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慢性のめまいに関する新しい手がかり

説明のつかない慢性のめまいは、長い間医師を当惑させてきたが、新しい研究でこの症状の可能性のある原因を明らかにしている。

片頭痛などの神経学的な病気や、不安症といった精神医学上の病気の両方、もしくはどちらかが役割を果たしているかもしれないし、あるいは全くそうではないかもしれないと、Jeffrey Staab, MD(フィラデルフィアにあるペンシルバニア大学のThe Balance Centerの精神科医でこの研究を行っている研究者)は話す。

「あるケースでは、これは確かに神経学、あるいは精神医学です」と、Staab氏は言う。「しかしたいていの場合、慢性のめまいがあると、神経学的および精神医学的な原因の両方が互いに悪循環をしています」

・問題

Staab氏はめまい(vertigo;通常、ぐるぐる回るような感覚で内耳の問題と関係がある)とは違うタイプの慢性のめまい(dizziness)に焦点を合わせた。彼は、これらのめまいの形式の間でも特に謎のあるタイプであると話す。

彼が焦点を合わせたタイプは、「心因性のめまい」と呼ばれており、不安と関連している。彼は、それを慢性の主観的なめまいと呼んでいる。

患者がめまいを感じ、不快で、バランスがとれないと感じ、人混みの多い環境や交通量の多いところなど動きのある刺激に非常に敏感であるとStaab氏は語る。

「頭を前後に20回振れば、この形式を最も良く理解できます」と、彼は言う。それを終えたときの感覚がそれであるという。

この患者たちが視覚的な刺激に満たされた環境(雨の中で運転したり、または混雑した食料品店を通り抜けたりなど)に入ると、めまいはひどくなる。「あまりに多くの感覚が脳に入ってくるのです」と、Staab氏はその状態について、何もできなくなると言う。

「アメリカ人の成人の約3%〜5%の人は、めまいが再発します」と、Staab氏は話す。約1%の人には、めまいが続く。

・研究

彼の研究で、Staab氏と彼の共著者であるMichael J.Ruckenstein氏(彼もまたペンシルバニア大学のMDである)は、慢性の主観的なめまいが3ヶ月以上続いていて、1998〜2004年までの間にThe Balance Centerに助けを求めにきた345人の男女(15歳から89歳)で評価を行った。

彼らのバランスを評価してから、内耳の感染や片頭痛、脳震盪などの脳障害といった、めまいにつながる病気があるか、Staab氏とRuckenstein氏は問診も行った。

彼らはまた、精神的な病気、特に不安の問題(これはめまいの原因となることがある)があるかスクリーニング(ふるい分け)を行った。

・不安障害が一般的

不安障害は慢性のめまいのケースの60%の人に関係があることがわかり、片頭痛や脳障害などの中枢神経系の症状では38%以上の人で説明がついた。2%未満の人では、不整脈がめまいの原因として特定された。

患者の2/3には、最初にめまいを引き起こす病気(内耳感染など)があり、1/3には、最初にめまいの原因となる心理学的な出来事(主にパニック発作)があった。

しかし、時折、後に精神医学上の問題に発展する初期症状を有する患者もいる。「身体的疾患は精神的疾患のきっかけになるのです」と、Staab氏は話す。

・医学上の問題

「めまいが身体的か精神的かという考えは、潜在的に問題が多いです。それはしばしば両方ともですから」と、Staab氏は言う。「そして両方ともである場合に、通常、その病気は身体症状として始ま
りました」

例えば、慢性的にめまいのある患者が、めまいのために運転することを恐れていると医師に言うかもしれない。すると、その医師は精神的な問題として決め付ける。

しかし、その患者は、最初に内耳感染でめまいがするようになり、運転に不安をおぼえるようになったということを言うのを忘れたかもしれない。

慢性的なめまいを有する患者は、単なる不安感だけでなく、頭痛、脳障害などの問題によってスクリーニングする必要があると、Staab氏は話す。

・別の専門家の話

新しい研究はこれまでの研究の上に建てられると、Joseph Furman, MD, PhD(ピッツバーグ大学の耳咽喉学の神経科医および教授であり、このトピックのベテランの研究者)は言う。

「病気の診断のないめまいの人々をよく調べれば、あなたが思いつく2つの主なものは、不安症と片頭痛です」と、彼は自身や他の人の研究を引用して語る。「しかし、それは複雑です。不安症を有する人々は前庭(内耳)の病気に免疫がないのです」

それは、慢性的めまいに対する身体的かつ心理学的な評価を含む学問を暗示していると、彼は話す。

この研究はthe Archives of Otolaryngology(耳鼻咽喉科) Head and Neck Surgeryの2月号で発表されている。
(webMD-2007年2月20日)

最後の方の部分で、不安障害がある人に免疫がないという部分、
よくわからなかったのですが、
ストレスがある場合に免疫が低下することはよく知られていることなので、
そういう意味もあるのかなと考えてみたり…どうでしょうか。
書いた人 hampton | - | - |




ナイアシンの分子の阻害が老化を遅らせるかも

ビタミンB3(ナイアシンとしても知られている)の成分を阻害する薬物が、加齢を遅らせるかもしれないということが、最近の研究でわかったという。

フィラデルフィアのthe Wistar Instituteのチームは、このナイアシンの成分(ニコチンアミド)がサーチュイン(sirtuin)と呼ばれる酵素の特定の位置に結合し、その活性を抑制することがわかった。

