タクシーの中は受動喫煙の危険がいっぱい。窓を閉め切ったタクシーで乗客1人がたばこを吸うと、車内の粉じん濃度が国の環境基準の12倍になり、1時間以上、元に戻らないことが、東大医学系研究科の中田ゆり客員研究員らの調査でわかった。
調査では、タクシーの客席で喫煙し、車内の粉じん濃度を測定した。
後部座席の窓を5cm開けて喫煙した場合でも、粉じん濃度は厚生労働省の基準値(1立方メートルあたり0.15mg)の9倍に上り、原状回復に30分以上かかった。喫煙者が2人なら基準値の24倍、3人なら32倍に上昇した。エアコンを使用して3人が喫煙した場合は50倍に達した。
少し窓を開けていても30分、窓を閉めていれば1時間以上、車内に粉じんが残ることから、中田研究員は「直前の乗客が喫煙者だった場合、受動喫煙になる恐れが強い。子供や妊婦など喫煙の害を受けやすい人も利用するだけに、全面禁煙にする必要があるのではないか」と話している。
(読売新聞 - 9月15日)
数値で表すと、より具体的に煙害の様子がはっきりする。
非喫煙者の立場からすると、たばこの煙の臭いに対しては敏感なので、
ほんの少しでも残っているとすぐにわかってしまう。
たとえ他の香りでごまかせたとしても、健康上の問題までは消せない。
新聞にも、喫煙者の家族のせいで、
アレルギー症状に悩まされているという人の話が載っていた。
一応気をつかって、外で吸ったりするらしいのだが、
空気の流れで煙が入ってきたりするという。
また、喫煙者自身の衣服や身体にも有害物質が染み付いているので、
その人自体をなんとかしないと根本的な解決にならない。
タクシーだけでなく、電車、特に新幹線、駅構内、バス停、歩道などについても、
こういう研究が行われて、数値としてはっきり示されればと思う。