プラセボのグループでは誰も亡くならなかった。このため、研究者たちは治験を早く終わらせることになった。

「心筋梗塞のあと、L-アルギニン療法を患者に与えるべきではありません」と、論文著者は記述している。「血管の堅さの非観血測定の結果は変わりませんし、左心室性機能も改善しません。びまん性アテローム性動脈硬化症の高齢の患者のL-アルギニン療法は臨床結果を悪化させるかもしれません」

L-アルギニンの心臓への効果における研究を自分で行った1人の専門家は、L-アルギニンで効果がなかった理由が、投与量が少な過ぎたからであると考えている。

「私たちの研究では、効果を得るためにL-アルギニンを1日当たり約20gを投与する必要があったと考えました」と、Yale University School of Medicineで内服薬の助教授である、Stuart D. Katz博士は話す。「私たちは、20gを投与するという合理的な方法を思いつくことができなかったのです」

Katz氏は、L-アルギニンを1日に20g摂取するのに40カプセルを必要とすると指摘した。「だれも1日に40個カプセルも服用しないでしょう」と、彼は話す。「効果が出るような投与量を与える方法がないと考えたために、私たちはあきらめたのです」

現在の研究での投与量は、L-アルギニンの血中濃度で効果がなかったので、Katz氏は、L-アルギニンを服用する患者が、そのせいで死亡率が増加したとは考えない。「それは単に偶然かもしれません」と、彼は話した。

Katz氏は、その投与量が有害かどうかわからないとつけ加えた。しかし、この研究における研究結果を考えると、それは可能である。

「このサプリメントや、恐らく他のサプリメントが慎重に評価される必要があるという警告の旗を上げます」と、彼は話す。「私は、この研究に基づけば、心血管の健康を改善する手段として、L-アルギニンサプリメントを使用することを勧めないでしょう」
(HealthDay News - 1月3日)
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磁気療法は無駄

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌の論説によると、さまざまな病気を治療する磁気装置の使用が近年増加しているが、効果があるという証拠が全くないという。

磁気ブレスレットや、ひざのパッド、それに類するものの市場は現在、1年あたり約10億ドルの価値があるかもしれないが、2人のアメリカの科学者が、この雑誌でこのほど、多くの人々が、その治療効果に関してだまされていると主張した。

「立証されていない高価な磁気療法にお金を費やすなら、科学的根拠に基づく医療に費やす方が良い」と、Leonard Finegold教授と、Bruce Flamm教授は記述している。

彼らは、磁石の主な特徴である、金属によってくっついたり離れたりするという性質は、プラセボと比較しても示すので、磁石が作用することを示すと主張する多くの研究が疑わしいと話す。

しかし、彼らは、支持する証拠がなくても、磁石を身に着けている人の気分が良くなるかもしれないと言う。

「磁気ブレスレットを着けている被験者たちは、おそらく、そのブレスレットが強磁性の表面(現代生活のいたるところにある)近くにあると、知覚している痛みに影響を及ぼす小さな抗力を潜在意識下で検出したのです」

2人は、磁気装置の洗練されたマーケティングで、根本的な治療がなされないままになることがあると警告した。

「磁石を、成功したスポーツ選手が売り込み、広く広告を出すことが許され、制限なしに販売するので、一般人が、治療の効能にクレームをつけるのが合理的であると考えるのは、驚くべきものではありません」と、彼らは話す。

Finegold氏はペンシルバニアのドレクセル大学の物理学の教授で、Flamm氏はカリフォルニアのKaiser Permanente Medical Centerの教授である。

彼らは、理論的にさえ、磁気療法が非現実的に見えると言う。というのも、人体組織が、MRIの影響を受けるように見えないためである。

Finegold氏とFlamm氏は、磁石に治療効果があるとしても、明らかに小さいとしている。というのは、出版された理論的、かつ実験的な研究は、どんな治療効果の存在に対しても重いためである。

「患者たちは磁気療法には立証された効果が全くないと忠告されるべきです」と、彼らは話す。「それでも彼らが磁気装置を使用すると主張するなら、最も安いものを買うようにアドバイスすべきです。そうすれば、少なくとも財布の痛みは和らぐでしょう」
(ロイター - 1月5日)

信じる気持ちが強ければ、それなりに効果はあるのだろう。
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うつ病関与のタンパク質特定か

うつ病に対して重要な役割を果たすように思えるタンパク質が特定されたという。

p11と呼ばれるタンパク質で、脳内化学物質セロトニンの信号を調節するのを助けるようである。プロザックなどの選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRIs)と呼ばれる抗うつ薬のターゲットであるセロトニンは、うつ病や不安障害に関係している。

「p11と呼ばれるこのタンパク質の欠乏しているマウスでは、あたかも抗うつ薬で治療しているかのように十分な量が作用しているのに、うつ病のような振舞いを見せます」と、研究論文著者であり、ニューヨーク市のロックフェラー大学のノーベル賞を受賞した神経科学者のPaul Greengard氏は、準備された声明で発表した。

マウスの実験では、p11が、セロトニン受容体5-HT1Bと共に、どのように働いているかを明らかにし、うつ病と同様に、強迫神経症、薬物中毒、不安および攻撃性にも関連していた。

この研究結果はScienceの1月6日号に掲載されている。

「P11は、うつ病の病理病態をセロトニンシステムにつながるタンパク質として見なすことができます」と、この研究の論文の筆頭著者で、スウェーデンのストックホルムにあるKarolinska Instituteの薬理生理学部のPer Svenningsson氏は話した。

うつ病はしばしばSSRIsなどの化合物で治療される。SSRIsはセロトニンの濃度を増加させる。「放出されたセロトニンは14種類のセロトニン受容体に作用し、そのあるものが治療の作用に関与し、あるものは副作用に関与するのです」と、彼はつけ加えた。

研究者たちは、1つの特定のセロトニン受容体、5-HT1B受容体を研究し、それがp11と相互に作用することがわかった。うつ病の人と同様の振舞いをする、「無力な」マウスと呼ばれるマウスの組織では、このタンパク質は枯渇している。それがうつ病患者の脳組織でも枯渇していると、研究者たちは話した。

「p11を過剰発現させるマウスは、活発に動き回り、まるでそれらが抗うつ薬の薬物治療を受けているかのように行動します」と、Svenningsson氏は話す。言い換えると、p11のないマウスは「幾分うつ病のように行動し、抗うつ薬の薬物療法に対してあまり反応を示しません」と、彼はつけ加える。

この研究結果は、すぐに臨床に応用されないものの、Svenningsson氏は、「この研究は、5-HT1B受容体が、p11との相互作用でうつ病と関係があるかもしれないということを強調します」と話した。

「将来の抗うつ薬がこの5-HT受容体をターゲットにしていたものから、おそらく付加的に5-HT受容体を、しかし必ずしもすべてが5-HT受容体をターゲットにするものではなくなるかもしれません。うまくいけば、そのような抗うつ薬には、副作用がより少ないでしょう」と、Svenningsson氏は言う。

1人の専門家が、p11が将来抗うつ薬としてのターゲットになるかもしれないということに同意している。

「p11が新しい治療法となる可能性があるものの、残念なことに現在、私たちはp11に関してよくわかっていないので、薬として選択的にそれをターゲットにすることができません」と、イギリスのオックスフォード大学で薬理学助教授であり、この雑誌の付記の著者のTrevor Sharp氏は話す。

「けれども、p11はセロトニン受容体と機能上つながっていますし、この受容体に選択的に作用する薬物を多数開発中で、これらの薬物のうちいくつかは、研究室モデルの抗うつ薬としての可能性を示しています」と、Sharp氏は言う。「数年後には、これらの種類の薬物が、すでにある抗うつ治療より良いかどうかがわかるでしょう」
(HealthDay News - 1月5日)
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抗精神病薬は血糖を上げる

高血糖症は、非定型抗精神病薬を服用する人においてもよく見られる。

2年もの間、コネチカット州ニューヘイヴンにあるVA Connecticut Healthcare SystemのMichael J. Sernyak博士たちは、クロザリル(クロザピン=日本未発売)、リスパダール(リスペリドン)、ジプレキサ(オランザピン)、セロクエル(クエチアピン)、ゲオドン(ジプラサドン=日本未発売)などの非定型抗精神病薬を服用している647人の患者で、しばしば診断のつかない高血糖値を示すことがわかった。これらの被験者のうち、153人は空腹時血糖の結果を有していた。

血糖値は被験者の70%が正常で、25%で高く、5%余りで非常に高かった。人種、民族、年齢、BMI値あるいは精神科の診断において、正常な人と、異常血糖値を示す患者の間で、特に重要な違いは観察されなかった。

論文著者たちが、処方された抗精神病薬を分析すると、クロザリルを服用している患者が、正常な血糖値のグループよりも高い血糖値のグループで多いことがわかった。他の薬物療法では、特に違いが観察されなかった。

「論文著者たちは正常な血糖値の人に非定型抗精神病薬を服用している患者の3人に1人近くが、グルコース代謝の『明らかに臨床的に大きな異常』を実際に有し、通院患者にも定期的に検査をするよう議論しています」

SOURCE: Journal of Clinical Psychiatry December 2005.
(ロイター - 12月30日)
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マリアアザミは肝障害に効果がないようだ

マリアアザミは、世界中で肝疾患のハーブ療法として使用されるが、効果があるとはおもえず、安全であると結論づけるのに充分な証拠がないと、国際的な研究者たちのチームは結論づけたという。

「私たちは有益な効果を見ることができず、有害な作用を除くことができません。そのため、さらに調べるために、もっとランダム化した試験をする必要があります」と、この研究のlead authorであり、デンマークのコペンハーゲン大学病院のChristian Gluud博士は、ロイター・ヘルスに語った。

マリアアザミの市場は巨大で、アルコール依存症やB型、もしくはC型肝炎の肝疾患にかかっている世界中で10億人もの人が服用していると、Gluud氏は述べた。予防のためにマリアアザミを服用しようとする人々が出てくるかもしれないため、さらに大きくなるかもしれないと、彼はつけ加えた。

Gluud氏たちは、アルコール依存症やB型、もしくはC型肝炎の肝疾患の人に、マリアアザミの13件の臨床試験を見直した。臨床試験の基準(gold standard = 診断指標の価値を最終的に判断するための基準)は、プラセボを対照試験とし、二重盲検(患者も研究者も、患者が本当の薬とプラセボのどちらを服用したかわからない)で行った。分析されたうちの6件の試験がこの規格を満たした。

彼らがアメリカの雑誌Gastroenterologyで報告するように、研究者たちは死亡率もしくは肝疾患の合併症において、マリアアザミ対プラセボで効果が全くないことが判明した。この療法は、すべてのデータでは、肝臓関連の原因による死亡を減少させるように見えたが、最良の質で行われた研究に限定した分析では効果が全く見られなかった。

有害事象が増加する危険性はマリアアザミで見られなかったが、このことは、必ずしもこの療法が無害であることを意味するというわけではないと、Gluud氏は話す。彼は、最も高い質で行った臨床試験でさえ、薬物から害の可能性を捕らえそこねることがあると述べる。

Gluud氏によると、ハーブ療法は伝統的な医学と同じ規格として保持されるべきであるという。どんな要求に対しても、良い証拠を有する、そのような療法の売り手が必要とされると、彼は話す。

「みなさんへの私の忠告は、これらの薬物が実際に、害よりも利益があるという、価値があり信頼できるlow bias臨床試験ではっきりするまで使用しないでください、ということです」と、彼は締めくくった。

SOURCE: The American Journal of Gastroenterology, November 2005.

(ロイター - 12月26日)

マリアアザミは、シリマリンという名前で出ていることもある。
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うつ病は心臓病のリスクを高める

うつ病は若い人で特に、冠状動脈性心臓疾患のリスクが高くなるということが、スウェーデンの新しい研究でわかった。

うつ病で入院した4万5000人近くの患者のデータを再検討したところ、1,916人が冠状動脈性心臓疾患(CHD)を発症したことがわかったという。研究者たちは、あらゆる年齢や性別のグループで、うつ病と診断された人々は、うつ病と診断されなかった人々よりも、冠状動脈性心臓疾患を発症する人が1.5倍多かったと算定した。

この研究で、最も若い年齢層のうつ病の人(25〜39歳)は、冠状動脈性心臓疾患を発症する人が3倍くらい多かった。

「うつ病で入院した若い人から中年の人まで研究したところ、CHDを発症するリスクが高いことがわかりました。プライマリー・ヘルスケア・チームがうつ病の患者に会い、付加的な単一のものとして、また、独立したCHD因子としてうつ病を治療することは重要です」と、 HuddingeにあるKarolinska Instituteの研究者たちは結論付けた。

「臨床的にうつ病の患者には、短期間の治療のみならず、うつ病のぶり返しや再発を防ぐために、維持療法も行うべきです」と、彼らは、アメリカの雑誌Preventive Medicineの12月号に記述している。
(HealthDay News - 12月21日)

ストレスがずっとかかっている状態なのかな、という気もする。
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一酸化炭素が腸の炎症を和らげる

一酸化炭素は、原因となる炎症を抑えることによって、一般的に潰瘍性大腸炎と呼ばれる炎症性腸疾患を和らげるのを助けるということが、新しい研究で、わかった。

ピッツバーグ大学の研究者たちは、マウスの炎症性腸疾患の兆候を緩和するために低濃度の一酸化炭素を吸入させた。一酸化炭素はインターロイキン-12(IL-12)と呼ばれるタンパク質の生成を抑制した。このタンパク質は、通常、感染すると生成され、侵入してきた病原体を攻撃する免疫細胞を活性化するのを助ける。

しかしながら、腹でIL-12が慢性的に生成されると、潰瘍性大腸炎を引き起こす炎症をもたらす。IL-12の生産を阻害すれば、そのような炎症を予防できると、研究者たちは話す。

研究者たちは現在、実際に一酸化炭素がどのようにIL-12を阻害するかを研究しているところである。

一酸化炭素は毒性のある大気汚染物質として広く知られているが、肉体は新陳代謝の副産物として通常それを少量生成する。多量の一酸化炭素は、肉体から酸素を奪うので、致命的である。しかしながら、最近の研究が、低濃度の一酸化炭素が抗炎症剤として作用することがわかったという。

この研究結果は雑誌Experimental Medicineの12月19日号に掲載されている。
(HealthDay News - 12月19日)
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ヘルス・チップ:エネルギーを高めるために深呼吸を

毎日の活動量が、仕事で高まるか、家で高まるかに関係なく、息切れすることは、驚くことではありません。

Johns Hopkins Bayview Medical Centerは、毎日の活動の間に、呼吸の適切なテクニックを使用すれば、浅い呼吸を減らし、さらに多くを行うことを容易にすると話します。

ここに、あなたがエネルギーを節約するように考えられたチップのリストがあります。

・どの仕事が今日行うのに必要であるかを決める。
・あなたにエネルギーがたくさんあるときに、最も難しい仕事をする。
・可能なら、いつも座って仕事をする。

メディカル・センターはまた、口すぼめ呼吸の練習をし、どんな活動の大変なときにも、息を吐き出すことを忘れないようにし、横隔膜を動かす(腹式)呼吸の訓練をすることを勧めます。
(HealthDay News - 12月12日)

ふだん呼吸を意識することはほとんどないものの、やはり呼吸が基本なのでしょう。
口すぼめ呼吸というのは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の人で行う訓練のようです。
具体的な方法などについて興味のある人は検索してみてください。
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季節性うつ

秋と冬の数カ月の間、昼が短くなり日光が不十分になるにつれ、「ふさぎ込ん」で、まもなく回復する人たちがいる。しかし、季節性情動障害(SAD=seasonal affective disorder)の人は、非常に劇的な経験をするが、助けなしで乗り越えることはたびたび難しい。

SADの人々はたくさん眠り、暴食し、その結果、秋や冬に、太る傾向がある。彼らは、非常に疲れを感じ、通常の予定をこなすことができない。ある人たちは、落ち込みやイライラを感じ、社会的な関わりに関心さえ抱かなくなる。

冬の間の日照の減少のために、睡眠-覚醒のサイクルの乱れ、SADが引き起こされると考えられる。日照が少ないと、メラトニンというホルモンのレベルが低下する。メラトニンはSADの特徴である、余分な睡眠や疲労を引き起こす。春が戻ると、その兆候は、遠ざかる傾向がある。

「SADは診断や、しばしば治療をも必要とする、まさに疾患です」と、Screening for Mental Health"のエグゼクティブ・ディレクターで、ハーバード・メディカル・スクールの精神科の教授であるDouglas Jacobs博士はロイター・ヘルスに話した。

「この病気は通常、ひどい病的状態になったり入院には至りませんが、自滅的になる人もいます。そうなったら、すぐに、専門家に相談するべきです」と、Jacobs氏は説明した。「SADはたいてい、非常にマイルドで自然治癒しますが、ある状況では、受診が必要です」

甲状腺機能不全(甲状腺の活性が異常に低い)や、一般に単核症、あるいは「キッス病」として知られるウイルス性感染症単球増加症は、SADの兆候によく似ているので、SADと間違えることがある。「そのため、医療機関を受診することが大切なのです」と、Jacobs氏は話す。

SADの治療は、兆候のひどさに応じて、日照時間の短い季節に、もっと日光を浴びたり、窓の近くで過ごす時間を長くするという単純なものである。しかし、兆候が、さらにひどくなるなら、光線療法(明るい人工の光を浴びる)が必要かもしれない。それでもまだひどくなるなら、精神療法や抗うつ薬を使った薬物療法が適切かもしれない。

米国の人口の10〜20%はSADに関連する症状に苦しむ。そのうち、75%が女性である。
(ロイター - 12月16日)
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ヘルス・チップ:自分の健康について質問をするのを恐れてはいけない

医師や薬剤師は通常、薬物療法に関するどんな質問にも答えて、あなたを助けることができますが、あなたは、いつもどんなことでも尋ねて、他に気になることがあれば話さなければなりません。

ここに、アイオワ大学の提供する、あなたが医師や薬剤師に尋ねる質問のリストを挙げます。

・なぜこの薬が必要なのですか?
・この薬はどのように利きますか?
・ジェネリック(後発)医薬品は有効ですか?
・どれくらいの期間、この薬物療法を行うべきですか?
・副作用は何ですか?
・もしのみ忘れたら、どうしたらいいですか?
・他にのんでいる薬と相互作用はあるでしょうか?
・アルコールと相互作用はあるでしょうか?
・この薬を、飲み物や食事と一緒にのんでもいいですか?
(HealthDay News - 12月7日)

どうやら、風邪をひいてしまったようですしょんぼり
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ヘルス・チップ:憩室炎と腹部の痛み

主に高齢の人々で見つけられる憩室炎は胃腸管の内側の小さい嚢の存在しているところに発症する。ほとんどの患者には兆候がないが、左下腹部の痛みや膨満感、便通の変化などで不快感を経験する人もいる。

アメリカの大学の胃腸病学は、バリウムの注腸や、大腸内視鏡、CTスキャンで憩室炎を診断することができるとしている。治療は通常、抗生物質を用いるが、重い場合では入院する。

憩室炎を経験する人々は、ナッツ類や小さい種の入った果物のように、消化しにくい粒を含む食物を避けることを勧められる。
(HealthDay News - 12月9日)

下腹部の痛みは必ずしも左とは限らない。
日本人の場合はむしろ、右側に起こることが多いようだ。
とはいえ、食生活が欧米化しているので左側に、というケースも増えてきているようである。
また、ひどくなると破れて腹膜炎を起こし、大変なことになるので、
おかしいと思ったら早めに受診した方がいい。
検査におけるバリウムの使用も、できれば避けた方がいいと思うのだけれど。
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ヘルス・チップ:声がかれたら

