少しの体重増加でさえGERDのリスクが高くなる(女性)
女性 | 2006.06.03 Saturday 01:29
胃食道逆流症(GERD)の兆候は、太らなくても、体格指数と直接関連しているようである。
「このことは、理想的な体重を超えると有害な影響があるかもしれないということに光を当てます」と、研究論文の著者であるBrian Jacobson博士(Boston University School of Medicineの薬学部助教授)は話す。
「もしあなたが標準体重であり、体重が増えたとしても、逆流する傾向があります」と、ニューヨーク市のLenox Hill Hospitalの胃腸病学者のAnthony A. Starpoli博士はつけ加える。
GERDは、胃と食道の間のバルブが適切に閉じない時に起こる。その結果、胃酸を含む胃の内容物は、食道に上がってきて、食道の侵食、あるケースでは、食道癌につながる。
研究者たちは、太りすぎて肥満体の人々でGERDのリスクが増加する
ことを既に確証しているが、体格指数(BMI)とGERDとのつながりに関する問題がある。
この研究はNew England Journal of Medicineの6月1日号で発表されているが、この研究の論文著者たちは、BMIの広い範囲のカテゴリを調べたいと考えた。
「過去の研究では、標準体重の人々をすべて一括りにして行いました」と、Jacobson氏は説明する。「私たちは、『標準体重の人を分けてやってみましょう』と言いました」。
研究者たちは、Nurses's Health Studyに参加した、ランダムに選ばれた女性に、GERDの兆候の頻度、ひどさ、持続時間を算定する補足のアンケートに書き込んでもらった。
女性たちはBMI値によって分類され、BMIは兆候の情報と相互参照された。
アンケートを終えた1万545人の女性のうち、2,310人(22%)が、少なくとも1週間に1回兆候を報告し、3,419人(何か兆候を有した人の55%)が、中程度にひどい兆候であると記述していた。
20未満のBMI値の女性は、20〜22.4のBMI値の女性と比較して、GERDの兆候を有する機会は33%低かった。
また、20〜22.4のBMI値の女性と比較すると、22.5〜24.9のBMI値の女性は、GERDの兆候のリスクが38%高かった。25以上のBMI値は太り過ぎであるとみなされる。
この研究の始めに、正常なBMI値だった女性で、BMI値が3.5以上増加した女性でさえ、GERDの兆候のリスクが増加した。
「BMIスケールが高くなるにつれ、リスクも高くなるという、非常に直線的な傾向があることがわかります。」と、Jacobson氏は言う。
この研究は、低ければ良いということは道理にかなっている、ということを示している。
「胸やけがあって、理想的な体重なら、誰も、あなたが不健康な(低い)体重にすることを提案しないでしょう」と、Jacobson氏は話す。「あなたが過去数年で数ポンド増加して、なんらかの兆候があるか、あるいは兆候が悪化しているなら、体重を減らす動機になるでしょう」。
そして、過剰の体重が、心臓病や癌、糖尿病など他の多くの病気につながるので、ただ単に自分から胸やけを取り除くよりも、もっと大きな援助を自分自身に行うことになる。
「それらの状態がすべて静かに進むので、人々は皆、減量に対して動機づけられません」と、Jacobson氏は話す。「胸やけで、あなたの胸にあるこのわずらわしい問題があります。あなたが体重のことをどう考えるかを少し再定義します」
「ひどい胸やけや逆流は直ちに、あなたのクオリティ・オブ・ライフに影響します」と、Starpoli氏はつけ加えた。「私たちは、癌や糖尿病、心血管疾患など、他の問題を避けるために取り組むことができることがあるということを、人々に教育する必要があります」
(HealthDay News - 5月31日)
|