科学者は、危険な状況で道徳と感情が衝突する脳の領域を正確に指摘しているかもしれない。 その領域は腹内側前頭前皮質(ventromedial prefrontal cortex = VMPC)であると報告されている。 the National Institute of Neurological Disorders and StrokeのMichael Koenigs, PhDは、the University of Iowa Hospitals and Clinicsの神経学部のスタッフで、この研究に携わった。 Koenigs氏らは、成人になってVMPCの障害を受けた6人の人で研究を行った。VMPCが同情や恥、罪などの感情的な反応や社会的な感情に関与していると、Koenigs氏のチームは述べている。 比較のために、脳障害のない12人の健康な成人とVMPCや他の感情に関する領域に影響しなかった脳障害を有する12人の成人も調べた。 この研究で被験者たちは、他の人たちの生命を守るために1人の人の人生を犠牲にするといったジレンマのある作り話のシナリオを読んだ。 例えば、1つのシナリオで群衆に向かって走ってくる暴走ボックスカーを出演させた。研究の被験者たちは彼らがボックスカーから他の5人を救うために橋から1人を突き落とすかどうか質問を受けた。 VMPCに障害をもつ人たちは、その行動に最も同意する傾向があり、他の個人的、感情的、生死のシナリオでも同様の選択をした。さらに、彼らは他の被験者たちよりもその決定が速かった。 しかしながら、これらのVMPCに障害のある被験者は他の被験者のように非個人的で、利害の少ないシナリオをたくさん扱った。 研究者たちは、VMPCに障害のある被験者が冷酷だとか、あるいは不道徳であるとは言っていない。しかし、VMPCが個人的だったり、感情的だったり、感情で道徳的な決定をすることに関与しているという理論を、この調査結果は支持していると話す。 (WebMD - 2007年3月21日)