ノースウェスタン大学のCenter for Voiceは、喉を酷使して声がかれたり、風邪をひいたとき、どのようにしわがれ声を治療するか、または再発をどのようにして防ぐかを次に示します。

・水をたくさん飲む。
・喫煙しているなら喫煙をやめて、副流煙を吸わないようにする。
・しばらくの間は、叫んだり、金切り声を出したり、大声で話すのを避ける。
・ささやかないこと。大声でしゃべるのと同じくらいに困難である。
・体が脱水させるようなアルコールやカフェインなどを含むものを避ける。
・家を加湿しておく。
・喉を湿らせたり、薬用ドロップをなめたり、チューインガムを噛んだり、または塩水でうがいする。
・辛い食べ物を避ける。
(HealthDay News - 12月5日)

ささやくことが、大声を出すのと同じくらいに喉に負担をかけるとのこと、
考えてみるとたしかにそうかもしれない。
とりあえず、喉を潤すことが大事のようだ。
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アセトアミノフェンの過量は危険

タイレノールの有効成分であるアセトアミノフェンの過量は、いまや米国における急性肝不全の一般的な原因であり、liver centersで調査されたすべてのケースの少なくとも42%にのぼると報告された。

研究者たちは、これらの症例の約半分が自殺未遂と対照的に、意図的でない中毒のためであるとつけ加えた。

毎日、アメリカ人の何百万錠ものアセトアミノフェンの錠剤を服用するのに対し、中毒者数はまだ低いままである。しかし、この薬に対する急性肝不全の症例の割合が、1998年の28%から2003年に51%へと、倍近くになっているという事実は厄介であると、研究者たちは話す。

「このことは流行性の割合の問題でないものの、それでも重要な問題です」と、lead researcherで、シアトルのワシントン大学のHepatology Clinic(肝臓専門のクリニック?)でディレクターをしているAnne Larson博士は言う。

ニューヨーク医科大学の薬学臨床学の助教授で、False Alarm: The Truth About the Epidemic of Fear(誤った警告:恐怖の流行病についての真実)の著者であるMarc Siegel博士は、「このことは既に知られています。この研究は、タイレノールが潜在的に危険な薬物であると知覚するのを単に増加させるだけです。タイレノールはよく乱用される薬物なのです」

アセトアミノフェンは、タイレノールという商品名で最もよく知られているが、100種類以上の市販の薬品があり、BenadrylやContac、Robitussin、Sinutabなどの風邪薬や鎮咳薬、それに月経痛に対するMidolやPamprinなどの薬物がある(注;いずれも米国における商品名)。この研究における基礎的な情報によると、アメリカ人の3分の1(36%)以上の人が少なくとも1カ月に一度何らかの薬を服用している。

過去に、タイレノールの市販の状態を変更するようにという要求があった。「私たちは市販薬がともかく安全であるという仮定をします」と、Seigel氏は話す。 「私たちがこれらのことを調べる前であっても、タイレノールが市販薬に承認されたことをまず覚えていてください。そうすれば、私は、ある意味でおそらくタイレノールが市販薬であるべきでないということを述べます」

故意の過量で急性肝不全になるのは一般的にすぐわかるが、意図的でない過量は、ある程度、気づかないうちに進行し、しばしばずっとあとになるまで認識されない。

全体として、急性肝不全を発症する人の80%の人が亡くなるだろうとLarson氏は言う。アセトアミノフェン関連の急性肝不全を発症する人々の約30%の人は亡くなるだろう。それでも、かなり高い割合である。そして、生き残るために移植を必要とする人もいるだろうと、彼女はつけ加えた。

Hepatologyの12月号の報告では、Larson氏たちは米国内の22のセンターで、1998年から2003年の6年の間に、急性肝不全の治療を行った662人を含む症例を調べたという。

この合計のうち、275人(42%)はアセトアミノフェン関連の急性肝不全になった。 このうち、48%は意図的ではない過量で、44%は自殺未遂、8%は不明だった。

投与量の中央値は24gで、extra-strength(強力)の錠剤の48錠に相当する。しかしながら、これより非常に少量の服用が報告されている患者もおり、少ない投与量でも危険であるかもしれないということを示している。

意図的ではなく過量に服用した人々は、高齢の傾向があり、アセトアミノフェンを含むいくつかの薬物療法を受けて、助けを求めるために長い間待っていた。ほとんどの人が痛みに対して薬物療法を受けていて、多くの人はまた、うつ病で、アルコールや麻酔性の薬をのんでいた。

研究によると、意図的ではなく過量に服用した人々の3分の1(38%)以上の人は、同時に少なくとも2種類のアセトアミノフェン調合薬を服用し、3分の2(63%)近くの人は麻酔性の薬を含む化合物を使用していた。

このグループの中の大部分の人(81%)が痛みにアセトアミノフェン、そして(または)、他の鎮痛剤を服用していた。

患者の3分の1の人(35%)は亡くなり、27%は移植を受けずに亡くなった。この研究で、8%の人が肝移植を受けたことがわかった。

タイレノールのメーカーはこの製品を擁護した。「この最新の研究結果から、アセトアミノフェンの安全性に関して知られていることを変更しません」と、製薬会社McNeilのスポークスウーマンであるKathy Fallon氏は話した。「推奨する投与量を服用すれば、アセトアミノフェンは安全で有効な鎮痛薬です」

研究論文の著者たちは、問題の1つの解決策が市販のアセトアミノフェンのパッケージのサイズや、麻酔薬とアセトアミノフェンの組み合わせの処方を制限することであると考えている。

この雑誌に付随する社説によると、イギリスでアセトアミノフェンの薬店での販売が16gに制限されてから4年の間に、専門センターに認められた、アセトアミノフェン誘発の重篤な急性肝不全の患者が30%減少したと厚生省職員は述べた。フランスでも、より厳しい制限が改善をもたらしている。

しかし、この研究論文の著者たちは、教育も必要であると述べた。

「麻酔性の薬とアセトアミノフェンの組み合わせを患者に与えるときに、私たちは、一般の人や、医師にさえ教育することが重要であると考えます」と、Larson氏は話す。「その中にアセトアミノフェンが含まれることを知り、その上にNyquil(商品名:アセトアミノフェンを含む風邪薬らしい)などを服用しないように、確認する必要があります。」

「時折使用されるタイレノール、適切に使用されるタイレノール、他のいかなる市販薬のタイレノールも、医師の認識で使用されれば安全です」と、Siegel氏はつけ加える。「乱用するべきではありません。そして、タイレノールを含んで、よく服用されるような薬物は、医師の指導の下で使用するべきです」
(HealthDay News - 12月1日)

上記はアメリカでの記事で、一部訳に自信がないものの、
アセトアミノフェンは、解熱鎮痛剤としてよく使われているが、
過量服用などで肝不全の重篤な副作用が起きる場合があるという話である。
日本でも添付文書の[慎重投与][相互作用][過量投与]の項目ですでに改訂がされているようだ。
日本では医療用医薬品として60品目、
一般用医薬品(薬店で売られているもの)としては約680商品があるとのこと。
そのため、別々の薬をのんでいるつもりで、それぞれにアセトアミノフェンが含まれていて、
知らないうちに過量になってしまう場合があるので要注意である。
また過量でなくても、相互作用などによって肝臓への副作用が増強される場合もある。

アセトアミノフェンの肝臓に対する危険因子の例を挙げてみると、
・過量投与
・アセトアミノフェンの長期投与
・ある種の薬との併用(イソニアジド、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン、カルバマゼピン、エテンザミド、無水カフェイン、ブロムワレリル尿素など)
・アルコールを多量に常飲
・肥満
・糖尿病
・長期間の絶食
・その他(酵素誘導など)

アメリカでは、CMでも注意喚起がなされており、
包装にも注意事項として飲酒や用量に関する事項が強調して表示されているとのこと。
はたして日本では、どうなのだろうか?
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気分障害にアビリファイと抗うつ薬

非定型抗精神病薬アビリファイ(アリピプラゾール:日本未発売)は、治療抵抗性を有するうつ病の患者において、抗うつ薬に反応する機能をアップするようにみえるという研究が示唆された。

非定型的抗精神病薬は、難治の気分障害を伴う患者に、しばしば抗うつ薬を増量するのに使われると、代表執筆者のGeorge I.Papakostas博士たちは、雑誌Clinical Psychiatryで発表した報告で述べている。

アビリファイは、非定型抗精神病薬の中でもユニークであるため、このクラスでは他のドラッグより効果的であるかもしれない。それはまた、良い副作用の側面も有するかもしれないと、Papakostas氏は、ロイター・ヘルスのインタビューで話した。

彼は説明した:「これまでのところ統合失調症や双極性障害で行われている研究では、アリピプラゾールやジプラサドン(Geodon:日本未発売)などの薬は、他の非定型抗精神病薬(オランザピン(ジプレキサ)、クロザピン(クロザリル)、クエチアピン(セロクエル)、およびリスペリドン(リスパダール)を含む)と比較して、体重の増加が少なく、stiffnes(動脈硬化?)や脂質異常という点からみると、利益があることが示唆されます」


Papakostas氏のチームは、最低6週間抗うつ薬で治療を行っているものの、まだうつ病の重要な症状を有していた患者を12人募集した。

患者たちはアビリファイを10〜15mgの投与量で始め、最大1日当たり30mgの投与量まで増やし、合計8週間行った。

研究チームによると、7人が反応し、うつの症状を50%以上減少し、5人の患者が小康状態に入ったと定義された。

「うつの症状の増減率を時間の経過とともに調べると、アリピプラゾールで手堅く急速に改善されたようにみえ、全体のかなりの割合で、改善が治療の最初の週のうちに起こりました」と、作者は述べる。

この雑誌の2番目の論文で、ウィスコンシンのBrown DeerにあるNorthbrooke Research CenterのJeffrey S. Smith博士と、アトランタのEmory University School of MedicineのCharles B.Nemeroff博士は、抗うつ薬を少なくとも8週間服用し続けていた15人の患者で同様の研究を行った。アビリファイの投与量は毎日2.5〜10mgの範囲で行われた。

8週目までに、14人の患者が治療に反応し、7人が改善した。

SOURCE: Journal of Clinical Psychiatry, October 2005.
(ロイター - 11月25日)
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うつ病歴は心臓発作後の回復を助けるかも

患者が心臓発作で入院するときにうつ病の症状があると、次の5年生存を少なくするようであると、カナダの研究者は報告する。しかしながら、長いうつ病歴は、生存にほとんど影響を与えないようで、生存率の増加に関連してさえいるかもしれない。

そしてヨーク大学のSherry L.Grace博士やトロントの研究仲間たちは、1997〜1999年の間に心臓発作か狭心症に罹ったことのある患者を750人募集した。患者には、2週間以上憂うつな気分になったことがあるか尋ね、現在のうつの症状を評価した。

計446人の被験者は、過去に憂うつになったことがなく、現在もうつ病ではなかった。また、130人の被験者は憂うつになったことがないものの、現在のうつ病の検査で10点以上だった。これは、中程度から重いうつ病の症状があることを示すものである。

アメリカの心臓病学という雑誌における研究者たちの報告によると、5年間の追跡調査の間に115人が亡くなったという。

死亡率は、うつ病歴のない人で最も高かったが、現在のうつ病のテストのスコアで少なくとも10〜24%であった。

「イベントのあった時点のうつ病は、心臓発作を起こすための反応であるわけではありませんし、見落とされるべきものではありません」と、Grace氏はロイター・ヘルスに話した。「医師は、患者にうつ病の検査を行い、治療の対象とする必要があります。というのは、うつ病は5年後までの死亡率を上げることが予測されるからです」

現在の少しのうつ病の症状がある人に関しては、うつ病歴に関わらず、死は約15%の患者で起こった。死亡率は、うつ病歴があるものの現在症状のない人で最も低く、6%だった。

Grace氏は、これらの調査結果が彼女のチームが仮定したことと正反対であると述べた。

「これらは、うつ病歴のある人々が、自身でうつ病を克服する方法を学んだことを示唆します。したがって、この生命を脅かす出来事があったとき、彼らは心臓発作や病院での経験そのものに対処するのが上手でした」と、彼女は話した。

わずかな被験者だけが、抗うつ薬の薬物療法を受けていたか、あるいは過去に精神療法を受けていたと、彼女は続けた。「つまり、人々が自分でうつ病に対処するか、または家族や友人から社会的なサポートを得ているということであるかもしれません」。

どういうメカニズムであっても、Grace氏は、自身のグループの研究結果が「今後の研究を求める」ものであると信じている。
(ロイター - 11月29日)
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ボトックスは過活動膀胱を抑えるかもしれない

スコットランドの研究者たちによる小規模の研究によると、ボツリヌス毒素で作られたしわ取りの注射ボトックスは、他の治療が無効である過活動膀胱の症状を伴う女性に安全で有効な治療法であるようだという。

ボトックスは脊髄損傷のため膀胱を制御するのが困難な患者に使用して成功したが、原因がわからない過活動膀胱の人々でこの方法はほとんど研究されていない。

したがって、グラスゴーのSouthern General HospitalのGovindaraj M.Rajkumar博士たちは、15人の女性の膀胱の筋肉にボトックスの注射を1回行って研究を行う予定である。

治療直後、1人の女性を除き、しつこく頻繁な古典的で厄介な症状が改善したと述べた。13人の女性で、最初に尿意を催すときの量が非常に増え、最大の膀胱の容量は10人で増加した。

ボトックスの注射1回で効果は20〜24週間続くようである。

13人の患者では、症状は治療(10〜52週間)後、平均24週間後で標準に戻ったと、研究者たちは報告する。

研究者たちはまた、頻度もそうだが、失禁の発現が、はるかに早く標準レベルに戻るようだと述べる。

それにもかかわらず、チームはこの治療が安全で、臨床的に効果的であり、「従来の療法が症状の改善が起こらない時に実行可能な代案」であると結論づける。
(ロイター - 11月3日)

またもや、ボトックスに関するニュースがあったので、取り上げてみた。
効果的かつ安全らしいが、他の治療法で効果がなかった場合にのみ、
ということになるようだ。
それにしても、膀胱の筋肉に注射って、
どんな方法で行うのだろうという素朴な疑問が…。
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ヘルス・チップ:咳は心臓発作を救うかも?

もし心臓発作が起きていると思ったら、活発に咳をしてください。そうすれば、命が助かるかもしれません。

American Academy of Anti-Aging Medicineによると、咳は肉体を通して血液を脳に押し出し、ポンプ運動を作り出します。それによって、救急車が到着するまで持ちこたえるのです。

けれども、いつ、どのように咳をするかは、重要です。2秒に1回の咳を5回続けて行うことです。
(HealthDay News - 10月31日)

この記事、載せようかどうしようか悩んだのだけれども、
とりあえず、載せてみることにした。
心臓発作の状態がどのような状態なのか、
また、その状態のときに、咳をする余裕があるかどうかという疑問もあるが。
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ガス阻害剤がマウスのアルツハイマー病の進行を遅らせる

iNOSと呼ばれる酵素は、アルツハイマー病の傾向があるマウスの脳障害の形成を加速する一酸化窒素(NO)のガス生成の引き金になると、研究者たちは報告する。

この研究結果は、iNOS阻害剤(すでに生成し、ヒトでテストされている)が、アルツハイマー病の進行を遅くするのを助けるかもしれないということを示唆する。

この研究は、ニューヨーク市のCornell University Weill Medical Collegeの研究者によって行われ、雑誌Experimental Medicineの11月7日号に掲載されている。

10年近くの間、科学者たちはiNOSがアルツハイマー病患者の脳の病変部に存在することがわかっているが、これまで研究者たちは、この酵素が実際に病気を悪化させるかどうか調べていなかった。この研究によって、iNOSなしで繁殖したアルツハイマー病になる傾向のあるマウスが、iNOSがあるマウスよりも脳の病変の発生が少なく、2倍も長く生きたことがわかった。

アルツハイマー病を発症したマウスも、iNOS欠乏のマウスのグループも、老いるにつれて脳の病変の急速な増加がみられなかった。

研究論文著者たちによると、この結果から、iNOS阻害剤が、現在のアルツハイマー病の治療法よりも効果的であるということを証明するかもしれないという。これらの既存の治療法は、認識力の検査における患者の能力を一時的に向上させるが、延命はしない。
(HealthDay News - 10月31日)
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巻貝の記憶を高める薬物が

ある抗癌剤が、長期記憶に必要なタンパク質を生成するように刺激するかもしれない。アルツハイマー病の治療に可能であるとして、この化合物への関心を持っていると、研究者たちは話す。

Blanchette Rockefeller Neurosciences Instituteと海洋生物学研究所の科学者たちは、marine snail(海の巻貝?)の学習活動の何日も前にbryostatinを導入すると長期記憶が著しく改善されたと報告する。

「これはアルツハイマー病の患者たちにとって本当に躍進となるかもしれません」と、Proceedings of the National Academy of Scienceで今週発表した研究の技術指導官で代表執筆者のDaniel Alkon博士は話した。

アルツハイマー病協会は、現在約450万人のアメリカ人がアルツハイマー病に悩まされ、その発症は、米国の人たちの加齢に伴い、2050年までに1600万人にまで増えるだろうと予測される。

アルツハイマー病の初期症状は、新しい記憶を長期にわたって貯蔵する能力を失うが、bryostatinは、この長期貯蔵を促進するようにみえる。

巻貝の実験では、学習やトレーニングの何日も前に、海水にbryostatinを入れると、あるタンパク質がその巻貝の神経によって作られるようになる。

何日も経ってから巻貝を訓練すると、1分か2分間ではなく何週間もそれを覚えているだろうと、研究者たちは話す。

昨年のマウスの実験では、bryostatinがまた、アルツハイマー病患者の脳で見られるタンパク質の蓄積を防ぐのを助けることを示唆している。

Bryostatinは、無脊椎動物のBugula neritina(コケムシの一種?)という、糸のようなものが束になっていて、紫がかった茶色の動物の化学的防衛機構として機能するバクテリアから発見された。

Blanchette Rockefeller Neurosciences Instituteは、ウェストヴァージニア州の民主党のJohn Rockefeller上院議員にちなんで命名されたが、彼の母親はアルツハイマー病と戦った末に亡くなった。

この研究所は、アルツハイマー病の治療のためにbryostatinを使用する特許を有し、臨床試験やその後のマーケティングまでずっと、この薬物を監視するためのパートナーシップについて、民間部門と議論をしているところである。

「私たちは、アルツハイマー病の患者や家族に、この病気の根本的な原因に向かう治療を提供するのに、正しい経路にいると信じています」と、研究所の会長であるRobert D'Alessandri博士は声明で発表した。
(ロイター - 10月25日)
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ガムを噛むと術後の回復が早くなる

新しい研究で、何か噛むものを医師と彼らの患者に与えた: チューインガムを使用する患者は、使用しない人よりも、腹腔鏡大腸外科手術の後の入院期間が短いという。

腹腔鏡手術で、外科医は特定の領域で手術をするために、小さい切込みからビデオのついたツールを使用して挿入する。

「腹腔鏡手術を受ける患者の回復が、伝統的な技術で行うよりも早く、痛みも少ないことは知られています。私たちは、さらにうまくできるかどうかを見たいと思いました。今日、人々はできるだけ早く自分の生活や家族の元へ帰りたがっています」と、ピッツバーグのWestern Pennsylvania Hospitalで腹腔鏡の外科医で、この研究のlead investigatorであるJames McCormick博士は、準備された声明で説明した。

「チューインガムのように単純なものが、それを現実にする助けになります」と、彼は話した。

この研究では、電気的に大腸切除術を受ける102人の患者を、2つのグループに分けた。対照グループの人たちは、腹部手術の後に透明な液体を一口の給食を受け取った。この研究グループの患者はまた、食事の時にガムを噛まされた。