サーチュインは活性化されると、酵母菌や、虫、ハエなど多くの種類の有機体の寿命をかなり延ばすことができる。サーチュインはまた、2型糖尿病や肥満など、加齢と関わりのある新陳代謝の病気をコントロールできるかもしれない。

ニコチンアミドがサーチュインの特定の位置に結合するのを妨げる薬物は、この酵素を活性化し、健康を向上するかもしれないと、この研究者たちは話す。

この研究はMolecular Cellの2月9日号で発表されている。

「私たちの研究結果は、サーチュインを活性化する薬物を設計するための新しい大きな道を示しています」と、senior authorであるRonen Marmorstein(Wistarの遺伝子発現及び調節のプログラムにおける教授)は準備された声明で述べた。

「この種の薬物がヒトで寿命を延ばすかどうかに関する結論はまだですが、同様にまた、そのような介入が、肥満や2型糖尿病など加齢に関する健康上の問題を打ち消すのに役立つかもしれないという可能性に興奮しています」と、Marmorstein氏は話す。
(HealthDay News-2007年2月9日)
書いた人 hampton | - | - |




抗うつ薬と骨折のリスク

ある種の抗うつ薬を50歳以上の成人が毎日服用すると、骨折のリスクが倍になることが、新しい研究でわかったという。

「他の研究でこの関係が指摘されていましたが、私たちの研究でこのことがはっきりしました」と、この研究の論文著者の1人であるDavid Goltzman, MD(モントリオールのMcGill大学でthe Centre for Bone and Periodontal Researchのディレクター)は言う。

研究に使用した抗うつ薬は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)として知られているもので、プロザックやパキシルなどの薬物である。

低濃度の脳内化学物質のセロトニンは、うつ病と関連しており、その薬物はセロトニンをより利用できるようにすることによって作用すると考えられている。

・SSRIと骨折のリスク

Goltzman氏らは50歳以上の成人5,008人(平均年齢は65歳)で評価した。

5年以上追跡調査を行い、それらは彼らが「もろくなって」骨折(ベッドから落ちるなどの比較的マイナーな外傷の例)を経験したかどうか調べた。

SSRIの日常的な使用は137人の被験者で報告された。

骨折のリスクを増加させる因子として知られているもの(転落、骨密度が低い、身体をあまり動かさないなど)を調整してからでさえ、SSRI抗うつ薬を服用する成人は、別の抗うつ薬を服用する人よりも、骨折のリスクが2倍高かった。

X線で、自己報告していた骨折が本当だったことが確認された。

「SSRIを服用していたグループでは、137人中18人(13.5%)が、骨がもろくなって骨折したことがX線で確認されました」と、Goltzman氏は言う。

「使用しなかったグループでは、4,871人中317人(6.5%)が、骨がもろくなって折れたことがX線で確認されました」と、Goltzman氏。

研究では5種類のSSRI(プロザック、パキシル、セレキサ、ルボックス、およびゾロフトを使用)が使われた。

・いかにしてSSRIはリスクを高めるか

Goltzman氏は、抗うつ薬が、骨の生理機能のために、骨折のリスクを高めるかもしれないとしている。セロトニンは最近、骨の生理機能において重要であることがわかっている。

1つの動物研究によって、例えば、「骨がセロトニンを使用する能力を変えると、骨密度が減少する」ことがわかった、とGoltzman氏は話す。

製薬会社は加勢する。

この研究は因果を立証しないと、Eli Lilly and Company(プロザックのメーカー)のスポークスマンであるAmy Sousa氏は言う。

「現在のプロザックの説明書には、副作用として『骨粗鬆症』がまれ(1万人中1人未満)に起きると、臨床試験のデータを基に記載されています」と、彼女は話す。

Goltzman氏の研究が小さなものであると、彼女はつけ加える。

この研究のための基金は、イーライ・リリー・カナダや他の製薬会社や、the Canadian Institutes of Health Researchなど、さまざまなところから提供を受けた。

・実用化

SSRIを続けることを考えているなら、50歳以上の人は、この関係をはっきり意識しておくべきで、骨密度検査を受けた方がいいと、Goltzman氏は言う。

「もしあなたが50歳以上で、あなたの医師がSSRIを処方するなら、特にちょっとした怪我で骨折したことがあれば、まず骨密度検査を受けて下さい」と、彼は話す。「私は、患者にSSRIを服用しないようにとは言いません」

体をよく動かしたり、ビタミンDやカルシウムを充分摂取し、喫煙や過剰な飲酒はしないなど、骨折のリスクを減らすために知られているようなライフスタイルに注意することも大切であると、Goltzman氏は話す。

さらに多くの研究が必要であると、Robert P. Heaney, MD(ネブラスカ州オマハのクレイトン大学の教授で長年にわたる骨粗鬆症の研究者)は言う。「うつ病それ自体は骨折のリスクと関係があります」

この研究での発見で、その薬がうつ病と闘うのに役に立つと、医師が決めたなら、SSRIの服用を止めるべきではないということに、Heaney氏は同意している。

うつ病は特に高齢者に一般的で、高齢者全体の約10%の人に影響を及ぼすと、Goltzman氏は述べる。

Goltzman氏の研究は、the Archives of Internal Medicineの1月22日号に掲載されている。
(webMD-2007年1月22日)

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