ある抗癌剤が、長期記憶に必要なタンパク質を生成するように刺激するかもしれない。アルツハイマー病の治療に可能であるとして、この化合物への関心を持っていると、研究者たちは話す。 Blanchette Rockefeller Neurosciences Instituteと海洋生物学研究所の科学者たちは、marine snail(海の巻貝?)の学習活動の何日も前にbryostatinを導入すると長期記憶が著しく改善されたと報告する。 「これはアルツハイマー病の患者たちにとって本当に躍進となるかもしれません」と、Proceedings of the National Academy of Scienceで今週発表した研究の技術指導官で代表執筆者のDaniel Alkon博士は話した。 アルツハイマー病協会は、現在約450万人のアメリカ人がアルツハイマー病に悩まされ、その発症は、米国の人たちの加齢に伴い、2050年までに1600万人にまで増えるだろうと予測される。 アルツハイマー病の初期症状は、新しい記憶を長期にわたって貯蔵する能力を失うが、bryostatinは、この長期貯蔵を促進するようにみえる。 巻貝の実験では、学習やトレーニングの何日も前に、海水にbryostatinを入れると、あるタンパク質がその巻貝の神経によって作られるようになる。 何日も経ってから巻貝を訓練すると、1分か2分間ではなく何週間もそれを覚えているだろうと、研究者たちは話す。 昨年のマウスの実験では、bryostatinがまた、アルツハイマー病患者の脳で見られるタンパク質の蓄積を防ぐのを助けることを示唆している。 Bryostatinは、無脊椎動物のBugula neritina(コケムシの一種?)という、糸のようなものが束になっていて、紫がかった茶色の動物の化学的防衛機構として機能するバクテリアから発見された。 Blanchette Rockefeller Neurosciences Instituteは、ウェストヴァージニア州の民主党のJohn Rockefeller上院議員にちなんで命名されたが、彼の母親はアルツハイマー病と戦った末に亡くなった。 この研究所は、アルツハイマー病の治療のためにbryostatinを使用する特許を有し、臨床試験やその後のマーケティングまでずっと、この薬物を監視するためのパートナーシップについて、民間部門と議論をしているところである。 「私たちは、アルツハイマー病の患者や家族に、この病気の根本的な原因に向かう治療を提供するのに、正しい経路にいると信じています」と、研究所の会長であるRobert D'Alessandri博士は声明で発表した。 (ロイター - 10月25日)