研究者は、チューインガムを噛んだ患者の方が、ガムを噛まなかった人よりも、平均で1日早くに家に帰ったことがわかった。

手術後にチューインガムを噛むと、術後のイレウス(腸閉塞症)を予防することができると、この研究の論文著者は話す。イレウスというのは、手術のあとしばらく消化器系の動きが不活発なままでいる状況のことである。イレウスは、術後の問題や入院が長引く主要な原因であり、米国では1年当たり10億ドルにまでコストがかかると、この研究の論文著者たちは言う。

「なぜこのアプローチが働くのかを説明しようとする科学的理論が2、3あります。最も一般的なものは、'見せかけのエサ'の概念です」とMcCormick氏は話した。

「普通は、食事時に座って、15分間噛んで飲み込みます」と、彼は説明した。「ガムを噛むと、その活動をうまく刺激します。肉体が、それは正常であると考えるや否や、正常に活動するでしょう。そして、家に早く帰れるようになるのです」

この研究は今週、サンフランシスコで行われたAmerican College of Surgeonsの年次総会で発表された。
(HealthDay News - 10月27日)
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抗不安薬は血圧を下げるかもしれない

臓器障害がないのに血圧が非常に高くなることは、急激な高血圧性危機として知られているが、抗不安薬の治療が血圧(BP)を下げるのに有効であり、第一段階の治療とみなされるかもしれないと、イスラエルの研究者たちはAmerican Journal of Hypertensionでの報告で示唆する。

高血圧で、薬物療法で通常コントロールされている患者の多くは、急激に血圧が上がることがあり、「時々頭痛や他の特定されない症状を伴う」と、Tel-HashomerのChaim Sheba Medical CenterのEhud Grossman博士は、ロイター・ヘルスにコメントを述べた。「多くの場合、これらの高血圧性危機は不安感やパニック発作に関連しています」

したがって、Grossman氏のチームは、降圧剤のカプトプリルと抗不安薬のジアゼパムの服用の有効性や安全性を比較する研究を計画した。これは、高血圧性危機のために救急治療室で受診した36人の成人で行われた。

被験者たちは、はっきりとした臓器障害がなく、BPの下が100mmHgより高く、上が190mmHg以上だった。(高血圧の診断の基準値は下が80mmHgより高く、上が140以上) BPを測定した看護士も、結果を評価した医師も、どの治療法が決定されるか知らされなかった。

研究者たちはランダムに、19人の被験者に5mgのジアゼパムを服用してもらい、17人には25mgのカプトプリルを服用してもらった。研究者は1時間毎にBPと脈拍を3時間モニターした。

論文著者たちによると、どちらの治療法も同じように、BPをかなり減少させた。そしてBPは、ジアゼパムのグループで105(下)、213(上)から、88、170に、カプトプリルのグループで107、208から95、181に下がった。

どちらの治療法も効果があり、BPの急激な降下も観られなかった。

「この研究からわかることは、抗不安薬の治療がほとんどの患者で急激に上がった血圧を下げるのに有効であり、この在宅治療を試す価値があるかもしれないということです。この治療がうまくいかないときのみ、医療の助けを求めるべきです」と、Grossman氏は話す。

これらの結果から、臓器障害のない高血圧性危機の患者の治療に対する抗不安薬の効果を確認するために、さらに大規模な治験を実行する必要があるという。
(ロイター - 10月14日)
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マウスの攻撃性につながるホルモン

マウスを使った新しい研究は、特定のホルモンが他者の世話をしたり、闘争を避けるというヒトの能力において大きな役割を果たすという、より多くの証拠を示す。

この研究結果が人間に当てはまれば、しばしば本質的な共感という感覚を欠く自閉症の人々に対する治療に、科学者は一段階さらに近づくかもしれないと、研究者は話した。

この研究は、日本人とアメリカ人の研究者のチームによるもので、マウスにホルモンのオキシトシンを作らないように遺伝子組み換えを行うと、オスはより攻撃的になり、メスはしばしば自分たちの赤ん坊の世話をするのを忘れるということがわかった。

最近の研究で、オキシトシン(オキシコンチンという鎮痛薬とは関係がない)が、人々の他人を信じる能力に関係があるとされている。オキシトシンの役割を広げるため、この新しい研究は重要であると、カリフォルニア州クレアモントのClaremont Graduate UniversityでNeuroeconomicの研究センターの指導官であるPaul Zak氏は話す。

「私たちは、(オキシトシンが)社会行動、および社会行動の欠如に非常に関連していることを発見しつつあります」と、オキシトシンと信頼の研究に取り組んだZak氏は話した。

言い換えれば、オキシトシンはどのように人が互いに対話するか、そして、どのようにこの相互作用が支障をきたすのかということに関係するようにみえると、彼はつけ加えた。

オキシトシンは脳で生成され、脳下垂体から放出される。 特に、それは再生や、愛と呼ばれるであろう神秘的な現象の役割でさえ果たすように思える。

同様のホルモンは、昆虫も含む多くの動物にみられると、研究論文の共著者である、日本の仙台にある東北大学の分子生物学研究者のKatsuhiko Nishimori氏は話す。 高等動物では、ホルモンは再生と行動の両方に影響するようである。

Nishimori氏たちは、オキシトシン生成に関わる「受容体」を持っていないマウスを飼育した。それから、彼らはマウスがどう振る舞うかを見た。

この研究の発見は今週の全米科学アカデミー会報に掲載されている。

オスのマウスは、非常に攻撃的で、侵入者を迅速に攻撃し、長い間闘うように思われた。しかしながら、そのホルモンが欠乏していると、他のタイプの攻撃性を下げるかどうかは明らかでない。

オスのマウスはまた、以前会ったメスのことを忘れているようだった。

メスのマウスはといえば、離れてさまよっている間、時々自分の赤ん坊の世話をするのを忘れた。

これらすべてのことは、人々にとって何を意味するだろうか?

それは完全に明らかではないとZak氏は言って、「マウスから人間へと推定するのは少し飛躍になります」とつけ加えた。

それでも、この研究が、科学者が自閉症の人々に対する治療を発展させるのを助けることは可能である。彼らは時々攻撃的になったり、または他の人々との関係でトラブルが起きたりすると、彼は話した。

そして研究者たちはそれを立証していないものの、何人かの研究者は、オキシトシンに関する問題が自閉症を説明するのを助けるかもしれないと推測していると、Zak氏は言う。
(HealthDay News - 10月19日)
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抗菌石鹸の問題

家庭で使う抗菌剤入り石鹸やボディーソープは、普通の石鹸よりも病気を減少させるのに有効ではなく、細菌が抗生物質に対して耐性をもつようになると、専門家たちは木曜日の政府諮問委員会で語った。

独立調査委員会のNonprescription Drugs Advisory Committeeは食品医薬品局(FDA)に忠告する。木曜日に、そのような石鹸が、健康管理を受けていない人々に対して、普通の石鹸よりも利益を何か供給していると信じているかどうか、出席者たちは投票することになっていた。

FDAは、彼らの決定によって縛られないものの、しばしば彼らの忠告に従う。 政府機関は、そのような石鹸や、それに関するものの有効性に対する警告ラベルを加える権限を持っており、あるいは有用性を制限するが、そのような判定が差し迫っているという指示を全く与えていない。

書類でFDAの職員は、抗菌剤が薬物耐性菌の発生を促進するかどうかについて関心を高め、政府機関は特定の抗菌剤入り製品が決定的に感染率を減少することにつながるという医学的研究を発見していないと話した。

委員会は「抗菌剤入り石鹸が普通の石鹸よりも利益を供給するという証拠が不足していること」を知らされたと、米国とパキスタンでの一連の研究を引用して、ミシガン大学で疫学の教授をしているAllison E. Aiello氏は話した。

彼女は、どちらの種類の石鹸も家庭での感染を防いだが、どちらももう片方より良いということはなかったと、彼女は言う。

石鹸産業の代表は、抗菌剤入り石鹸が普通の石鹸より安全であって、非常に効果的であると主張する。抗菌剤入り石鹸の人気は、家の中の細菌を殺す方が、洗い落とすだけよりもさらに良いと、消費者が考えるようになった最近10年の間に急上昇した。

抗菌剤入りの製品は、遭遇する細菌のほとんどを殺す。普通の石鹸は、皮膚から細菌をひき離すのを助け、排水に流して落としたり、タオルに移動させる。

しかし、Alliance for Prudent Use of Antibioticsの社長であるStuart B. Levy博士は、実験室での研究から、石鹸は時折、細菌のシステムに危険な物質(抗菌剤入り石鹸の化学物質から抗生物質まで)を洗い流す能力を持ち、細菌があとに残ることを示唆していると言う。

彼は、消費者の使用から抗菌の製品を、病気で病院や家にいる人々に対しての使用に限定すると主張する。そこは、それが最も必要な場所だと彼は言う。

「細菌は破壊されないでしょう」と、彼は話す。「彼らは、恐竜がやって来て、いなくなるのを見ていました。私たちがやって来て、いなくなるのも見て、彼らは幸福になるでしょう。自分の家を殺菌するどんな試みも失敗に満ちています」

Levy氏は、抗生物質の使いすぎが、細菌が耐性を持つようになる主因であると話した。彼は、家庭で使用する抗菌剤入り石鹸が、1年にわたる研究で、耐性菌の著しい増加を示さなかったことがわかったことを認めた。しかし、彼は、さらに長期にわたる石鹸の使用で、まだ耐性を持つようになるだろうと主張した。

抗菌剤はアルコール、漂白剤または合成化学薬品を使用する。Tufts University School of Medicineの薬学と分子生物学の教授であるLevy氏は、合成化学物質を使用することに対して特に批評をし、これは分解しないで環境中に残留すると話した。
(Associated Press - 10月20日)

病気などで菌に対する免疫が弱くなっている人でなければ、
普通の石鹸で充分ということのようだ。
このことは以前より言われてきたことであるものの、
つい私も抗菌剤入りのものを使ってしまう。
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脂質の消化の鍵となるホルモン

ビタミンAやE、Dなどの脂肪、コレステロール、および脂溶性ビタミンの消化に重要な役割を果たすホルモンを特定したという。

University of Texas Southwestern Medical Centerの研究者たちは、線維芽細胞増殖因子15(FGF15)と呼ばれるホルモンが、胆汁酸を調節するのを助けると報告する。FGF15は、肝臓にシグナルを送って胆汁酸の生成を調節する。胆汁酸は、脂肪を乳化して、消化器系で壊れて、吸収されやすくする。

マウスでの研究で、科学者たちは、腸が胆汁酸の濃度を感じて、その後、FGF15の分泌の引き金となり、それは肝臓で胆汁酸のさらなる生成を制限するとした。

「胆汁酸は厳しく濃度を規制しなければならない強力な洗剤です」と、この研究の論文著者であるSteven Kliewer氏は準備された声明で説明した。「身体が脂質や他の栄養物を吸収することができるくらいには必要ですが、あまり多いと組織や器官を損なってしまいます。私たちは腸で生成されたホルモンが、胆汁酸の生産過剰から保護する新しいメカニズムを見つけました」。

研究結果は、FGF15が腸と肝臓の間で信号を送る際に重要な役割を果たしていることを示唆し、FGF15はまた、身体の他の部分で別の役割を果たしているかもしれないという疑問を引き起こす。

この研究はCell Metabolismの10月号に掲載されている。
(HealthDay News - 10月14日)
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ヘルス・チップ:冬に多い鼻血

鼻血は、来たる冬の数ヶ月の間に非常によくみられますが、米国国立医学図書館によると、これはまた、健康上重大な危険性を示すことがあります。

次に、鼻血のいくつかの原因を挙げます。

・鼻への異物。
・鼻への直接的な衝撃。
・中隔の逸脱。
・出血性の病気もしくは高血圧。
・遺伝性出血性毛細管拡張症、鼻後部の血管の成長。
・血液の希釈あるいはアスピリン。

家に吸入器を備えたり、家の温度を下げると、頻繁に起きる鼻血を抑えることができます。
(HealthDay News - 10月5日)
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脳の機能不全が自殺やてんかんにつながるかもしれない

てんかんの基礎となるのと同様の脳の機能不全がまた、自殺のリスクにも影響を及ぼすかもしれないという報告があった。

この発見はまた、自殺とうつには異なった脳のメカニズムがあるかもしれないということを示す。

「理由はわかっていないが、うつ病は、てんかんの発症のリスクの増加や、また何度もてんかん発作を体験している人においても一般的です」と、ニューヨーク市コロンビア大学のlead researcherであるDale C. Hesdoffer氏は、準備された声明で発表した。

「私たちの有した1つの疑問は、うつ病のいくつかの症状が、てんかんを発症するリスクを増加するのに、他よりも重要かどうかということでした。自殺企図や自殺未遂は可能性がありました。なぜなら、てんかんの患者が、一般の人たちよりも自殺しそうにみえたからです。しかし、私たちはうつ病のすべての症状を調べました」と、Hesdorffer氏は話した。

この研究は、てんかんを有する324人の人と、その病気ではない647人の人で行われ、10月10日にjournal Annals of Neurologyのオンライン版で発表された。うつ病歴が、てんかんのリスクの増加に関連しているのがわかったという。

また、てんかん患者は、てんかん発作を起こすまでに自殺を図った人が4倍以上もあったということがわかり、彼らは驚いた。研究者がアルコール消費や、年齢、性差やうつ病などの他の要素が原因だと考えた後でさえ、このことは本当だった。

また、特定のうつ病の症状の存在が、後に大きなてんかん発作を起こすことを予期しなかったことがわかった。

研究結果は、てんかんと自殺行動に対する一般的に基本的な脳のメカニズムがあり、うつ病と自殺行動が異なった脳のメカニズムに関連しているかもしれないということを示唆すると、研究論文の著者は記述した。

「ますます、てんかん患者を治療する臨床医は、現在のうつ病に関して尋ねますが、過去の自殺未遂や自殺企図に関しては尋ねないかもしれません」と、Hesdorffer氏は話す。「私たちの研究結果は、後に自殺を遂行するのと防ぐためにこの質問をして、どんな必要なカウンセリングも提供することが必要だという、臨床医への警告かもしれません」
(HealthDay News - 10月10日)
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線虫は人体のリズムの手がかりを与える

科学者たちは文字通り、人体リズムの秘密にはうように進んでいる。

ユタ大学の研究者たちは、線虫のリズミカルな出来事、つまり食物を飲み込んだり、産卵したり、排泄したりというようなことを制御する遺伝子を特定したと言う。

vav-1遺伝子を利かなくすると、虫は、飲み込むことができなくなり、死んだ。 虫が飲み込むことができるように遺伝子の一部が回復すると、再生がまだ困難で、さらに、線虫は便秘になったことを、研究の論文著者たちは発見した。

この研究は、虫だけでなく、人間にとっても意味があるという。

「私たちは線虫の基本的なリズムをコントロールするのに重要な遺伝子を見つけました。哺乳動物における人生の基本的な過程を制御するのと同じ遺伝子の生成物が虫にも見つかったので、私たちの研究は、この遺伝子と関連する遺伝子にはヒトや他の動物におけるリズミカルな行動を制御するのに重要な役割があるかもしれないということを示します」と、ユタ大学の生物学教授で医師、そしてBrain Instituteのメンバーでもある、Andres Villu Maricq氏は、準備された声明で説明した。

彼は、線虫におけるvav-1遺伝子が、ヒトの3つの同様の遺伝子に関連していると述べた。

それは、vav遺伝子がヒトの嚥下や、排卵または排便を制御するかどうかはわからないが、「しかし、さらなる調査のための明らかな道となるでしょう。私たちの行動のほとんどすべてがリズミカルです: 呼吸、嚥下、鼓動、そして脳の活動」と、Maricq氏は話す。
(HealthDay News - 10月6日)
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ヘルス・チップ:化粧品はアレルギーを悪化させるかもしれない

何世紀もの間、女性は、美しく見えるように、そして美しく感じるように化粧をしてきました。しかし、化粧をすることで、赤くなったり、水ぶくれなどの醜いアレルギー反応を引き起こす場合もあります。

米食品医薬品局はその危険性を最小にするために次のことを提案します:

・使用しないときは、化粧品のふたを締める。
・化粧する前に、手を洗う。
・他の人と化粧品を共有しない。
・化粧品に液体を加えない。
・皮膚に異常が出たら、使用を中止する。
・化粧品が変色したり、臭いにおいがあれば捨てる。
・結膜炎のときは化粧品を使用しない。

使用前には化粧品のラベルを必ず読み、製品の中に何が入っているか、また、安全な使用方法を学んでください。
(HealthDay News - 10月6日)

まあ、当たり前といえば当たり前のことばかりなのだが、
案外、守ってないこともあるのではないだろうか。
最近は、男性も化粧をする時代になったので、該当する男性も要注意である。

それから、化粧品の外箱を除くと、
本体には成分名や使用方法を書いてないケースが多いので、
デザインの問題もあるかもしれないけれども、
本体にも記入してほしいと思う。
もの覚えの悪い私は特に、数日使用しないだけで、
使い方(正確には使う順番)を忘れたりすることがある。
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脳たんぱくがアルコール中毒のリスクを高めるかも

ラットでの研究で、特定の脳たんぱくの遺伝的な欠乏が、アルコール中毒や不安に関連しているかもしれないということがわかった。

シカゴのイリノイ大学の研究者たちは、アルコールを渇望するように飼育されたラットが、cyclic AMP responsive element binding proteinと呼ばれるたんぱく質(CREB)や、神経ペプチドYと呼ばれる他の脳たんぱく質のレベルを下げることがわかった。扁桃核(脳の一部で感情、恐怖、および心配に関連している)のある一定の領域で、非アルコール性のネズミと比較された。

2種類のタンパク質が接続しているように見える: CREBが活性化すると、神経ペプチドYの生成を規制すると、研究者は雑誌Clinical Investigationの10月号で説明した。

中毒性を有するラットでは、アルコールは不安感を減少させて、扁桃体中心核で活性型CREBと神経ペプチドYのレベルを増加させたが、アルコールを渇望しないラットでは同じ作用はなかった。アルコールを渇望するラットが、不安感を減少させるためにアルコールを使用するようだと、研究者たちは述べた。

「これは扁桃体中心核のCREBタンパク質の遺伝的欠乏が、強い不安感と飲酒嗜癖に関連しているという最初の直接的な証拠です」と、lead researcherで、UIC College of MedicineSubhashの精神医学の助教授であり、神経科学アルコール中毒研究のディレクターでもあるSubhash Pandey氏は準備された声明で発表した。

「遺伝学的に、強い不安感がある人では、アルコール消費が促進されるということにおいて重要です。飲酒は個人にとってのセルフメディケーションの方法です」と、Pandey氏は話す。
(HealthDay News - 10月5日)

だからといって、不安感を紛らわせるために、
いくらでも飲酒をしていいということにはならないが…。
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肝機能検査で心臓病を予測

肝臓の損傷によって生成された分子の血中濃度が高くなると、心臓病や卒中のリスクもまた予測されるということが、オーストリアの研究でわかった。

ガンマ・グルタミル・トランスフェラーゼ(GGT)と呼ばれる分子の濃度が高くなると、その上がり方がゆるやかであっても、男性では、低い濃度よりも、心血管疾患で死亡するリスクが28%高かったと、Circulationの9月27日号で報告された。高濃度の男性では、68%さらにリスクが高かった。女性では、リスクが35%〜51%の範囲で増加したことがわかった。

この研究は、高いGGT値とアテローム性動脈硬化症につながりがあるというイタリアの報告に対する追跡調査として行われたと、研究論文の著者で、Innsbruck Medical Universityで医学統計の助教授であるHanno Ulmer氏は発表した。アテローム性動脈硬化症は心臓病や卒中につながる「動脈硬化」である。

