漢方薬が乳癌の治療の副作用に対する新しい兵器となるかもしれないということが、新しい研究で分かったという。
しかしながら、研究者たちは、これらの療法の安全性や効力を証明するのに、もっと良い研究が必要であるということに同意している。
7件の中国の研究を分析した研究者たちは、漢方薬治療が化学療法の短期的な副作用(疲労や吐き気、嘔吐、骨髄抑制など)を減少させることができるという「限定的な証拠」を、この試験が提供したと結論づけた。
しかし、研究者たちはまた、7件の研究は質的に乏しく、推薦する前に科学的にもっと厳密な研究を要することを認めた。
「伝統的な中医学もしくは漢方薬の使用の訓練を受けていない西洋の医師は、理論も臨床の基礎もないからと、これらのアプローチを捨てるべきでなく、またこの分野でのさらなる研究をサポートするべきです」と、the Chinese Cochrane Centreの研究者たちは、オンライン・ジャーナルCochrane Libraryの最新版で記述している。
・『証明されていない治療を避ける』
Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerの統計学者であるAndrew Vickers, PhDは長年、代替補完的な癌の治療を研究している。
彼は、品質の高い研究が必要であることに同意するが、安全であると立証されるまで乳癌患者は漢方薬の治療を避けるべきだと話す。
「Memorial Sloan-Kettering Cancer Centerの方針は、化学療法や放射線療法の間やその前の2、3週間、どんなハーブや他のサプリメント(ビタミンも)の使用に対しても患者にアドバイスすることです」と、彼はWebMDに語る。
その方針は、特定のハーブやサプリメントと、治療を受ける癌患者における結果が芳しくないことに関する研究に由来する。
例えばハーブ系サプリメントのセントジョンズワートは、ある化学療法薬の血中濃度を下げることがわかった。そして、ビタミンEは放射線治療を受けた頭頸部癌患者で増加する死亡のリスクと関係があった。
Vickers氏は、ハーブ系サプリメントやビタミンが2つの方法、つまり癌を殺す薬物の代謝を早めることと、抗酸化剤として作用することによって、化学療法の効力を下げると話す。
癌細胞を殺すために与えられた薬物の代謝が早くなると、作用をするのに充分なだけ体内に留まらなくなる。
そして、抗酸化剤が正常な細胞を保護する役割をしている間、それらはまた癌細胞をも保護するかもしれないと、Vickers氏は言う。
「あるハーブやビタミンが、実際に癌の治療がうまくいくようにするかもしれないと信じる確かな理由がありますが、これを立証する研究は行われていません」と、彼は話す。「有害である妥当な可能性があり、利益になる証拠がなければ、私たちは使わないようにと言います」
・害に関する証拠がない
分析を行った7件の研究は、化学療法を受けているか最近受けたことのある計542人の乳癌患者で行われた。すべての研究で、化学療法のみの治療と、化学療法プラス漢方薬もしくはハーブの治療を比較した。
漢方薬の治療を受けた患者で、有害である証拠はなかったが、Vickers氏はこの結果に疑問を持っている。
患者がどのようにランダム化されたかに関する重要な情報を含む研究は2件しかなく、どれも追跡調査や回収に関する情報を含んでいなかったと指摘する。
「これらの研究はあらゆる重要な方法論的な基準における決定的な詳細を明らかにしませんでした」と、彼は語る。
(WebMD - 2007年4月18日)
セントジョンズワートは有名ですよね。
でも、原文ではとりあえず分けられてはいるものの、
漢方薬もハーブもherbのせいか、ごっちゃにされてる気がしないでもありません。