女性についての大規模な研究で、低投与量のアスピリンが結腸直腸癌を予防する簡単な方法であるかもしれないという望みが少なくなった。
約8万3千人の看護士で行った20年にわたる研究によると、アスピリンは役立つが、効果は10年間使用してからが重要であるということが、水曜日発行の雑誌American Medical Associationに掲載された。
低投与量のアスピリンは、癌のリスクをそれほど下げなかった。1日当たり2錠以上という高用量のアスピリンは、結腸直腸癌のリスクを3分の1にまで下げたが、危険な出血につながった。
多量のアスピリン療法で1〜2件の結腸直腸癌が防げたとしても、胃腸への刺激による深刻な出血のケースを8件追加するだろうと、見積もられた。
「心臓病と結腸直腸癌の両方を予防するために、1日に1錠のアスピリンを取るようにとは勧められない」と、ハーバード・メディカル・スクールの研究者であり、研究の共著者である、Andrew Chan博士は話す。
最も良い予防は定期的な検査や、運動、食物繊維の多い食事をし、低脂肪食を摂取することであると、Chan博士や、この研究に参加していない研究者たちは言う。
「内視鏡検査を行った人々の平均的なリスクとして、アスピリンを服用するメリットは非常に少ない」と、North Carolina-Chapel Hill大学のRobert Sandler博士は言った。彼は、この研究に参加していない。
これまでの研究では、小児用アスピリンを1日に1回服用することが、前癌のポリープ、これは時々結腸直腸癌になるが、これを防ぐということが示されていた。アメリカ人にとって2番目に致死率の高い癌は、肺癌である。
先の研究で、心臓病に用いるのと同じ少量のアスピリンが、癌に対して、2つの任務を果たしうるという望みが高くなった。アスピリンは腫瘍の形成に関係のある酵素を阻害するようだ。
ほとんどの人々には、アスピリンの高用量の長期使用は正しくないと、Harvard's Brigham and Women's HospitalのJulie Buring博士は警告する。彼女は、同じような研究を行ったが、今回の研究には関わっていない。
Buring氏は、10年以上も低用量のアスピリンを服用した女性が結腸直腸癌や他の数種の癌のリスクを下げなかったということを示す研究を先月発表した。
「これは、あなたが自分で選ぶことではないでしょう。もし長期にわたって高用量摂取するようにと話したなら、主治医にこのことを話さなければなりません」と、彼女は言った。
(Associated Press - 8月23日)
アスピリンは、本当にいろんなところで出てくる。
柳の樹皮から抽出されてできた天然由来の優れた薬物であるが、
やはり副作用の問題もあるので、気をつけて使いたい。
ちなみに、アスピリンはサリチル酸系であり、ピリン系ではない。
昔、薬店にアスピリンを買いに行ったところ、
そこの薬剤師に、ピリン系は問題があるので置いてないと言われたことがある。
あまりに予想外のことだったので、返す言葉が出てこなかった。
もちろん、彼の言ったことは間違いである。
もっといえば、ピリン系の薬も売られているので、
二重の間違いをしたことになる。