Ulmer氏たちは長期間にわたる健康監視プログラムで、16万4000人近くのオーストリア人の被験者のメディカル・データを使用した。11年以上の追跡調査によって、高いGGT値は、高い血糖値やコレステロール値よりも、心血管障害による死亡の予測をするのに良いことがわかった。しかし、喫煙や高血圧という2つの他の主なリスク要因ほどには、良くはなかった。

GGTの血液検査は、肝臓機能をモニターするのに広く使用されている。例えば、多くの医師が定期的にコレステロール降下剤のスタチン類を服用する人々に行う。副作用で、肝臓の損傷が起こりうるからである。しかし、「肝機能を示すという役割を超えて、GGTは心血管疾患をまさに予測しうるでしょう」と、Ulmer氏は話す。

Ulmer氏は、GGTが心血管疾患に対するマーカーであるのに、2つの理由が考えられると言う。1つはそれが動脈への一般的な損害を表すということである。かわりに、深酒で血管に与えるダメージを示すかもしれない。 オーストリア人の研究者たちは、被験者のアルコール消費に関する情報がなかったため、深酒が高い値になった唯一の原因であるという可能性を除外することができなかった。

GGT検査の値が心血管へのリスクの評価を決定するために、さらなる研究が必要であると、Ulmer氏は話す。それは「主要なパラメタとして、今後の心血管介入の研究に、含まれているべきである」と、彼は言う。

より多くの研究が必要であると、Harvard Medical Schoolの薬学の教授であり、米心臓病協会のスポークスウーマンであるJoAnn Manson博士は同意した。彼女は、「もし他のバイオマーカーや、心血管系のリスクを除外するなら、GGT値が独立した指標であるかどうかは明らかでありません」と話した。
(HealthDay News - 9月27日)
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イタリアの昏睡患者はすべてを聞いた

医師から死を宣告され、昏睡状態で2年間過ごしたイタリア人男性は、ずっと意識がないと思われていたが、彼は目覚め、この長い試練の間、周りで起きていたことすべてを聞き理解していたと語ったと、彼の家族は話した。

4人の子を持つ父親であるSalvatore Crisafulli氏のケースは『奇跡』として記述され、見込みのない運動が決して絶望的でないことを立証し、彼の回復が死の判定に反対したイタリア人の手を強化するように見えたとしている。

このケースは医学的に匹敵していないが、彼の兄弟は、脳を損傷し栄養チューブを取り外され、3月に亡くなったフロリダ女性に言及し、Crisafulli氏を「イタリアのTerri Schiavo事件」と呼んだ。

「医師は、私に意識がないと話しましたが、私はすべてを理解し、打ちのめされて泣きました」と、Crisafulli氏は、水曜日にイタリアのメディアに話した。

このコメントは、シシリーに住むCrisafulli氏(38)の兄弟を通して、彼がゆっくり回復し始めていると語られた。

彼は、2003年の交通事故で昏睡に陥ったが、最近3カ月前になって話を始めるようになった。彼の最初の言葉は「お母さん」だったと、彼の母親はプレスに話している。

彼の回復に関するニュースは、国立生命倫理委員会が無意識の患者に対して義務的なケアを守ったのとほぼ同時期に(生かし続けるために特別な医療措置をすることに反対した人たちでさえ守った)、イタリアに衝撃を与えた。

敏活かつ明晰

政府委員会、ここは議員のための基準点として務めるところであるが、先月遅くに、その姿勢を支持して投票したものの、方針書はまだ成立しつつある。

「チューブを通して無意識の患者に栄養を与えるのは、医療行為ではありません」と、委員会の会長である、Francesco D'Agostino氏は、彼のオフィスで確認されたコメントで報告した。

「それは、看病することができない新生児に、母親が瓶を与えているようなものです・・・そして、私たちはSchiavo氏のケースを振り返ります。その女性は餓死するまで放っておかれました」

医師は、Schiavo氏が昏睡状態ではなく、植物状態という異なった状態にあったと話す。多くの検査で、彼女の脳がほとんど機能していないことが示された。彼女の死後の検死でも、彼女が一度も意識を回復しなかったということを示していた。

しかし、Schiavo氏のケースは、彼女の夫の願いにも関わらず、イタリアのローマカトリック教会に厳密に従った。ローマカトリック教会は、医師が彼女に栄養を与え続けるように要求したのである。

法王のヨハネパウロ二世は、Schiavo氏の2日後に亡くなった。そして、バチカン市国は米国州立裁判所を、彼女の栄養チューブを取り外すように命令する「死刑執行人」にたとえた。

Salvatore氏はおそらく事故の前と同じようにはならないだろうと、母親は彼の不十分な話し方について話した。しかし、彼の家族は、彼の意識が敏活ではっきりしているようにみえるとしている。

「私の兄弟は、話し、記憶しています。私は、彼がかつてのように回復することを予期しませんでしたが、それは既に奇跡です」と、Pietro氏の談話はCorriere della Sera新聞に引用されている。

「何人かの医師は、すべて無駄で、彼が3、4カ月後に亡くなるだろうと言ったのです」
(ロイター - 10月5日)
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ヘルス・チップ:気になる口臭に

口臭に悩んでいるなら、カリフォルニア州のCamp PendletonにあるNaval Hospitalからの次のチップで息を甘くしてください。

・1日に少なくとも2回歯を磨いて、デンタルフロスを使う。
・口が乾かないように、水をちびちび飲んだり、ハッカをなめる。
・煙草を吸わない。
・歯を定期的に掃除してもらう; プラークの蓄積は口臭を引き起こす。
(HealthDay News - 10月3日)

近頃は、口臭防止のサプリメントなどが出ているので、
手っ取り早くこれで対処している人も多いかもしれない。
しかし、口臭といっても内臓の病気からくることもあるので、要注意である。
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摂食障害と不安障害に関連性か

摂食障害の思春期の少女は、不安障害を発症する危険がある。そして、逆もまた同様であるということが、最新の研究でわかったという。

アイオワ市の、アイオワ大学のPamela K. Keel博士たちは、ミネソタ州の双子の家族の研究から、672人の双子の女子(16〜18歳)で、摂食障害や気分障害を同時に発症するかどうかを調べた。

被験者に、拒食症か過食症があるかどうか調べるためのインタビューを行い、気分や不安、薬の使用に関する評価をして終了した。

摂食障害は、主にうつ病や不安障害、ニコチンの依存と共存する確率が高そうであると、研究員たちは、International Journal of Eating Disordersで報告する。

2人がともに摂食障害を有しない(どちらかが摂食障害を有するという意味か)14組の一卵性双生児のグループの中で、片方だけが不安障害になるリスクはそれでも増加した。

逆に、片方だけが不安障害の52組の一卵性双生児で、もう片方が摂食障害になるリスクは増加した。

「これらの結果は、摂食障害と不安障害が家族性の危険因子を共有することを示します」と、Keel氏はロイター・ヘルスとのインタビューで話した。「次のステップは、共有された伝染性が遺伝子か環境要素、あるいは両方の組み合わせで説明されるかどうか調べることです」

Keel氏は、「この研究における被験者たちは若くて、何人かの被験者は気分障害になったことがなく、薬の使用もなかったが、将来これらの問題が発生するかもしれません」ということを付け加えた。

彼女は、「被験者が異なる種類の精神障害を発症するリスクの時期をずっと通して調べれば、私たちは摂食障害と他のタイプの精神障害の間に共有される伝染性の証拠を発見するかもしれません」と結論づけた。

SOURCE: International Journal of Eating Disorders, September 2005.
(ロイター - 9月29日)

遺伝子に原因があるのか、環境が問題なのか、ということを厳密に調べるのは
難しいのではないかという気がする。
私はどちらも関係があると思うし、環境といっても食事だけでなく
社会生活におけるさまざまな要素があるので一概には言えないと思う。
また通学や通勤の途中なんかも環境の因子となるわけで、
いつどこでどういうふうにストレスを受けたりして、
何がひきがねになって発症するのか、ケースバイケースとしか言いようがないのではないか。
つまり、誰だって可能性はあるということである。
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音楽で鼓動がハミング

アイルランドのジグやドビュッシーのノクターンを聴いて、同じようによい状態にならないのは、心臓のリズムを音楽がいかに穏やかにするかということに対する鍵となるかもしれない。

最新の研究では、緩やかな音楽がリラックス効果を生むことがわかった。音楽のくぎりは、有益な方法で心臓の鼓動や循環のパターンをさらに調節する。音楽教育を受けている人々にとって、この効果は最も衝撃的だった。

「遅い速度の穏やかな音楽は、呼吸をより遅くし、息をひっぱることができます」と、この研究の論文指導者であり、イギリス、オックスフォード大学で心臓血管医学部のPeter Sleight博士は話す。「これは音楽を使用することで容易に(潜在意識下で)呼吸をひっぱることができるということを示す最初の研究です」

呼吸がゆっくりになると、最低血圧につながり、肺がさらに効率的に働くのを助けるかもしれない。

彼らの新しい研究のために、Sleight氏たちは12人のミュージシャンと12人のミュージシャンでない人で、6つの異なったタイプの音楽への生理学的な反応を調べた。

音楽の選択は、ラーガ(インディアンのクラシック音楽)、ベートーベン第九交響曲(ゆっくりとしたクラシック)、ラップ(レッドホット・チリペッパーズ)、ビバルディ(速いクラシック)、テクノ、およびアントン・ウェーベルン(ゆっくりとした十二音音楽)から成った。

各被験者は一気に2分間ずつ異なった音楽を順番に聴き、続いて、4分間ずつ同じ選択の順に音楽を聴いた。それぞれ2分の休憩をした。

研究者は、速い速度と、単純でリズミカルな構造の音楽は、呼吸、血圧、および脈拍を増加させた。音楽が停止すると、脈拍、血圧、および呼吸は時々最初のときより低くなるくらいにまで減少した。

ゆっくりした音楽は、脈拍が最も大きくゆったりとし、これはラーガ音楽で見られた。

一時停止の効果は、音楽のタイプにかかわらず起こるが、すでに音楽で呼吸を測定する訓練を受けているミュージシャンで、より強かった。

全体的に見て、人の音楽の好みは音楽の速度ほど重要でないという。

研究結果は、British Medical Journal publicationのHeartで発表されるが、この分野の専門家を驚かせない。

「ストレスは心血管疾患に影響があります。音楽はストレスを減少させるだけでなく、受ける療法を高めることができます」と、Vincent Marchello博士は話す。彼は、Metropolitan Jewish Health Systemのための医事の副社長であり、Mount Sinai School of Medicineとニューヨーク市の両方で、臨床医学の助教授でもある。

これまでの研究では、ホメーロスのオデュッセイアのようなリズミカルな詩を声を出して読むことで、心臓と呼吸の割合を同期させることができるということがわかっている。同様のプラスの効果が、カトリック教徒のロザリオの祈りとヨーガマントラでもみられる。事実、Sleight氏のチームはヨーガや祈りを反復することに、同様の効果があると発表している。

音楽もまたストレスを減少させるということも含めて、運動の性能を向上させたり、神経に損傷のある人々の運動機能を高めたりといった有益な特性を持つということがわかっている。

しかしながら、これまで異なったタイプの音楽や、それらが提示される方法が、どのように自律神経や心臓血管、そして呼吸の機能に影響するかということに関する包括的な比較はなかった。

著者たちはまた、異なったタイプの音楽が、医学的な設定で呼吸を調節する役割を果たすことができると推測した。

いくつかの設定では、音楽は既にそのような役割を果たしている: Marchello氏のスタッフは、興奮したアルツハイマー病の患者の行動をなだめるのに音楽を使用してうまくいっている。

そして、外科手術後の心臓のリハビリでは、「音楽は、リハビリ療法のセッションを改良することができ、療法のセッションをより効果的にし、回復に必要な時間を短くすることができます」と、Marchello氏は話す。

しかしながら、そのような場合、年齢と好みに違いがでるかもしれない。高齢の心臓病患者は概して「ミューザック(有線のBGM)」とクラシック音楽をかけると反応する。55〜60歳の患者では、少し速めの音楽が効果的のようだと、Marchello氏は言う。

「あなたがしようとしていることは、療法の時間をより効率的にして、多分長めのセッションを行うことです。」と、Marchello氏は述べる。「音楽は、私たちが患者を動機づけるために行う1つのことです。それは、彼らが望むことであるべきです」
(HealthDay News - 9月29日)
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摂食障害の人の特徴を定義

国際チームの研究者たちは、摂食障害の拒食症や神経性過食症に関連する遺伝子につながる可能性のある6つの主な特徴を特定したと話す。

「この研究は遺伝子がいかに摂食障害の原因になっているのか強調します」と、この研究のlead researcherであり、University of North Carolina's School of Medicineで摂食障害プログラムのディレクターであるCynthia M. Bulik博士は、準備された声明で発表した。

研究者たちは、摂食障害の母親か姉妹がいる人は、同様の病気を発症するリスクが、家族歴のない人と比べて、12倍以上高いと述べる。

統計的な分析と専門家の意見から、チームは6つの主な特徴を以下に定義する。

・強迫観念--完璧主義
・初潮(月経の始まり)の年齢
・不安
・生涯の最小のBMI値(BMI)
・間違いに関する心配
・食物関連の強迫観念

これらの摂食障害につながる特定の遺伝子を同定するのに、さらなる研究結果が、American Journal of Medical Genetics Part Bの2つの論文で発表された。

最小BMI(体重の基準)や、失敗に関する心配、初潮の年齢、食物に関する強迫観念は、より密接に過食症につながるようにみえ、不安と強迫観念は密接に拒食症とつながっているようにみえることがわかった。 このことは、2つの障害には密接な関係があるが、いくつか基本的な違いがあるかもしれないことを示していると、研究者たちは述べた。

拒食症と過食症につながると信じられている100以上の行動や個性的な特徴を分析してから、彼らはこれらの6つの主要な特徴に照準を合わせた。

専門家たちは、全国的に見積もって、1000万人の女性と100万人の男性が、拒食症か過食症のどちらかになるとしている。
(HealthDay News - 9月23日)
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パキシルに催奇形性

食品医薬品局は、抗うつ剤パキシルが先天異常に関連しているかもしれないという研究結果がでたと警告している。

パキシルのメーカーのグラクソスミスクラインは、薬の注意書きのリストに、この研究結果を含めるとしている。

FDAおよびメーカーによると、再評価調査で、他の抗うつ剤を服用している女性と比べて、妊娠の最初の3ヵ月間パキシルを服用していた女性に、先天異常をもって生まれる新生児が増えていたことがわかった。

グラクソスミスクライン社から医療関係者へのレターによると、心臓欠陥も増加しているとのこと。FDAは火曜日にその内容を発表した。

一般名がパロキセチンという薬物はすでに、妊娠している女性に対する「カテゴリC」の薬物に分類されている。これは、妊娠中の人における作用の研究が行われていないことを意味している。

医師たちに「妊娠中の女性にパロキセチンを使った治療のリスクと効果を量りにかけて慎重に考えるよう」アドバイスしている。
「医療関係者が、これら最新の調査結果について、代わりになる治療法と同様に、患者と議論することを勧めています」と、グラクソスミスクライン社は話す。

この研究に基づいて、メーカー側は、この薬と先天異常の発生の増加との間の関連性が明確でないとしている。
(Associated Press - 9月27日)

パキシルに関するニュース、同じものであるが、
もう1つ詳しいものがあったので、紹介する。
米国の厚生省職員は妊娠の最初の3ヵ月までに、抗うつ剤のパキシルを服用する女性から奇形児が生まれることに関する警告を出した。

グラクソスミスクラインという薬品メーカーがスポンサーの研究は、他の抗うつ剤を服用する女性と比べて、パキシルを服用する女性から奇形児が生まれるリスクが約2倍高いことを示唆した。最も多かった異常は心臓血管だった。通常よりも、約50%リスクが高かった。

9月6日頃最初に問題を米食品医薬品局に警告したグラクソスミスクライン社は、薬の注意書きを変更すると、会社の広報担当のMary Ann Rhyne氏は予告した。

Mary Jo O'Sullivan博士はUniversity of Miami School of Medicine産婦人科の教授であるが、この調査結果がある関心を高めると話す。「パキシルと先天異常の増加の間に関連するものがないと絶対的に否定することはできません」と、彼女は言う。

O'Sullivan氏は、「慎重でなければなりません。もし、患者の妊娠の前にパキシルを止めて別の薬に変える方法があれば、それは理想的な方法でしょう」と、アドバイスする。「しかし、パキシルを服用していることが、必ずしも先天性奇形のリスクが圧倒的に高くなるということを意味するものではありません。これは、さらに多くの研究を必要とします」


パキシル(一般名:パロキセチン)は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRIs)と呼ばれる薬のグループのもので、1988年に最初に市場に出て、子供と同様、成人のうつ病、不安、その他気分や行動障害を治療するために今日広く使用されている。

このクラスのポピュラーな薬は最近多くの議論の対象となっている。

2月に、スペインの研究者たちは、妊娠中にSSRIsを服用していた女性から生まれた新生児が、生まれて2、3日の間に、離脱症状を経験するかもしれないと報告した。この関連性は、パキシルを使用している女性で最も高いようにみえた。

そして昨年、SSRIsを使用している青少年の間での自殺企図の報告から、FDAによって注意書きで警告するように命じられた。また、10〜14歳の子供では、SSRIsが躁病の症状の引き金となることもある。

SSRIsと先天異常に関するデータは決定的ではない。いくつかの研究ではリスクが高くなるという結果が出て、他の研究ではそうではないという結果が出た。

イギリスの妊娠中の女性が、ブプロピオン(一般名:ウェルブトリン[日本未発売])とパキシルを服用することで心臓血管に欠陥が生じたため、この研究をグラクソスミスクライン社は引き受けた。

この研究で、研究者たちは、UnitedHealthcare、これは米国の北東部、南東部、中西部、西部をカバーする国の管理ケアプランであるが、これと提携したデータベースを元にした。彼らは、妊娠の最初の3ヵ月までにブプロピオンを服用する女性に焦点を合わせて、最初の3ヵ月前後にブプロピオンを服用していた女性から生まれた新生児と、最初の3ヵ月の間に他の抗うつ剤を服用していた女性から生まれた新生児とで比べた。

すべての分析が完了すると、ブプロピオンに関するリスクは増加していなかった。パキシルを含む他の抗うつ剤に関連しているリスクを調査した二次分析は、FDAの依頼で実施された。

その分析から、最初の3ヵ月に服用すると、他の抗うつ剤と比べて、パキシルの一般的な奇形のリスクは約2倍になることがわかった。このグループの女性から生まれた新生児の中で、先天異常は全体の4%、あるいは1,000回の出生あたり43.6人だった。

心臓血管に異常が起きるリスクは、2倍を少し上回った。 これらのうち心室中隔欠損がよくみられた。心室中隔は、心臓の心室を左右に分ける筋肉の壁で、そこに1つ以上の穴が存在している。これは最もよくみられる先天的な心臓の欠陥である。

一般の住民における総合的な先天異常の割合は約3%で、心臓の欠陥の割合は約1%である。最初の3ヵ月にパキシルを服用する女性から生まれた新生児では総合的な先天異常の割合は約4%で、他の抗うつ剤を服用する女性では約2%だった。「私は、説明できる結果が出ることを願っていました」と、Ryne氏はこの食い違いについて話した。

研究者は、この関係が1つの原因のものであるのか、また一般に、この被験者における研究が不足しているかどうかはまだわからないとしている。例えば、スウェーデンの出生登録のデータから、SSRIsと関係のある主要な先天異常のリスクの増加はみられなかった。

