結腸直腸癌に対して、消化器内視鏡検査や他の検査法を定期的に行うことで、命が救われるかもしれないということを、2つの新しい研究が示している。
しかしながら、研究者たちは、医師がまた、病気の高齢の患者で内視鏡の使用を制限したがっているかもしれないと話す。
アメリカ人は定期的に胸部X線写真やパパニコロースミア検査などの癌のスクリーニング検査を行うが、悪性結腸直腸がん検出を目的とした検査に対してはそれほど行われていない。結腸直腸癌のリスクのある人の約40%〜50%(専門家は50歳以上の人は全員含むとしている)でのみ適切なスクリーニング検査が行われていると、American Cancer Societyで結腸直腸癌のディレクターであるDurado Brooks博士は話した。
「たしかに、他の癌では70〜80%の人で行われるのに対して、はるかに少ないです」と、Brroks氏は言う。
問題の一部は検査自体にあるかもしれない。その検査には、50歳以上の人たちに対して10年に1回推奨される内視鏡も含まれる。テレビの司会者であるKatie Couric氏は、彼女の夫が結腸直腸癌で亡くなって以来、内視鏡のプロフィールを上げるために多くのことを行ったが、その方法は不快であり、危険性をはらんだままである。
いくつかのケースにおいて、「誰かを健康で良い状態にする検査が、深刻な合併症を有するということを明らかにします」と、Brooks氏は話した。「American Cancer Societyのような主だった組織は、平均的な危険性のあるスクリーニング検査を人々が行う1つのオプションとして、内視鏡検査を単にリストに載せます」
現在、結腸直腸癌検診に対して年齢制限の上限がないので、医師は、しばしば患者の年齢に関係なく行い続けると、この研究の共著者であり、ポートランドのOregon Health & Science Universityの研究者でもあるAmnon Sonnenberg博士は述べた。
この研究で、Sonnenberg氏と共同研究者のCynthia Ko博士は、70歳〜94歳までの人で、結腸直腸癌の検査を行う利益とリスクを比較した。
この研究でわかったことは、2005年Gastroenterologyの最新号で発表されている。
2人の研究者たちが、内視鏡が70歳〜74歳までの健康な男性にとってよい考えであるということがわかったという。なぜならそれは、42件中1件の割合で、この病気の致命的な症例が見つかるからである。
しかし、既に病気である高齢の人々には、この検査は有効ではない。例えば、致命的なケースを1件防ぐために、75歳〜79歳までの不健康な女性431人に、医師は内視鏡検査を行う必要があるということがわかった。
患者が非常に高齢だったり大病のために長く生きられないと予想されるなら、「将来癌にならないようにと、これから5年以内に内視鏡検査を行う計画を立てることは、患者の健康にとってあまり意味がありません」と、Sonnenberg氏は、話した。
Brooks氏は、この研究結果は驚くべきものでないと言う。医師は、内視鏡検査を行う前に、年齢や健康状態の両方を考慮しなければならないとした。もしそうだとしても、この検査は高齢者においてさえ、まだ癌の症例を調べるのに有用であると指摘する。
この雑誌の同じ問題における別の研究で、サンフランシスコのカリフォルニア大学の研究者たちは、米国の人口の75%の人が結腸直腸癌の検査を定期的に行うなら、何が起こるかを予測しようとした。
研究者たちは、拡張した検査プログラムが結腸直腸癌患者の治療でお金を節約できるが、全体的に見て、まだコストを1年当たり最大28億ドル増やしていると見積もる。
他方で、拡張したスクリーニング検査で毎年最大1万5千人の命を救うことができるとしている。
研究の共著者でUCSF assistant clinical professor of medicineであるUri Ladabaum博士によると、「50歳以上の成人にとって主要なメッセージは、結腸直腸癌検診が結腸直腸癌の死亡率を、大きく減少させることができるということで、検査を受けることをよく考慮すべきです」。
(HealthDay News - 10月10日)
大腸に憩室がある場合は、内視鏡だけでなく、
バリウムを注入して検査を行う際にも、憩室が破れる可能性が高くなる。
高齢者では特に、腸の内圧に対して弱くなっている部分が、
ところどころに生じているだろうから、気をつけるにこしたことはないと思う。