70歳以降の肥満は、人生を短くしないが、障害をもって過ごす年月が長くなるかもしれないという、新しい研究結果が示された。
70歳以上のアメリカの成人、7,100人以上の肥満の人は、平均余命が同年代のやせている人に匹敵するという結果が出た。しかしながら、肥満の男女は晩年、何らかの身体障害をもって過ごす期間が長かった。
この研究の筆頭者であり、タンパにあるUniversity of South FloridaのSandra L. Reynolds博士によると、肥満が、肉体的な制限となるにもかかわらず、なぜ高齢者の平均余命に影響しないのかは、はっきりしていないという。
彼女は、この研究結果が「生存者効果」を反映するかもしれないとReuters Healthに話した。すなわち、肥満とそれに関連する病気は、若い頃には死の危険を増加させるかもしれないが、70歳以降になると、肥満の人はやせている人ほどには死なないようだという。
またReynolds氏によると、肥満の高齢者に大きな障害がみられる理由が明らかでない。彼女は、1つの要因として、体の慢性化した炎症、心臓病のような病気につながると考えられる状態を疑うと話す。肥満はまた、膝や臀部の関節炎の危険因子でもある。
研究において、肥満の人は高血圧や糖尿病、関節炎を高率で発症したと、The Gerontologistという雑誌に掲載された報告で、Reynolds氏らは述べている。
研究結果は、約5年間、70歳以上の7,132人の男女の追跡調査から得たデータに基づいている。総合的に、肥満の人で、研究が終わるまでに亡くなった人はやや少なかったが、日常生活における制限が増しているようだった。
例えば、70歳の女性は、彼女の体重にもかかわらず、さらに15年間生きると予想された。しかし、平均的に肥満の女性はそのうち7年以上も障害をもって過ごしたが、やせた女性が障害に悩まされたのは5年未満だった。 同様の違いは男性にも見られた。
Reynolds氏らは、高齢者の肥満を抑制する方法を調べた研究はほとんどないとしている。しかし、そのための効果的な方法がわかれば、「高齢者が障害をもつ割合に大きな影響があるかもしれません」と結論づけた。(ロイター - 8月17日)
ここで、障害と訳したが、これは例えば関節炎などで歩行が困難になったり、
あるいは、脳梗塞などによるものも含まれるだろうし、
広い範囲を指すと考えられる。
またこれはアメリカでの研究結果なので、
これがそのまま日本でも通用するかどうかはなんとも言えない。
が、あえてこれを取り上げたのは、
長生きするのが幸せかどうか、
病気や障害を持つことが不幸かどうかは、
一概に決められるものではないということを感じたからである。
この前の、「たかじんのそこまで言って委員会」で、
辛坊アナウンサーが、最後に突然こんなことを話しだした。
「今まで聞いていて思うのは、人はみんな、自分だけのために生きられない。誰かのために頑張れるのだ」
そこへ、田嶋氏が茶々を入れ、
「そんなことを言って、
母親が子供に『あなたのためを思って勉強しなさいと言うのよ』とか、
夫が妻に『お前たちのために稼いできてやってるんだ』とか恩着せがましく言うのよ」
というような発言をした。それに対して、
「それを言うのは良くないけれども、普通は黙って誰かのために頑張ってる」と辛坊氏。
それでもめげずに、「あなたは自分のキャリアのために頑張ってるのよ」と返す田嶋氏。
うろ覚えなので、せりふはそのままではないが、大体こんな感じだった。
最後の発言は不要だったが、
辛坊氏の言葉は、細胞の1つ1つに沁みこんでいくような気がした。
そして親の背中に、無償の愛を感じる。