「この薬には、妊婦への注意が既にあります。それは、医師が潜在的利益や潜在的リスクに関して患者と話すべきであるということを意味し、私たちはこの研究がその議論の一部となることを勧めます」と、Ryne氏は話す。「注意書きには、すでにカテゴリCという妊婦に対する警告がありますが、この警告は胎児への影響を決定するのには適切でなく、よくコントロールされた研究が行われるべきであることを意味します。これは医師が患者とすでに話し合っておくべき薬です」

「他のあらゆるものと同様に、それはリスクと利益の比です」と、O'Sullivan氏は話す。
(HealthDay News - 9月28日)

催奇形性の試験は、動物実験としては行われるけれども、
当然ながら人間で直接的な実験を行わない。
そのため、このようにデータを集めて、そこに因果関係があるかなど調べることになるが、
こういう結果が出たからといって、極端に怖がる必要はないだろう。
とにかく医師とよく相談して、
パキシルに代わるものの使用でも大丈夫なら、そちらを服用すればいいし、
どうしてもパキシルでないとだめというなら、
そのままパキシルを続けるということになろうかと思う。
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ヘルス・チップ:ドライ・マウス

ドライ・マウスは、加齢による正常な症状であると考えられてきた。

しかしながら、Maryland Department of Health and Mental Hygieneによると、今やドライ・マウスはしばしば、抗ヒスタミン剤や、心臓病の薬、鎮痛薬などの薬物療法の副作用であることが明らかであるという。また、閉経後の女性ホルモンの減少によっても、ドライ・マウスになる。

唾液が不足すると、食物や細菌は長時間口の中に残り、さらにプラークや虫歯につながる。

ドライ・マウスの治療法はないが、水を飲んだり、唾液代用品を使用したり、加湿器やスプレー式点鼻薬を使用することで、対症的に緩和される。また、カフェインやアルコール、たばこ製品は避けること。
(HealthDay News - 9月23日)

唾液代用品というのは人工唾液のことだと思われる。
また、点鼻薬というのが何を指すのかはわからないが、
もしかしたらアメリカにしかないものかもしれない。
水分をこまめに摂るというのが一番てっとり早い方法だろう。
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嗅覚の問題における研究

コーヒーの香りは、その味が好きでない人でさえ、人生の最も楽しい経験の1つとしてよく知られていますが、Kathy Kurlandは吐き気を催します。

「コーヒーは最悪のにおいです。・・・私はそのことについて説明することさえできません」と、彼女は言います。

他のにおいは、できたてのポップコーンのように、彼女を身体的な病気にしました。今は、薬物療法のおかげで、彼女はそれを許容することができます。

Kurland氏には、においを妨げ、無害のにおいや快いにおいを不快に変えて何日も続くにおいの幻影を生産する、さまざまな嗅覚器の異常があります。

Kurland氏は化学物質がその症状を引き起こすのだと言います。それは、約3年前に始まり、次第に悪くなりました。「私は、1人でアラスカに住まなければならないと思いました。そこにはにおいがないのです」と、ミシガン州のファーミントヒル40何番地の住民は話します。

彼女の状態は、想像がつきませんし、また精神的なものではありません。それは本当です。病名があり、医師や研究者たちが研究を行っています。

Kurland氏のような人々を助けるためのサポートグループがあります。においを感じる能力を失った症状は、無嗅覚症として知られています。嗅覚がひずんでいる状態は、異臭症と呼ばれ、そこにないもののにおいがするものを、自発的異常嗅感といいます。

Kurland氏の研究で、1人の医師が、その状態を管理する薬を処方しましたが、においはなくなりませんでした。

有機体がまず、原始的な海で泳いだとき、化学物質のにおいをかぐ能力は彼らを生かし続けました。においは赤ん坊と母親との間の最初のきずなです。においは場所や時間に私たちを運ぶことができ、危険を私たちに知らせ、導きます。

けれども、五感の中で、においはあまり研究されておらず、ほとんど理解されていません。

「何年間も医学界によって無視されました」と、フィラデルフィアのMonell Chemical Senses Centerでクリニックを経営する心理学者のBeverly Cowart氏は話します。このセンターは、嗅覚や味覚を研究する最初の団体です。 「これらの問題を抱える人々は、私たちがこれまで考えていたよりも、はるかに多いのです」

においに対する感覚が高い"嗅覚過敏"を含めると、約1400万人のアメリカ人が嗅覚器の機能不全を有しています。65歳以上の人の半分と、80歳以上の4分の3の人で、においの能力が減退しています。

多くのものによって、においを感じなくなったり、機能不全になります。慢性の副鼻腔の病気や、化学療法、化学物質、薬物療法、頭部外傷といったものがそうです。しかし、研究者たちは、脳に情報を伝える嗅覚器神経細胞のユニークな機能と位置のために、何がその状態を引き起こすのかはっきりわかりません。

「たいてい組織の損傷があります」と、Monell Centerの細胞神経生物学者であるNancy Rawson氏は言います。

嗅覚器の組織は人の一生を通して作り直されます。しかしながら、嗅覚が誤作動を起こすと、通常、組織の損傷がひどくて、それ自体修理することができなくなるか、あるいは他の何かが、細胞が適切に働くのを妨げているかどうかを話すのは不可能だと、Rawson氏は話します。

「生検せずに神経損害を調べる方法はありません。また、嗅覚器システムにおける神経活動を記録する、効果的な非侵襲性の方法もありません」」と、彼女は言います。信号を検出するために鼻にゾンデを置くと、嗅覚気システムとは別の刺激システムからの信号を検出するために、その試験はうまくいきません。このことは、におうことができない人々が、アレルギー反応も有する理由を説明しています。

Rawson氏は1991年から嗅覚器システムを研究しています。彼女は脳に影響を与えるアルツハイマー病や卒中、他の状態に対して有する嗅覚受容細胞の再生能力の可能性に惹きつけられました。嗅覚受容細胞は直接脳に接続された唯一の神経細胞です。

においを感じる能力を失うことは、まだ探検され始めたばかりで、遠大な意味を持つかもしれません。最も明白な結果は、味を感じる能力への影響です。それは別々の感覚ですが、味は、においとつながり、呼び戻せません。約90%の味はにおいから来ます。

私たちの社会における食物の役割を考えるとき、味を感じることができなくなることが、いかに不都合であるかということを理解し始めます。

「感謝祭の夕食に行くと、プラスチックの泡の中にいるように感じると、患者たちは話します」と、シカゴのSmell and Taste Research Instituteを設立した神経科医のAlan Hirsch博士は話します。「彼らは料理のにおいを感じることができず、すべて発砲スチロールのような味がします。憂鬱になります」

「最初私は、レストランにいることに我慢ができませんでした」と、Kurland氏は言います。彼女は、2003年3月にHirsch氏の元へ受診に行った時、状態は耐え難いほどになっていました。

「Hirsch博士の元へ初めて受診した時、私はにおいに耐えることができなかったので、シカゴでは少しも観光しませんでした」

味を感じる能力への影響だけでなく、嗅覚は、人々の肉体的、感情的かつ精神的に、幸福やクオリティ・オブ・ライフにおいて重要な役割を果たすと考えられます。体重から、性的な高まりや危険を感じる能力に至るまですべてがにおいによって影響を受けるのです。

Hirsch氏はまた、精神科医で、嗅覚と精神との関係に好奇心をそそられました。嗅覚は、脳内の、感情と同じ領域から得られるので、においの喪失とうつ状態の間に関係があるかもしれないと推測しています。嗅覚に異常を有する患者でよく、見られます。もちろん、彼は、病気を持つことがうつ状態につながることを認めています。

回復についてはどうでしょうか?

嗅覚の病気の回復率は高くはありませんが、回復は何年も後に、時々起こります。徐々に、あるいは突然に改善されることがあります。

「私たちは、5年未満で回復する人々を見ました」と、Horsch氏は話します。

無嗅覚症や異臭症に罹った人々は、治療について、ほとんど一致したものがないということをすばやく学び、オプションは初めに、制限されます。

Hirsch氏のおかげで、Kurland氏は症状から解放されました。通常、膨大な質問や身体検査、何時間ものにおいの訓練などの試験を徹底的に行ってから、彼はクロナゼパムを処方しました。これは発作を予防するのによく使われる薬物です。Kurland氏は、比較的正常な生活を送れるまでに、症状が充分回復したと話します。

ひところ、彼女が許容することができた唯一の食物が、牛乳と、白パン、シリアルでした。現在、それほど味がわかりませんが、ほとんどの食物を食べることができます。

それでも、彼女は次のように言います。「私は、家で食事するのを好みます。 かつてほど外に出かけません。」

頻繁に、Hirsch氏はCerefolin、ビタミンB12という薬を処方します。それは、アルツハイマーの患者にしばしば処方するものです。理論は、まだ損傷を受けないで残っている神経細胞の能力を高めることによって働くということです。しかし、誰ひとり完全には確信していません。

Monell CenterのCowart氏は、治療できる無嗅覚症のたった1つのフォームが副鼻腔の病気によって引き起こされるが、その治療さえ不確かであると話します。ステロイドは慢性の副鼻腔の病気が原因の炎症を治療する場合に有効ですが、それらは長期間使用することができないと、彼女は言います。

「それほど多くの治療法を見つけていないのは、少しいらだたしいです」

Rawson氏は、研究室のマウスの嗅神経を切断したあとすぐにビタミンAを施して成功しましたが、平行して人間には実験をしていないと話します。 研究者たちはまた、マウスの鼻の片方を塞ぐと、受容体の細胞が不要となり死ぬことがわかりました。

「したがって、それは(神経細胞を)訓練するのを助けるかもしれません」と、彼女は話します。

この研究では、より多くの注目を得、研究者であるRichard Axel氏とLinda Buck氏の仕事に対して部分的に感謝を得ています。ヒトの嗅覚がどのように働くのか仕組みを作成した彼らの研究に対して、名誉賞を与えられました。

Axel氏とBuck氏は、1991年にmolecular basis of smellに研究結果を発表しました。それまで、いかに人々が1万以上のにおいを認識して、覚えることができるかについてほとんど知られていませんでした。研究結果は、においが鼻の受容体から脳まで伝わる方法を解明しましたが、においがいかにして人間に影響を与えるかについてさらに多くの研究がなされていると、Axel氏はAP通信との最近のイ
ンタビューの中で話しました。

「脳が理解したがっている多くの研究は、いかに外の世界を…脳内で表すことができるかということです。それは、単にニューロンの収集です」と、Axel氏は言います。「私たちの努力は、他の分野での努力を結合して、脳内にいかに世界が表示されるかという、この、実に非常に複雑な問いがほぐれつつあります」
(Detroit Free Press - 9月21日)
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ヘルス・チップ:アスピリンを始める前に

心臓発作や卒中のリスクを下げるために毎日のアスピリン服用の治療を始める前に、あなたは医師と相談べきであると、米食品医薬品局はアドバイスします。

また、アスピリンが、血中の血小板凝固作用を抑えることによって、心臓発作や血栓による卒中を予防しますが、望まない副作用を引き起こすことがあります。これらに胃出血や脳出血、腎不全が含まれます。

アスピリンはまた、他の薬や、ビタミン類やハーブ、または、食事のサプリメントと一緒に服用すると相互作用を起こすことがあります。

あなたの医師が、あなたに毎日アスピリンを服用するように勧めたなら、まず、危険だと考えられるあらゆる副作用について話し合ってください。
(HealthDay News - 9月22日)
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ヘルス・チップ:肌のケア

あなたが20代もしくは30代で、若々しい外観を有するなら、今こそ良いスキンケア・プログラムを始める時です。聖ルイス大学のFacial Plastic Surgery Centerによると、これから先美容整形をしないですむかもしれないといいます。

ここに、いくつかの秘訣があります:

・充分に眠る。
・ヘルシーなものを食べる。
・カフェインの消費を制限する。
・毎日、日焼け止め剤を使用する。
・目を細めるのを避けるために、サングラスを掛ける。
・日焼けサロンに行かない。
・夜のスキンケアの儀式を確実に行う。
・正しいスキンケア製品を使用する。
・タバコを吸わない。
・しわ取りのクリームを考える。
(HealthDayNews - 9月21日)

一応取り上げてみたが、
個人的には、こういうことにあまりこだわりすぎるのも良くないのではと思う。
日焼けサロンは明らかに肌に良くないので避けるべきだろうが、
アメリカで接した人たちは、手なんかにもしみがたくさんある人が多かった。
それほどの年齢というわけでもなかったので、びっくりしたものの、
そういうことは気にしていないようだった。
そこはどちらかというと田舎で、陽射しもきつかったし、
色白の人たちは、しみができやすかったのかもしれないけれど、
彼らの大らかさや明るさなど、健康的な様子を見ていると、
表面だけどんなにとりつくろっても、
内面を磨かなければ意味がないということを実感する。
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プロラクチンがてんかん発作を決定

プロラクチンと呼ばれるホルモンのレベルを測る血液検査は、人がてんかん発作になっているかどうか決定するのに役立つと、専門家たちは結論づける。

テストについてのnew American Academy Neurologyのガイドラインが、Neurologyの最新号に掲載されている。

ガイドラインの著者である専門家たちは、てんかん発作の診断のために、プロラクチン血液検査の使用に関する利用可能な科学的な証拠をすべて再検討した。血液検査は、てんかん発作と、成人や年長の子供の精神科疾患によって引き起こされるてんかんとを区別する際に役立つと結論を下した。

てんかんが起きて10〜20分以内に、血液検査を行わなければならない。それは全般性強直間代発作や複雑部分的発作と呼ばれるてんかん発作のタイプを特定することができる。血中のプロラクチンのレベルは、このタイプの発作のあと増加する。

プロラクチン血液検査は、てんかん発作と、失神と呼ばれる気が遠くなっている状態とを区別することができない。プロラクチンレベルは失神の後にも増加するからである。


ガイドラインは、プロラクチン血液検査が付属的なテストとして役に立つと述べる。特にビデオで脳波検査(EEG)のモニターが利用できないときに役立つ。より多くの研究が、プロラクチン血液検査が、もっと幼い子供でも役に立つかどうか、さらに多くの研究で調べる必要がある。
(HealthDay - 9月16日)
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ファラオの医師が明らかにしたシークレット

これは少し前の記事なのだけれども、
ちょっとおもしろいなと思ったものである。
医師は、頬に重傷を負った青年の家に呼ばれます。肉は裂け、赤く腫れています。

傷の確認をしてから医師は、特別な酵素の消毒薬を患部に塗り、感染しないように、抗菌作用のある化合物に浸した包帯で覆います。おそらくこの男性は、全快するでしょう。

この一連の治療は現代的に聞こえるかもしれませんが、問題のこの医師は、およそ4,000年前に生きていて、治療を行っていました。そこは古代エジプトで、魔法の薬と一緒に作った薬を使いこなし、ライオンの頭を持つ女神セクメトに呪文を唱えます。

この匿名の医師は、紀元前およそ1900年の終わりの中王国時代に治療をしていましたが、現在エドウィン・スミス・パピルスとして知られている記録に、48例の大怪我の診断や治療についての知識を伝えています。

パピルスは、それ自体が紀元前1600年頃に書きとめられたコピーですが、15フィートにも及び、ヒエログリフという象形文字で書かれた11枚の板から成ります。

それはこれまで発見された中で最も古い外科のテキストです。そして、多くの加工品と共に、古代エジプトの医療の芸術(The Art of Medicine in Ancient Egypt)の中心的な装飾品、つまりニューヨーク市のメトロポリタン美術館で9月13日に開催される主要な展示品のセットとなるでしょう。

美術館のEgyptian Artの館長であるジェームス・アレン氏は、それがナイルの北部と南部の派閥が、支配のために争っていたエジプトの歴史のある時期に作られたため、「このパピルスが、戦いによる傷を治療する外科医の使用のために書かれたものであると推測するのは魅力的です」と話します。

その機能が何であれ、New York Academy of Medicineが所有しているパピルスは、古代の医師たちがどれほど高度であるかということを実に強調しています。

「これらのものを見れば、あなたは本当にこれらの人々の巧みさに驚嘆するにちがいありません」と、デヴィッド・ミニンバーグ博士は話します。彼は、ニューヨーク市の医師で、また中東の研究で修士を取得し、展覧会にコンサルタントとしてボランティアをしています。

「観察したことを細心にわたって記録する人たちでした」と、彼はつけ加え、パピルスから、薬の実践がツタンカーメン王の治世の600年前にはすでに、尊敬された科学だったことがわかると述べました。

パピルスは、起源が知られていないが、エドウィン・スミスというアメリカ人によってエジプトで1862年に買われました。パピルスは、医師志願者に対する保証で始まり、その診断は測定や観察という単純な行為で、当時の大規模な農耕社会における他のあらゆる重要な仕事のように着手されるものです。

「穀物を測ることで何かを測定するように、同じ方法で苦しみは測られるのです」と、匿名の医師は記しています。

症状と身体の健康の測定は実際に等しいです。中王国時代の医師たち(彼らのほとんどはまた、ライオンの頭を持つ不慮の災難の女神セクメトの聖職者でもあった)は、循環器系や、脳の外側の表面、波形の解釈の仕方をよく理解していました。また、彼らは腫瘍と対照的な骨の捻挫や骨折、膿瘍を容易に見分けることができました。

アレン氏によると、多くの医師は専門家ですが、他のパピルスは婦人科か、あるいは歯の問題のどちらかについて焦点を絞っているといいます。名声を得た医師もいました。美術館の展示品の中にある、Yuny(ca. 紀元前1290年)の石灰岩像は、父親と息子の医師です。この2人が非常に有名になったので、彼らの死後、彼らのために神殿が建てられ、巡礼者たちが癒しのためにやってきました。

体内の解剖学に関する古代のエジプト人の医師の知識は、おそらく動物の試験に基づいたもので、ヒトではないと、専門家たちは信じています。

「ご存知でしょうが、彼らはミイラとして肉体を保存したがっていました。それは魂が行くことのできる場所であり、そのため肉体の侵入は悪いことだとみなされていました」と、Mininberg氏は言います。事実、様々な器官を表す象形文字は通常、人間ではなく、動物のものに類似しているのです。

与えられたそれらの制限から、平均的な中国の医師は自分の力と限界を理解していました。患者に問診をして、注意深く観察し、診断を下してから、パピルスに記載された何十もの傷は、3つのカテゴリに分割されます: 「治療する病気」、「戦う病気」「何もしない病気」

「今日の習慣の観点からは、私の意見ですが、それは信じられないほど啓発された視点です。言い換えれば、最初のケースで彼はこう言っています。『これが何であるか私は知っている。治療することができ、予後も良いだろう』2番目のカテゴリーでは、彼は少し賭け金を分散投資して危険を防ぎます。そして3番目のカテゴリーは、治療しないとあり、非常に印象的です。言い換えれば、むしろ末期状態で、勝算がない思い切った手段です。彼は単にサポートになるようなケアを施します」と、Mininberg氏は話しました。

ほおがざっくり割れた負傷の症例では、医師は、『私が扱う病気である』とします。彼はそれから「あなたは初日の肉が新鮮なうちに、(患者に)包帯をしなければなりません。治療は腫れを抑えるためにケアをすることです。その後回復するまで毎日、オイルと蜂蜜のドレッシングで治療するべきです」と有望な医師に指図します。

このプロトコルはMininberg氏には理解できます。新鮮な肉は酵素を含み、それは本質的に傷口をきれいにするのを助け、炎症を抑えます。「また、蜂蜜を傷口にのせます。私たちの技術では、蜂蜜には抗菌物質があることを学びました」と、Mininberg氏は話します。

もちろん、古代エジプト人は細菌が病気を引き起こすということを知りませんでしたが、試行錯誤で、それらの作用を発見したのです。

「そのことから考えると、現代の薬物の治験とはそれほど違いません。あなたは、『ほら、これは作用するに違いない。もしそうなら、それを続けよう』と言うでしょう」と、Mininberg氏は言いました。

展示会で示された他の療法は、ざくろ(収斂性のものとして使用される)やれんこん(モルヒネのような鎮痛剤を含む)を含んでいます。パピルスはまた、古代エジプトの中王国時代の医師たちは縫合や焼灼の方法を知っていることを明らかにしています。

しかしながら、その医師は、大規模な治療チームの1員にすぎませんでした。 パピルスは重要な神に対する懇願と同様に、魔法の薬の処方を含んでいます。

例えば、へびに咬まれた傷と闘う患者が、イシスという「魔法の女王」と同盟を結び、彼女(イシス)は「あらゆる刺すような悪魔の口が私の言うことを聞きます」と懇願者に保証しました。

また、平均的な古代エジプト人には、流行病を引き起こす感染性の生物に関する知識が全くありませんでしたが、パピルスの裏側に次のような呪文が書かれています。「夜の悪魔のひどさを一掃するために、その小さきものよ、セクメトの使者よ。退けたまう、夜の悪魔を!」

パピルスによると、自分の家の周りをぐるぐる回りながら、これを暗唱する人は「病気で、死ぬことがありません」 他にも、生理痛から守ったり、精神的な問題や「顔を若返らせる」ことさえできるという呪文や薬があります。

アレン氏は、これらすべてが起源が未知の出来事に対する合理的な応答を反映すると信じています。

「古代エジプト人は基本的に、私たちが行う方法と同じように、判断してから、治療を行うという方法で医療を行いました。もちろん、彼らは作用に対する知識がそれほどありませんでした。そのため誰かが細菌が原因で病気になったり、失明したりしたとき、そのことを説明するために、一種の超自然な力が働いているという唯一の方法を使いました。そしてそのときに使ったことは、もちろん、魔法でした。このことは実に実用的なアプローチでした」と、彼は話します。
(HealthDay - 9月8日)
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記憶の維持

ずっと書きそびれていた少し前の記事になるが、脳に良い10ヵ条である。
ここに、あなたの脳を若々しく保つのを助けるための10ヵ条の方法があります:

No.1: 心を運動させること。楽器を演奏するのを学ぶことも含む。; Scrabble(アルファベットを組み合わせ、単語を作って点数を競うアメリカのゲーム盤)で遊んだり、クロスワードパズルを解く; 社交的にする; 転職など新しいことを始める; 新しい趣味(工芸、描画、バイクに乗る、バードウォッチングなど)を始める; 外国語を勉強する; ボランティアをする; 世界情勢についての情報を得る; 読書。

No.2: 肉体的に活動的でいること。毎日有酸素運動やストレッチをし、1日おきに筋力トレーニングをすれば、あなたをより機敏にし、心の中で描くのが早くなるだろう。また定期的に運動していると、よく眠れるだろう。

No.3: 果実と野菜を食べること。これらは抗酸化物質という、脳細胞を保護し、栄養を与える物質を含んでいる。たくさんの水を必ず飲むこと; 脱水すると、集中することが困難になる場合がある。

No.4: ヒントのシステムを開発する。それを書き留めること。 日記をつけ、カレンダーを使い、リストを作ること。日課にすること。失いやすいものを同じ場所にしまうこと。同じ順番で仕事を完了すること。: 変化は、困難で余分な努力を要する。鍵をアイロン台に置くことなどの手がかりを作っておく。ドアから離れる前に、アイロンの電源を切ることを憶えるのと同じである。反復して練習すること。人の名前を覚えるのを助けるために、いくらか会話をする前に誘導するようにする。

No.5: マイペースで行うこと。通常老化は脳を変化させ、新しい情報の処理に、ほんの少し時間がかかる。気にするほど忘れっぽいわけではないかもしれない。ペースを落として、手元の仕事に完全に注意を向けること。

No.6: リラックスすることを学ぶこと。ストレスと心配は集中を妨げるので、本当にリラックスすることは大切である。

No.7: 積極的な態度を保つこと。それは、あなたをより注意深くするのを助けるだろう。楽天主義の人々が、悲観的な人々より早死にするリスクが50%少ないという研究結果がある。

No.8: 医師に話すこと。加齢や遺伝で、薬物を服用したり、視力や聴力が衰えたり、ビタミン不足、疲労、うつ、ストレス、病気になったりするが、記憶の問題には関係ない要素である。

No.9: 何が正常であるかを知ること。血圧やコレステロール値、血糖値を知ること。甲状腺が正常に機能していることを確かめること。これらの検査は簡単で、あなたの体内で何が起こっていることか知るのに良い指針となる。血圧をずっと測り、喫煙しない高齢者は、卒中のリスクが減る。

No.10: 正しい観点をもつこと。自分の車の屋根の上にコーヒーカップを置き忘れて運転するのはあなただけではない。それはただ起こるのだ。そのことがそれほど頻繁に起きると感じないなら、関連づけないこと。
(Daily Herald - 8月30日)

中には突っ込みたくなるような内容もある。
また、わかっていてもできないようなこともあるが、
深刻にならず、ほどほどに楽しく過ごしていればいいのだろうと思う。
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高血圧でアスピリン服用は夜がいい?

夜にアスピリンを服用すると、朝服用するよりも、血圧が下がるかもしれないということが、最新の研究でわかった。

そういったたぐいの最初の研究結果であるが、さらに研究を重ねてチェックする必要がある。

この研究はスペインで行われた。研究者には、Ramon HermidaというVigo大学の博士も含まれている。この報告は雑誌the American College of Cardiologyに掲載されている。

アスピリンのスケジュール

Hermida氏の研究には、328人のマイルドで未治療のステージ1の高血圧の人が含まれた。ステージ1の高血圧は、収縮期(上の血圧)が140-159で、拡張期(下の血圧)が、99〜99と定義されている。

患者の平均年齢はおよそ44歳だった。

患者は皆、薬なしで血圧を下げることに関するアドバイスを受けた。それには食事療法も含まれる。彼らは3つのグループに分けられた。

1つのグループ(169人)は、アスピリンを投与されなかった。2番目のグループ(77人)は、毎朝100mgのアスピリンを服用した。3番目のグループ(82人)は、夜、同じ量のアスピリンを服用した。

すべての患者は、24時間ずっと血圧をモニターする装置を身につけていた。血圧は、昼間は20分毎、夜は30分毎に、自動的に記録された。

研究の結果

3カ月後の結果:

# 夜にアスピリン: 血圧が大幅にダウン
# 朝にアスピリン: わずかに高い血圧
# アスピリンなし: わずかに低い血圧

この結果は、最も大きく血圧が変化したのは、夜アスピリンを服用した患者だったことを示している。

血圧はどれだけ低下したか?:

# 収縮期血圧(上の血圧): 6.8ダウン
# 拡張期血圧(下の血圧): 1.6のダウン

50歳以上の人で、最高血圧が140以上だと、心臓病の重要な危険因子である。

夜アスピリンを服用した10人のうちの約9人が、血圧が下がったことが分かった。

研究者によると、なぜ時間によって違うのかは明らかではないという。このことに関して、さらに研究を行う価値があると記している。

2つ目の意見

この結果は「驚異的で考えさせられ」血圧の治療に対する潜在的含意が「最も重要である」と、心臓病学会員のFranz Messerli, MDは、雑誌の社説に書いている。

Messerli氏、彼はニューヨーク州のSt. Luke's Roosevelt Hospital Centerで働いているが、さらに研究が必要だということに「心から同意する」と記している。

しかし、彼は夜にアスピリンをのむと高血圧が緩和されるという考えだけにとらわれているわけではない。

夜に服用する低用量のアスピリンが、高血圧には良いと勧める前
に、多くの問題に対して答えを出す必要があると、Messerli氏は述べる。

彼は、「この結果と同じくらい刺激的ですが、それらは単独のソースだけから、発しています」と、結果を解釈する際に「非常に慎重に」なることを求めると書いている。

血圧を改善する

科学者はアスピリンの夜の服用の話題に取り組んでいる間、あなた方がたった今高血圧を治療するための方法がある。

努力をするのに、もっともな理由がある。高血圧は心臓発作や卒中、腎不全になるリスクを高めるのだ。

米心臓病協会(AHA)によると、3人のうち約1人のアメリカの成人は高血圧で、彼らの3分の1の人は、自分が高血圧だということを知らないという。

より良い血圧のための10のステップ

AHAは、より良い血圧のために、これらのチップを提供する:

1.血圧をチェックしてもらう。知識は強力な第一歩である。
高血圧はあなたに病気であると感じさせない; それは静かな殺人者と呼ばれる。

2.医師にアドバイスをもらう。あなたの医師は、どういった戦略が血圧の問題に最も役に立つか決定する手助けをしてくれる。

3.禁煙すること。喫煙はあなたの心臓の問題や卒中、そして他の健康上の問題のリスクを上げる。いろいろ試してやめること。がんばれば、サポートを得ることができる。

4.より活動的になる。活動していないなら、まず、あなたの医師にチェックしてもらう。

5.健康的に食べる。塩分を減らせば、助けになる。健康によい食事として、果実や野菜、低脂肪もしくは無脂肪乳製品を摂取すること。

6.必要なら、服薬する。血圧の薬が必要かどうか受診する。

7.余分な体重を減らす。余分な体重を落とせば、血圧は向上するかもしれない。

8.あまりたくさんのアルコールを飲まない。AHAは、アルコールを1日当たり1〜2杯までに制限するよう提案している。

9.ストレスを管理する。自分の心臓と血管がゆったりするのを助けるだろう。

10.自分の薬物療法についてあなたの医師と話す。いくつかの薬物療法が血圧に効果をもたらすだろう。

SOURCES: Hermida, R. Journal of the American College of Cardiology, Sept. 20, 2005; vol 46: pp 975-983. Messerli, F. Journal of the American College of Cardiology, Sept. 20, 2005; vol 46: pp 984-985. American Heart Association: "High Blood Pressure." American Heart Association: "High Blood Pressure: Control Your Risk Factors." News release, American College of Cardiology.
(WebMD Medical News - 9月15日)

アスピリンには、血液が固まるのを防ぐ作用もあるので、
夜の服用の方がやや効果がみられるのかなとも思うが、どうだろうか。
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ヘルス・チップ:咳の止め方

風邪やインフルエンザに罹ったあと、しつこい咳が残っていませんか?次のペンシルバニア州のLehigh University Health Centerからの秘訣を使って咳をなだめてみてください:

・クリアな飲み物を大量に飲む。
・蒸気を吸入する。蒸気に満たされた浴室の中で座るか、または吸入器を使用する。
・必要に応じて、はちみつとレモンを混ぜたものを小さじ1杯飲む。
・咳をコントロールしやすくするために、頭の下に2個以上の枕を置いて休む。

数日後もまだ咳が出るなら、医師の診察を受けてください。
(Health Day - 9月7日)

ここでいう咳とは、おそらく空咳のような状態ではないかと思う。
クリアな飲み物というのは、たぶん水であろう。
電解質の入った、いわゆるスポーツドリンクのようなものは、
糖分が多いので大量に飲むとかえって身体に悪いと思われる。

喉を乾燥させないようにするのがポイントのようだ。

枕を高くすると、たしかに咳が緩和されて呼吸も楽になる。

とはいえ、咳といってもいろいろな原因が考えられるので、
長く続くようなら、そのうちに良くなるだろうとあまり我慢せずに、
医師の診察を受けるのが望ましい。
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コレステロールの作用

最新の研究で、ヒトの健康におけるコレステロールの危険な作用の詳細が明らかにされた。

ミシガン州立大学の研究者たちは、血流にのって材料が到達した動脈壁でコレステロールができ、結晶して固体になり、広がって破裂することがわかった。

その一連の出来事は、肉体の本来持つ凝固過程に弾みをつけ、本質的に動脈を止めると、George Abela氏は説明した。彼は主任研究者であり、大学の薬学部教授で、心臓学部のチーフでもある。

Abela氏はコレステロールの結晶化を、冷凍庫に水の入ったペットボトルを入れることに例えた。凍った水は膨張して、ボトルから飛び出そうと圧力がかかり、ボトル全体を壊す。

「これは本当に、コレステロールの調節がいかに重要であるかという本来あるべき場所に戻します」と、Abelaは準備された声明で発表した。

研究結果はClinical Cardiologyの9月号に掲載されている。
(HealthDay - 9月12日)
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葉酸とビタミンB群は心臓発作の再発のリスクを高めるかもしれない

心臓発作から生還した人にビタミンB群を投与するのは、再発のリスクを減らさないばかりか、恩恵を受けるよりもむしろ実際には害になるかもしれないという結果が、先日報告された。

葉酸やビタミンB6が、血中のホモシステインを呼ばれる物質の量を減らすことによって心臓病を予防することができると論じていた医者たちのようなビタミン支持者を困惑させる結果となった。

心臓病学議会のEuropean Societyで紹介された、3,700人以上の患者における研究では、ビタミンB群を大量に摂取することが悪いニュースとなるかもしれないという結果が出た

葉酸やビタミンB6を単独で取った人では、循環器系疾患のリスクが統計的にほんの少しだけ増加したが、両方とも摂取した人は、それらのリスクが20%も跳ね上がった。

ノルウェーのTromso大学のKaare Harald Bonaa教授は、3年の治験で、ビタミンがホモシステインの量を約30%減少させたと話したが、このことは心臓病のリスクを低下したという解釈ではなかった。

「ホモシステイン仮説は死んでいます」と、彼はレポーターに話した。

ホモシステインというアミノ酸は、体内でたんぱく質に富む食品を代謝するときに産生される。高濃度のホモシステインは血管壁を損傷すると考えられている。

「この治験の結果は重要です。というのは、ビタミンB群を大量に処方しても、心臓病や卒中を予防しないということを医師に知らせるからです。ビタミンB群は、ビタミンB群が欠乏している患者にのみ処方されるべきです」と、Bonaa氏は話す。
(ロイター - ストックホルム - 9月5日)

サプリメントも気をつけてとらないと
かえって害になることがあるということかもしれない。
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鍼治療は、胸やけの症状を除去する

最近の研究で、鍼治療で胸やけを治療することができることがわかった。

アデレード大学助教授のRichard Holloway氏と中国人医師は、胃酸の流れを制御する胃のバルブを、代替医療によって制御できるという。

Holloway博士は、人口の約30%の人が1週間に少なくとも2回は胸やけに苦しむと話す。

「それは非常に一般的な問題です。多くの患者では、それほど厄介ではありませんが、おそらく人口の10〜15%の人では、何らかの医療を受けるのに充分厄介なんです」と、彼は言う。
(ABC News Onlineオーストラリア - 9月5日)

オーストラリアでも鍼治療が認められてきたということかな。
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ドパミン作動薬で異常な眠気の可能性

パーキンソン病を治療するのに使用されるドパミン作動薬と呼ばれる薬物は、患者5人のうちおよそ1人にとって、突然の制御不能な眠気の引き金となるかもしれない。

ドパミン作動薬で治療されているパーキンソン病の人々に、この副作用が起こると以前から報告されていた。「その性質やひどさ、頻度に関する議論が続いています」と、Archives of Neurologyで報告した。

ボストンの、Harvard Medical Schoolの、Jerry Avorn博士らは、パーキンソン病の薬を服用している929人の患者について、突然の制御不能な眠気が起こるリスクを定量化した。

被験者は平均66.7歳で、白人と男性が圧倒的だった。彼らは6カ月前に、薬物療法の使用や、副作用などの問題があったか、そして症状についての問診を受けた。主治医は診療歴や薬物療法についての記録を完了した。

大部分(91%)の患者はレボドパを単独で、もしくは別の薬物と組み合わせて使用した。39%の患者はMirapex(pramipexole)を単独で、あるいは別の薬と組み合わせて使用し、18%の人はRequip(ropinirole)を単独で、あるいは別のものと組み合わせてを使用した。

被験者の22%が制御不能な眠気が起きたと報告した。少なくとも1回起きたという206人のうち、34%は1〜4回、37%には26回以上(しばしば)起きたと報告された。12%の患者は毎日眠くなると報告した。

合計124人の患者が影響を受け、ひどい眠気を体験しているとして分類された。

研究チームは、ドパミン作動薬で治療を行っている患者が、他のパーキンソン病の薬の使用者に比べて、突然制御不能な眠気の起きる体験が3倍近く多いことがわかった。

新しいドーパミン作動薬は、初期の治療に使用されるレボドパと比較すると、動作の問題の発生が少なくなるということが示されている。「この点で重要な利点を引き起こすかもしれない」と、Avorn氏のチームは書いている。

「しかしながら、これらの調査結果は、臨床的に重要で、制御不能な眠気の原因となる能力を増加することを示し、どの患者さんに対しても治療法を評価する際に考える必要があることを示します。」と、注意を促す。
(ロイター - 8月24日)

この報告は、アメリカのものなので、薬も日本のとは異なるものの、
プラミペキソールは「ビ・シフロール」という商品名で発売されており、
この添付文書にも副作用として掲載されている。
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ヘルペスがリウマチ性関節炎に関与しているかもしれない

スペインの研究によると、ヘルペスウイルスが、リウマチ性関節炎(RA)に関係していることがわかった。しかし、そのウイルスがどんな役割をしているのかははっきりしない。

それにもかかわらず、研究者は、RA患者のヘルペス・ウイルスのDNAレベルを観察する価値があると考える。ウイルス性の隆起がRAの悪化と相互関係があるかどうかを知るのに役立つと、彼らは付け加えた。

この研究では、約60人のRAの人と、75人の健康な人から得た末梢血単核細胞(PBMC)や血清のサンプルに含まれる、様々なヘルペス・ウイルスのレベルを評価した。

PBMCのサンプルの分析で、エプシュタイン-バールウイルスDNAがRA患者で、健康な人よりもよく見られ、高いレベルに達していることが明らかになった。同様に、ヒトヘルペス・ウイルス6型として知られる、もう1つのヘルペス・ウイルスも得られた。

ウイルス感染がRAの発症に関与しているのではないかと、長い間疑われていると、マドリードのClinico San Carlos病院の、B. Fernandez-Guitierrez博士らは、Annals of the Rheumatic Diseasesの最新号で述べている。

彼らはこう記している。RAの患者で発見された細胞性免疫の欠損のために、健康な人よりも、これらのウイルスの量が多くなるかもしれないと。また、RAはこれらのウイルスに感染しやすくしたり、ウイルスを復活させうる。

「RAにおける、これらのヘルペス・ウイルスとの関連の可能性はさらに調査するべきです」と結論づける。
(ロイター - 8月17日)

訳の中で、どうしてもわからなかったところがある。
2段落目のところに「ウイルス性の隆起」と一応訳してみたのだけれど、
実際には何のことなのかわからなかった。
リウマチの腫れのことのようには思えないので、
間違っているかもしれない。
原文では、"bumps in the viral load"となっているので、
直訳すると、ますます「??」になってしまう。
わかる人よろしく。

ヘルペス・ウイルス6型といえば、疲れとセロトニンのところでも出てきた。
ウイルス感染だけでなく、
疲れやストレスが少しは関与しているとすれば、納得できるような気もする。
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骨の健康ニュース

カルシウムが、強い骨を造るのを助けることは広く知られている。 しかし、タフツ大学Health&Nutrition Letterによると、鉄は骨の健康に関して、もう1つの重要な栄養素である。鉄は、コラーゲンと呼ばれる骨に不可欠の成分をつくるのを助ける。

800〜1200mgのカルシウムを摂取したとき、鉄は、骨の形成に効果を発揮する。

更年期の女性に対する最近の研究によると、適量のカルシウムと一緒に、鉄を1日あたりおよそ18mgを摂取した場合に、最もすばらしい骨密度を持っていたことがわかった。(HealthDayNews - 8月24日)

あと、マグネシウムやビタミンDなんかも必要かと。
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心配ごとは受け止めること

スウェーデンにおける成人に関する研究によると、自分たちが神経質であるか、または心配しているという男女は、落ち着いた人よりも、自殺未遂で入院する傾向があるという。

「医療従事者は、診断手順において、患者の心配に注意を向けるべきです。特に男性には。心配の自覚があると、死を早まらないか、罹病するかが事前にわかります」と、ストックホルムのSwedish National Board of Health and Welfareの論文の共著者Mans Rosen博士は、Reuters Healthに話した。

national survey of living conditionsという調査によると、スウェーデンでは、神経質になったり、不安や心配があると報告されている人々の割合が、1988年から1989年に12%だったのが、2001年から2002年で22%に急増した。

Rosen氏によると、「私たちは、心配の普及が、スウェーデンのように他国で同じくらいにまで増加したかどうかはわかりません。しかし、もしそうであるなら、このことは、より厳しく、よりストレスの多い要求が、将来、市民にさらに重大な健康上の問題を作り出すかもしれないということを示す、社会に対する警告です」
前の研究では、自己申告した心理状態が、その人の死のリスクや病気を予測するということを示している。

Rosen氏と共著者Gunilla Ringback Weitoft博士は、1980〜1981年、1988〜1989年、1995〜1996年に行われた国の調査に参加した計3万4511人の16〜74歳までの男女からの調査回答を分析した。

女性のおよそ14%は、神経質になったり心配したり、不安になったりということに関する「軽い」問題を経験していると報告し、4%近くは、問題が比較的「厳しい」という。男性では、7%が「軽い」、2%が「厳しい」とそれぞれ報告した。

要するに、神経質になったり心配したり、不安になったりといった経験が報告された人は、後に自殺未遂や精神科の疾患になるリスクが増加したと、雑誌Epidemiology and Community Healthに報告している。

心配や不安に関して厳しい問題を報告した男性は、研究者らがどんな長患いを考慮に入れても、そのような問題に影響されず、9倍以上の人が自殺未遂で入院した。同様にひどい神経質の状態や不安、心配を伴う女性では、自殺未遂のリスクが3倍に増加した。

時間が経つにつれ、特に男性では、自殺未遂の危険はさらに強くなり、10年の追跡調査で、神経質の状態や心配から、自殺未遂をする危険性が15倍増加した。

事実、男性の神経質の状態や心配の問題がひどいと、5年か10年の時間枠において、喫煙や長患いよりも、死の危険を強く予測したと、研究者は述べた。

しかしながら、女性では、否定的な感情よりもむしろ長患いが、自殺未遂のリスクを最も増加させた要素だった。

さらに調査結果の観点から、Rosen氏は言う: 「親族や友人または仕事仲間に、しばしば神経質の状態や心配を感じている人がありましたら、真剣に彼らの心配を受け止めて、ある場合は、さらなる調査のために医療機関に連絡するように彼らに勧めるべきです。」(ロイター - 8月22日)

こういうところにも男女差があるようです。
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匂いは口からも

鼻からの匂いと、口からの匂いは、脳の中の違う領域で認識されるらしいと、今週のニューロンという雑誌で報告された。

米国のエール大学のチームと、ドイツのドレスデン大学のチームによる研究である。まず、チョコレートの匂いが、鼻から通したとき(orthonasal)と、口から通したとき(retoronasal)で、脳の異なる領域が活性化することがわかった。

食物の匂いは、同時に口と鼻から入ってくるが、食物でないものは、通常鼻から入ってくる。そのため、食物とそうでないものとで、脳に伝わる経路が異なる可能性があるとした。

そこで4種類の香りで実験を行った。
チョコレート、ラベンダー、ブタノール、ファルネソールを用いた。ブタノールとファルネソールは、化学物質である。ブタノールは水溶性、ファルネソールは脂溶性で、嗅覚システムがこれらの匂い分子を区別するかどうか調べた。

ブタノールとファルネソールに関しては、鼻を通したときも、口を通したときも、特に脳の反応に違いはみられなかった。このことは、匂い分子の特定の性質の影響を受けないことを示す。

チョコレートに関しては、際立った影響が見られ、脳の異なった領域を活性化した。それに対して、ラベンダーでは異なった領域を活性化したものの、それほど大きなものではなかった。食べるということが、脳に大きく影響を与えたものであるとした。

この研究では、食物としてチョコレート1種類のみでしか行わなかったので、他の食物でも同じような結果が出るかどうか調べる必要があるとしている。(HealthDay - 8月19日)

今回は思い切り要約した。
匂いを嗅ぐという行為が、鼻からだけでなく、
口からも、というのがおもしろいと思った。
また脳における匂いの認識が、
鼻からか口からかという匂いのルートによって、
異なる領域で行われているというのが、不思議なメカニズムである。
わざわざ異なる場所で、というのは、何か意味があるのかもしれない。
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グレープフルーツと薬の相互作用に注意

血圧の薬で、カルシウム拮抗薬(アダラートなど)を服用している人は、
グレープフルーツジュースを飲まないようにと指導を受ける。
これは、グレープフルーツに含まれるフラボノイド(ナリンジンとも言われるが、
他にも可能性を指摘されているものがあり定かではないらしい)
ヒトの肝臓に存在する「チトクロームP450」という酵素の働きを
阻害するためである。
チトクロームP450は薬物を代謝する酵素で、
これが阻害された状態で、この代謝を受ける薬物をのむと、
代謝を受けなくなってしまう。
すると、血液中の薬物濃度がいつまでも下がらないばかりか、
有効な濃度を超えてしまう場合が生じ、副作用が強く出てしまう。
薬物の血中濃度は高すぎても低すぎてもいけない。
このカルシウム拮抗薬の場合だと、
血圧が下がりすぎてしまうことになる。

最初にグレープフルーツジュースと書いたが、
昔は果皮の白い部分に含まれているものが阻害するらしいということで
ジュースを作る際に、どうしてもこの部分が混入してしまうため、
ジュースを飲まないようにと説明していた。
しかし最近では、どうやらグレープフルーツそのものも
だめということになったらしい。

このグレープフルーツに関する記事を新聞で見つけた。

グレープフルーツの薬物代謝阻害作用は数日間続くと、スイスのウィンターツール病院の薬剤師であるフリードリヒ・メル博士が「心身医学および心理社会学生涯教育シンポジウム」で報告した。

特に、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系の高脂血症治療薬=メバロチンなど)の代謝に大きな影響を及ぼすため、グレープフルーツを多めに取ると、薬物の血中濃度は12倍にも上昇することがある。


グレープフルーツは、葉酸がたくさん含まれているので、
体にはとても良いのだが、
こういった薬をずっと服用している人は、要注意である。
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高血圧につながる鎮痛薬

 医薬品と高血圧の間に関係があることを示す新しい研究結果から、タイレノールのような鎮痛剤を毎日服用する女性は、血圧を測るべきであると、医師は言う。

 「薬店で購入した薬を、定期的に高用量服用する人は、医師にそのことを伝え、血圧を必ずチェックしてもらってください」と、ヒューストンのMethodist DeBakey Heart Centerで心臓内科医をしているChristie Ballantyne博士は話す。

 薬店で扱っている多くのポピュラーな鎮痛剤が、以前より高血圧との関係がいわれているが、タイレノールとして売られているアセトアミノフェンは一般に、比較的そういったリスクがないとされてきた。

 それは、非ステロイド抗炎症剤NSAIDs(連邦政府が心臓に関連する問題が起きるというリスクのために、より厳しい警告の表示が要求されたもの)ではない唯一のものである。イブプロフェンやナプロキセンも含まれる。多くが処方薬に関して問題が起きてから、それらの鎮痛薬に変更された。

 しかし、新しい研究によって、タイレノールを服用する女性が血圧の問題をおよそ2倍多く発生したことがわかった。そのリスクは、アスピリン以外のNSAIDsを服用する女性で高くなることもわかった。

 研究によって、アスピリンがまだ最も安全な鎮痛薬であることがわかった。アスピリンは、長い間心血管障害のリスクを減少させることが知られていたため、NSAIDsに対して、より厳しい表示をするようにというような政府が出している条件に含まれていない。

 研究はボストンのHarvard Medical School、Brigham and Women's HospitalでNurses Health Studyに参加する5,123人の女性に行われた。研究を始めたときは、誰も高血圧ではなかった。

 結果は月曜日に、American Heart Associationの雑誌Hypertensionのオンライン版で発表された。

 研究によって、34〜77歳の女性が、1日平均、アセトアミノフェン(タイレノール)を500mg以上服用すると、およそ3年以内に高血圧を発症するリスクが約2倍になることがわかった。

 51〜77歳の女性が、NSAIDs(イブプロフェン)を1日400mg以上服用すると、服薬しなかった人よりも高血圧になるリスクが78%高かった。34〜53歳の人は、60%リスクが高くなった。

 「私たちは、慢性の痛みを抱えている女性に、痛みの治療を受けないようにと言っているわけではありません。これらの薬剤に関するリスクを指摘することによって、患者や臨床医は、より多くの情報から選択することができるのです」と、ボストンのBrigham and Women's Hospitalで医師をしている、Harvard Medical SchoolのJohn Phillip Forman博士は、メールで語った。

 これらの薬物が血圧の問題につながるという前回の研究では、投与量を調べなかった。

 この研究では、頭痛薬を服用していた女性や、それ自身が非常に高い血圧になるようなものは除いたが、こういう結果になったと、Harvard Medical Schoolの、もう1人の研究者でもあるGary Curhan博士は話す。

 アスピリンがリスクを高めなかった理由に関して、「アスピリンは、血管においてNSAIDsやアセトアミノフェンとは異なる作用をしているからだろう」と、ジャクソンのUniversity of Mississippi Medical Centerで薬学部長をしているDaniel Jones博士は言う。

そういえば、ずっと血圧が低かったはずなのに、
一時期、高血圧を指摘されたことがあるが、
このせいだったのかも・・?
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脳のオピオイド受容体が過食症治療の鍵を握る

 Society of Nuclear(細胞核) Medicine(医学)によると、脳のオピオイド受容体システム(もしくはエンドルフィンシステム)の役割は、過食症の理解や治療の鍵を握っているかもしれない。このことが、the Journal of Nuclear MedicineのSociety of Nuclear Medicine8月号で報告された。

 「この中毒性の行動障害を、オピオイドシステムとの関連で説明できるかもしれません」と、メリーランド州バルチモアにあるJohns Hopkins School of Medicineの精神医学の助教授であるAngela Guarda, M.D.は話す。

 神経性過食症におけるオピオイドシステムの研究で、まず考えたのは、過食症の女性と健康な女性とでは異なるだろう、ということであると、ジョン・ホプキンズでの放射線学と神経科学のM.D.でありPh.D.であり、教授でもあるJ.James Frost氏は付け加えた。彼は「島皮質に結合するi-オピオイド受容体は、神経性過食症で減少して、反対に拒食とも関連する」の共著者でもある。

 研究では、過食症の8人の女性を、同じ年齢と同じ体重の健康な女性と比較した。短時間作用型の放射性物質のcarfentanilを注射してから、陽電子放射断層撮影装置(PET)を使って、脳をスキャンした。このcarfentanilは、脳のμオピオイド受容体に結合するものであると、Frost氏は説明する。PETは、特別な画像システムを体内に挿入せずに使用する強力な医療画像処理をするもので、体の細胞の機能や代謝を画像にする放射性トレーサーである。

「過食症の女性において、結合するμオピオイド受容体が健康な女性よりも、左の島皮質では低いことがわかりました。食べようとしたり、満足したりするのと同様に、島皮質は味覚の処理にも関係していて、薬物中毒やギャンブルなどの、他の依存性の行動障害の研究にもつながりました」と、彼は述べた。

 神経性過食症は、体重をコントロールするために、ダイエットや、やけ食いや嘔吐を繰り返す破壊的なパターンによって生じた、重大な摂食障害である。
 「患者は、代償である、この行動パターンの罠にかかっていると感じるのです。そして、薬物乱用のように、過食症はしばしば慢性化したり再発したりします」と、Guarda氏は話す。

 神経性過食症(一般的に女性では、男性より10倍以上)は合衆国で思春期の少女や若い女性の1〜2パーセントでみられる。 過食症は、慢性化して、発作や不整脈、歯の浸食、唾液腺が膨れたり、胃腸の刺激感、電解質不均衡といった重大な健康上の問題につながる。まれに致命的となることもある。 神経性過食症の原因はまだ未知であるが、ある脳内物質が、過食症患者において異常に機能するかもしれないという結果が示された。
この研究は、これまでよりもさらに効果的な治療の開発のために、分子レベルに目標を置いている。フロスト氏は、脳のオピオイド受容体システムに作用する薬物療法や、薬物乱用障害の治療へのアプローチが、過食症の治療にも役立つかもしれないとした。(8月10日)
http://www.rxpgnews.com/research/psychiatry/article_2015.shtml

過食症は、食欲の有無に関わらず、
いくらでも食べてしまう病気である。
食べてはもどし、また食べるという。
そうせざるを得なくなるような依存性を引き起こす仕組みが、
薬物中毒などと似ているということのようだ。

オピオイドというのは、麻薬性鎮痛薬のことで、
脳内麻薬として、エンドルフィンなどがよく知られている。

アルコール依存症の人のための有名なプログラムとして
「A.A.12のステップ」がある。
内容はスピリチュアルなものとなっているものの、宗教は関係ない。
A.A.というのは、Alcoholics Anonymousの略であるが、
アルコールのみならず、薬物依存症など、
何かに依存するような状態から脱却するために
役立つステップといわれている。

これに関しては、検索してみるといろいろ出てくるので、そちらを参照されたい。
日本国内でも行われているようなので、
こういうのを利用するのも良いかもしれないが、
この自助グループは、A.A.とつく以上、
残念ながらアルコール依存症のみしか受け付けていないようだ。
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病気とうつの研究が進行中

うつの症状が、別の病気からも引き起こされやすいということは、
以前からも知られていた。
そのことに関して、
専門分野を越えた研究が進んでいるというニュースがあったので、
取り上げてみたいと思う。

けっこう長文で、どう訳していいかわからない箇所も多々あり、
間違っているところもあるかもしれない。
また思い切って省略した部分もある一方で、
くどくどとかえってわかりにくい部分もあるかもしれないが、ご容赦を。
原則、人名と所属機関は原文のままにしている。
 インフルエンザに罹ったら、自分の周りで起こっていることには全く興味が湧かなくなる。食べることや飲むこと、フランスのボルドーワインですらどうでもよくなる、とRobert Dantzer氏は話す。

 Dantzer氏は、フランスのボルドー出身の科学者で、イリノイ大学の教授であるKeith Kelley氏と共同で、病気が肉体を悪化させるだけでなく、心までも落ち込むのはなぜか、という研究を行っている。

 がん患者のケースにおいて、うつの症状は臨床的に非常に重く、自殺の段階にまで達するほどである。

 うつは、冠状動脈性の心臓病や、糖尿病といった慢性的な病気を持つ人々に起こっている問題であり、みんなが年をとるのと同じように潜在的な問題でもある。

 さらに、その状況は、病気が良くなるのを一層難しくしている。うつが肉体の防御機能を低下させることが、研究で明らかになった。

 Dantzer氏とKelley氏によると、免疫システムや脳の伝達を使った方法で行われた。Dantzer氏は、ボルドーのthe French National Institute for Scientific Researchでthe Laboratory of Integrative Neurobiologyのディレクターで、Kelley氏は、 a UI animal sciencesの教授かつ、免疫システムのエキスパートであるが、彼らは共に25年間研究してきた。

 これまで免疫システムと脳は分けて研究されてきた、とKelley氏は語る。しかしUIの研究者Dantzer氏たちによる研究は、統合した新しいアプローチをしようと議論した、と彼は話す。

 「我々は免疫システムが脳にどのように伝わるのか知りたかったんだ」とDantzer氏は言った。

 その計画はDantzer氏に新しいIntegrated Immunology(統合された免疫学)やBehavior(行動)プログラムをコーディネートして、UIにもたらすことだった。彼はすでにthe UI Animal Sciences Department付属の教授となり、その分野でのパイオニアでもあった。そのプログラムは、UI大学の薬物や農業、消費者や環境科学が合わさって効果がもたらされる。

 免疫学や心理学、病理生物学(?)など大学じゅうの関連する分野でのエキスパートや研究者たちが現在、免疫システムや脳において、私たちが年を取るのと同じように、訓練がどう影響するかというようなことを調べて、UIは、基本的に新しい科学の分野がどういったものかということを開拓するのに良い位置にいる、とKelleyは話す。(この辺の訳、自信ないです)
 
 彼やUIの研究者たちはすでに、進行中のさまざまなプロジェクトに、the National Institutes of Healthから1億ドル以上もの基金を交付されている。

 肉体の免疫システムや脳が一緒に、分子レベルで働く仕組みや、どのようにしてうつの状態に導かれるのかを知ることで、その問題に取り組み新しい治療法を見つけ出すことができる。

 免疫療法を受ける悪性メラノーマのがん患者の研究において、DanzterやKelleyら研究者たちは、うつの状態が通常、病気そのものであるとされてきたが、本当は病気そのものと、病気の治療の段階の両方によって、うつの状態になるということを発見した。

 そのような患者の3分の1は、重いうつ病に罹り、ある者は自滅的になり、治療をやめてしまう、とKelleyとDantzerは話す。

 免疫治療は、エイズやC型肝炎の患者の治療にも使われるが、体の免疫システムを始動させる化学物質であるサイトカインの注射をする。

 サイトカインは、体が脳に感染を伝えるものであり、脳が体に休息を取り、防御することに集中するように伝えるものでもある。炎症のメカニズムでは、創傷や火傷の際に、その表面で見られるような反応をするが、そういったプロセスをとる。

 同様に、糖尿病や肥満といった状態が続くと、炎症は慢性的になる。例えば、家畜が病気だと、動物の成長や、肉や牛乳、卵のような商品の生産が減少するのと同じようなことである。

 しかしサイトカインには欠点がある。うつの状態を和らげるセロトニンを枯渇させるのだ。

 UIの研究者たちは、標準的な抗うつ剤が、それをいかに相殺するかを調べるとともに、炎症を抑える化学物質である抗酸化物質の試験や、ほうれん草やブルーベリーといった多くの食物、そして緑茶や赤ワインなどの飲み物から発見される化学物質の試験を行っている。(THE NEWS-GAZETTE-7月29日)

http://www.news-gazette.com/localnews/story.cfm?Number=18686

炎症とうつの症状がつながっているというのが、とても興味深い。
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うつ関連で新しい物質発見らしい

アメリカのハーバード・メディカル・スクールで、
うつ病に関する新しい物質「Par-4」が発見されたという。
これは、「prostate apoptosis response 4」の略で、
prostateは前立腺、apoptosisはアポトーシス(細胞の自殺)を意味する。
原文は下記URLへ。
http://www.rxpgnews.com/research/psychiatry/depression/article_1953.shtml
貧弱な私の英語力で、大まかに訳してみる。
一部、日本の事情に合わせて変更したりした部分がある。
また、つたない訳のため、不自然な表現になっているかもしれない。
 発見したのは、ハーバード・メディカル・スクール(HMS)の病理学のLi-Huei Tsai教授や、Sang Ki Parkら研究者たちで、マウスを用いて実験を行った。
Par-4はドパミン受容体D2に結合する物質であり、これを欠乏させたマウスにストレスを与えると、そのマウスは、うつ病の症状を呈したという。
Par-4は以前から、アルツハイマー病などにみられるような神経退化因子と関係があると言われてきたそうだ。

 うつ病の原因はさまざまであるが、セロトニンやノルアドレナリンのいずれか、あるいは両方の欠乏、もしくはアンバランスが根本的な原因だとして、それに基づいた治療が行われる。そのため、現在使われている薬は、セロトニンやノルアドレナリンの濃度を調節するSSRIやSNRIと言われるようなものが中心となっている。ところが、これらの薬は効果が出るまでには、ずいぶん時間がかかるのである。

 気分やモチベーションに関する回路は、ドパミンが支配している。大脳皮質の下にある線条体の、線条体ニューロンによって統合され、ドパミンの作用を受ける。
ドパミン受容体には5つのサブタイプがあって、その受容体にドパミンが結合することによって、原動力を発揮させたり、ステレオタイプ(型にはまった)な態度、覚醒、気分、意欲、内分泌といった機能を発揮する。
中でもドパミンD2受容体の機能が減弱すると、統合失調症や薬物中毒を含む、さまざまな精神神経科の病気につながる。

 そのため、ドパミンD2受容体における調節の仕組みが詳しくわかれば、それに関連するさまざまな病気を治療するための新しい治療につながるかもしれない。

ということである。
実際に治療薬として使えるようになるまでには、
まだずいぶんとかかるだろうが、画期的な発見らしい。
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エキナセアに風邪予防効果はないらしい

風邪の予防にいいとされてきたハーブのエキナセア。
これが実は効果がないという実験結果が、
ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに発表された。

http://content.nejm.org/cgi/content/short/353/4/341

乏しい英語力で大まかに訳してみる。
 超臨界(supercritical)二酸化炭素(何のことかわからないが)、60%エタノール、20%エタノールと3種類の溶媒で抽出したもので実験を行った。
 全部で437人の被験者に、この3種類のうちのどれか、あるいはプラセボ(偽=空試験)を、7日間服用後、ウイルスを用いて行う。もしくは、ウイルス曝露と同時に服用。
 うち399人の被験者は5日間隔離され、ライノウイルス・タイプ39を使って行われた。
 しかし、データからは特に効果が認められなかったという。

私も昔、エキナセアのサプリメントを試したことがあるが、
風邪をひいたので、やめた。
ついでながら、プロポリスも服用したことがあるが、
やはり風邪をひいた。

そして今よく飲むハーブティにエキナセアが入っている。
意識して、というよりは、
ただ単においしいからという理由なのだが、
これは湯で抽出したことになるのか。
とりあえず、これを飲むようになってからは、
風邪をひいてないような気がする。
たぶん、偶然だろうとは思うけれど。
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体内時計

今、体内時計についての本を読んでいる。

おもしろいなあと思ったのは、
朝型、夜型という生活のリズムが、
遺伝子の中に組み込まれているというものだった。
もちろん、自分のリズムを調整することは可能である。

これを読んで、自分がいかに夜型か納得できた。
どんなにがんばっても、
休日になるとたちまち夜型になってしまい、
週明けが本当につらかったのは、こういうわけだったのか。
おまけに、アメリカに行ったら、
そのまま朝型になると思っていたら、
そこでもたちまち夜型になってしまった。

ヒトには90分単位のサイクルがあるらしい。
睡眠の単位も90分で、
その間に、レム睡眠とノンレム睡眠が起きる。
レムは、rapid eye movementの略で、
その名の通り、まぶたの向こう側で眼球がしきりに動いている状態である。
この時に、ヒトは夢を見ている。
体は眠っているので、夢の中にいるように動いたりしない。
疲れがたまっていると、
この時に、いわゆる「金縛り」が起きることがある。
それに対して、ノンレム睡眠の間は、脳が休んでいる。
このレム睡眠とノンレム睡眠のセットで90分、
睡眠の最小単位となる。
そのため、睡眠時間が90分で割り切れるところで目覚めるのが、
最も目覚めが良いとされる。

他にも、90分ごとにお腹がすくらしい。
小腹がすいた、という状態がこれなのだろうか。

夜遅くまで起きていると、
なんとなく何か食べたくなって、夜食を、
ということは誰もが経験することだろう。
これは、この90分ごととは別に、
本来なら寝ているはずの間違った時間に起きているということで、
エネルギーが足りなくなるぞと、
脳が勝手に緊急事態の発令をしてしまうらしい。
脂肪や炭水化物の量が多いもの、
つまりポテトチップスなどのおやつを体が欲することとなる。
すぐにエネルギー源として必要なためだ。
ところが、消化器系にはかなり負担となる。

また冬にうつ状態になる、季節性感情障害の人の場合、
日が短くなるにつれて、
無性に炭水化物の多い食物が食べたくなるらしい。
そのため、どんどん太ってしまうのだそうだ。
しかし、春になり日が次第に長くなるにつれ、
元に戻っていくという。

女性の場合、生理前になると特定の食べ物が食べたくなるのは、
その時期に分泌される「プロゲステロン」という女性ホルモンのせいらしい。
特にチョコレートが食べたくなることが多いらしいが、
それは体が自己治療をしようとしているからだとか。
チョコレートには、幸福感を増し、軽い興奮作用がある一方で、
中に含まれるマグネシウムによる精神安定作用があるという。

体内時計と直接の関係はないと思うのだが、
ヒトの体はなんてうまくできているのだろうというものがあった。
サイトカインという物質、
免疫など、さまざまなところで登場するが、
感染によって熱を出す一方、
これが眠気を催すのだという。
そうすることによって回復を早めるのだろう。

他にもカフェインの効果的な摂り方や、
メラトニンの話もあって、
なかなか読み応えがある。
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活性酸素って・・・?

 老化の有力な原因の一つとされてきた「活性酸素」が、実は老化に関与していなかったとの研究結果を、東大食品工学研究室の染谷慎一特任教員らと米ウィスコンシン大、フロリダ大のチームがまとめた。
 チームはさらに、細胞内小器官「ミトコンドリア」にあるDNAの損傷蓄積が老化の一因となるメカニズムを解明。15日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 活性酸素は、体を酸化させ、遺伝子や細胞膜を傷付ける有害物質とされる。従来、活性酸素がミトコンドリアを攻撃して老化を促すと考えられていた。その働きを抑える抗酸化効果をうたった健康補助食品などが市場をにぎわせている。
 染谷特任教員は「マウスを使った実験で、活性酸素がミトコンドリアに障害を与えているとの見方が否定された。新たなメカニズム解明は、老化の抑制方法開発につながる」と話している。(共同通信) - 7月15日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050715-00000008-kyodo-soci

このニュースには驚いた。
これが事実だとすると、
長年ずっと信じていたことが覆されることになる。
これまで飲まれてきたサプリメントの立場は
どうなるのだろう?
そしてポリフェノールの立場は?

これまで勉強してきたことが
すべて否定されたような気分である。
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冷やしすぎは仕事にも影響

 暑い夏にオフィス内を冷房で冷やしすぎると、仕事の効率が大きく下がるとの研究結果を、米コーネル大学の教授が発表した。米紙USAトゥデイが5日、伝えた。
(中略)
 オフィスの室温を20〜25度程度に設定した場合、タイピングのミスは44%減少し、成果は150%向上。これは、従業員1人当たり、2ドル(約224円)の生産性が高まることと同じだという。
(中略)
 企業によっては、暑がりの人々と寒がりの人々がうまく共存できるよう、様々な仕組みを導入。あるニューヨークの会社では、寒
がりの人がある一定時間、冷房を切ってもらったら、暑がりの人に冷たい飲み物をプレゼントする方法をとっているという。
(CNN/Money)-7月7日
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200507070022.html

これはアメリカの記事だが、日本でも問題になりうるだろう。
ただアメリカの場合は、とにかく冷えすぎて寒いという印象が強い。
私はどちらかというと暑がりの方だと思う。
その私が根を上げたほどである。
幸い、カーディガンを持って行っていたので助かったが、
周りのアメリカ人は誰も寒そうな様子を見せていない。
そればかりか、ノースリーブの人も多く、見ているこちらが寒くなる。
そのため、この記事を見るまでは、
アメリカ人は温度に鈍感な人種だと思っていた。

でもよく考えると最近の日本も、冷えすぎているような気がする。
この記事では仕事の効率に焦点を当てているが、
健康面においても大いに問題だ。
このままだと、汗腺が退化してしまうかもしれない。
1日1回は汗をかこう、と言っていた、
学生時代の先生の言葉がなつかしく思い出される。
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セロトニン〜その3(フィードバックと再取り込み)

セロトニンに関連する薬物としては、
セロトニン受容体にくっついて作用するもの、あるいはくっつくのを遮断するものの他に、
セロトニンの再取り込みを阻害するものがある。

そもそもセロトニンは、トリプトファンから合成された後、
小胞というところに貯蔵される。
そして何らかの刺激が加わることによって
この小胞からセロトニンが出てくるのである。
これを「遊離する」という。
遊離したセロトニンは受容体にくっつこうとするわけだが、
受容体の数には限りがあるので
そのうちあぶれるセロトニンが出てくる。

あぶれたセロトニンは、2種類の経路によってバランスをとろうとする。

1.小胞に存在する受容体(シナプス前5-HT受容体)にくっつくことによって、
小胞からもうこれ以上セロトニンを遊離させないように働きかける。
これを「負のフィードバック」という。
このシナプス前5-HT受容体に、セロトニンがくっつかないように別の物質で遮断すると、
フィードバックがきかなくなり、セロトニンはどんどん遊離し続け、
最終的には小胞中に貯蔵されていたセロトニンはなくなってしまう。
これが「枯渇」である。
この代表的な薬が、レセルピンである。

2.神経終末に存在する選択的セロトニントランスポーターによって
セロトニンが小胞内へ戻される。
このことを「再取り込み」という。
いわばリサイクルである。
ここの経路を阻害する薬には2種類ある。
 ・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI
     (ミルナシプラン)
 ・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI
     (フルボキサミン、パロキセチン)


うつ病やパニック障害などに対しては、
このSNRIやSSRIの薬物が、現在の主流となっている。

これらの薬の効果の発現までに時間がかかる仕組みはまだよくわかっていないらしいが、
シナプス間隙(小胞と受容体の間)にセロトニンが増えることによって
フィードバック機能が働き、遊離を抑制してしまったりすることもあるようだ。
時間が経つにつれ、小胞にある受容体の脱感作で、
次第に遊離セロトニンが増えるということのようである。
他にも、セロトニン受容体の増加などが考えられているらしい。
いわば、人間本来のもっているホメオスタシスの機能が働くということかもしれない。
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セロトニン〜その2(セロトニン受容体)

セロトニンは、セロトニン受容体というところにくっつくことによって作用を発揮する。
セロトニンを鍵、受容体を鍵穴として、よく例えられるが、
この鍵と鍵穴がうまく合い、結合することによって作用が起きる。

セロトニン受容体には、いくつも種類があり、
どの受容体にくっつくかによって、その作用も異なってくる。
セロトニンのことを略して「5HT」と表すため、
受容体の名前は「5HT1」「5HT2」というように表し、
とりあえず5HT7まであるようだ。
さらに細かく分類され「5HT1A」と表される。

関連する薬のあるセロトニン受容体と、その存在場所、作用、
それに薬(一般名)について箇条書きにしてみると…

1.5HT1A受容体
 縫線核や海馬に存在する。
 体温や血圧の調節に関連
 これに作用する薬は抗不安薬として用いられる(タンドスピロン)

2.5HT1B受容体
 黒質、線条体や海馬台に存在する
 ドパミンや5HTの遊離を抑制
 これに作用する薬には片頭痛の薬がある(スマトリプタン)

3.5HT1D受容体
 脳血管や黒質、線条体に存在する
 血管を収縮させたり、伝達物質の遊離を抑制
 これに作用する薬には上記と同じく片頭痛の薬がある(スマトリプタン)

4.5HT2A受容体
 大脳皮質、線条体、平滑筋に存在する
 幻覚、痛覚、不安、認知、平滑筋収縮、血管凝集の作用
 これを遮断し統合失調症に有効な薬としてリタンセリン、リスペリドンがある

5.5HT2C受容体
 脳に多く存在する
 脳脊髄液産生の調節や拒食にも関連
 これを遮断し統合失調症に有効な薬としてリタンセリン、リスペリドンがある

6.5HT3受容体
 CTZ(化学受容器引き金帯)や腸管に存在する
 嘔吐、血圧・呼吸反射、不安、記憶に関連
 これを遮断し、抗がん剤治療における悪心・嘔吐に有効な薬
 (オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン)

以上のようになる。
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セロトニン〜その1

今日はセロトニンについて少し書いてみたいと思う。

セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から、
いくつかの過程を経てできる。
その過程で、ビタミンB6とマグネシウムも必要とのこと。
トリプトファンは、体内で合成されないため、食物から取らねばならない。
チーズ、バナナ、牛乳、卵黄、大豆(きなこ、豆腐、ゆば)なんかに多く含まれているそうである。
ちなみに、朝食にバナナと牛乳の組み合わせというのは、とてもいいそうだ。

セロトニンの働きはいくつかあるので大まかに説明すると…
まず、平滑筋を収縮させる。
平滑筋というのは、消化管、血管、気管支などの筋肉で、
これが収縮すると、消化管のぜん動運動が亢進し、胃酸の分泌が促進する。
血管の場合は少し複雑で、いったん血圧は下がる。
これはセロトニンがノルエピネフリンの遊離を抑制することにより拡張が起きる
ためである。その後、直接的な血管収縮作用などによっていったん血圧が上がり、
それから骨格筋や皮膚の血管が拡張して再び降圧する。
喘息の患者では、気管支収縮が起きることもある。

次に、末梢性で神経を介して、あるいは
中枢性ではCTZ(=chemoreceptor trigger zone)という
化学受容器引き金帯というところに作用して、
悪心・嘔吐を引き起こすことがある。
これは異物を飲み込んだりしたときに、それを体外に出す機能でもあるが、
抗がん剤の副作用でもある吐き気や嘔吐にも関連しているらしい。

そしてセロトニンはMAO(モノアミンオキシダーゼ)という酵素によって代謝され、
さらに代謝を受けて、5-ヒドロキシインドール酢酸になる。
一方で、脳内でのセロトニンは松果体というところで産生され、
いわゆる安らぎのホルモンとして作用することになるが、
さらに代謝を受けてメラトニンになる。
このメラトニンが睡眠のリズムに関連してくるようである。

抜けているところがあるかもしれないが、
セロトニンの働きとしては、大体こんなものだろうか。
循環器系については、私もよくわかっていないので突っ込まないでね。汗
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トレハロースで術後の臓器癒着を防止

私はまだ腹部手術の経験がないのだが、
手術の後、癒着が起きることが多いという話はよく聞く。
体験者の話によると、
癒着によって違和感を感じたり、ひきつるような痛みを感じることもあるらしい。

この癒着の原因を特に考えたこともなく、
臓器の表面の性質によるものだと漠然と思っていただけだったが、
手術中に臓器や組織から水分が失われ、
細胞が壊れることで起こる炎症反応が原因の一つとのこと。

よく食品にも添加されている「トレハロース」という糖類の水溶液を噴霧することで、
この癒着を防止できることが判明したという。
食品と同じように、臓器の乾燥も防止できたということのようである。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050704ik01.htm
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炎症悪化物質の発見

体内で起きる炎症の悪化に重要な役割を果たすたんぱく質を、
東京大大学院医学系研究科の研究チームが発見したという。
このたんぱく質に「フロント」という名前をつけたそうだ。
「フロント」が働かないと、体内での一連の炎症反応も続かないとのことで、
この働きを抑えれば、炎症が原因で起きる病気の治療への応用ができるかもしれない。
特にリウマチなどの難病には朗報といえよう。

この「フロント」の働きを阻害する新しい薬の開発が待たれるが、
早くても10年後ということになるだろうか。
痛みも炎症に関連しているので、
従来の薬では効かなかった症例にも効くような鎮痛薬の登場を期待したい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050704-00000101-yom-soci

ただこの「フロント」というたんぱく質が、
炎症ルートのどの段階で作用するのかについての記載がない。
いろいろ検索もしてみたが、ひっかかってこなかった。
"Nature Immunology"の読者でないとわからないのかもしれない。
うーん、残念。
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抗うつ剤に関するニュース2つ

米食品医薬品局(FDA)によると、
抗うつ剤によって、大人でも自殺衝動が増加するとのことで、
服用の際には症状の悪化など慎重に監視するようにと警告を出したという。


http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20050702/20050702a3660.html

すでに子供に対しては知られていることだったが、
大人でも、こういう結果になるのは十分予想できたことかもしれない。

というのも、そもそもうつ病というのは、
一番症状が重い状態のときは、
何をする気力も起きない、いわばエネルギー枯渇状態なので、
自殺する気力も当然ない。
しかし状態が良くなりかけた頃、少しエネルギーが蓄えられつつある頃が、
自殺企図の恐れが生じ最も危険なのである。

だから薬のせいで、というよりも、
これがうつ病の特徴であるといってもいい。
そして、このときこそ、家族や周りの支えが最も必要なときである。

周りの人たちも大変だろうが、
本人が一番つらいので、
あるがままを受け止めて、
できれば、そっと抱きしめてあげてほしいと思う。

ダイヤ  ダイヤ  ダイヤ

一方、トム・クルーズが失言をしたというニュースを見つけた。

http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200507020016.html

トム・クルーズは、知る人ぞ知る「サイエントロジー」という新興宗教
(精神療法に関する応用宗教哲学らしいが、
フランスではカルトに指定されている)の信者である。
この宗教、私はどんなものか知らないのだが、
どうやら、薬をのむことを禁じているらしい。
ブルック・シールズが産後のうつ病に罹り、
抗うつ剤を服用していることを非難したという。
精神医学はエセ学問だとして、ビタミンの摂取や運動をするよう主張したとか。
これに対し、ブルック・シールズは、
抗うつ剤を服用したおかげで良くなったのだと反論。

やはり実際に体験したことのない人にとっては理解できない病気なのだろう。
たしかにビタミンの摂取や運動も大切だが、
それができないくらいひどい症状の人も多い。
そもそも、うつ病というのを分かっていない。
薬が全てではないが、
薬の助けを借りて、日常生活が少しでもうまく送れるようになればいいだろうし、
また、他の療法とも組み合わせて相乗効果を狙うこともできる。

社会的に影響力のある人間に、薬をのむな、などと誤った情報を広められるのは、
迷惑きわまりないことである。病院
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「精神病院」から「精神科病院」へ

精神保健福祉法などの条文中にある「精神病院」の表記を廃止して、
「精神科病院」に統一する改正案が今国会に提出される見通しになったという。
精神病院には差別的なイメージがあるとの指摘があったためだそうである。

http://www.asahi.com/life/update/0616/001.html

果たしてそれでイメージが変えられるというのだろうか。
続きを読む >>
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うつ関与の脳内タンパク質

うつに関与するタンパク質が発見されたそうである。
「グリア細胞」という細胞に存在する「OCT3」というのがそれだ。
このタンパク質、脳内にあるそうで、
この働きを抑えると、抗うつ薬と同じ効果が出るのだとか。
まだ動物実験の段階だそうだが、新薬の開発につながる可能性があるらしい。
これまでの抗うつ薬と、作用する場所が異なるためか、
従来の抗うつ薬と併用すると効果も増すとか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050623-00000161-kyodo-soci
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金属アレルギーで自律神経失調症に?

新聞におもしろい記事があった。
ずっと嘔吐を繰り返していて、自律神経失調症と診断されていた女性が、
口腔内の金属を全部取り除いたところ、
吐くこともなくなり、自律神経失調症もすっかり良くなったという。
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医薬分業は高くつく?

TVを見ていたら、医薬分業についてやっていた。
そもそも医薬分業を進めていった理由は、
院内処方だと、薬価差益をあてにして、
不要な薬まで出す医療機関を減らそうということと、
院内だと、なあなあでチェックが甘くなって、
調剤ミスなどが起きやすくなるので、
それを防ごうということなどで、
患者さんが安全に薬を服用できるようにするのが目的である。
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