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セロトニン〜その3(フィードバックと再取り込み)

セロトニンに関連する薬物としては、
セロトニン受容体にくっついて作用するもの、あるいはくっつくのを遮断するものの他に、
セロトニンの再取り込みを阻害するものがある。

そもそもセロトニンは、トリプトファンから合成された後、
小胞というところに貯蔵される。
そして何らかの刺激が加わることによって
この小胞からセロトニンが出てくるのである。
これを「遊離する」という。
遊離したセロトニンは受容体にくっつこうとするわけだが、
受容体の数には限りがあるので
そのうちあぶれるセロトニンが出てくる。

あぶれたセロトニンは、2種類の経路によってバランスをとろうとする。

1.小胞に存在する受容体(シナプス前5-HT受容体)にくっつくことによって、
小胞からもうこれ以上セロトニンを遊離させないように働きかける。
これを「負のフィードバック」という。
このシナプス前5-HT受容体に、セロトニンがくっつかないように別の物質で遮断すると、
フィードバックがきかなくなり、セロトニンはどんどん遊離し続け、
最終的には小胞中に貯蔵されていたセロトニンはなくなってしまう。
これが「枯渇」である。
この代表的な薬が、レセルピンである。

2.神経終末に存在する選択的セロトニントランスポーターによって
セロトニンが小胞内へ戻される。
このことを「再取り込み」という。
いわばリサイクルである。
ここの経路を阻害する薬には2種類ある。
 ・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI
     (ミルナシプラン)
 ・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI
     (フルボキサミン、パロキセチン)


うつ病やパニック障害などに対しては、
このSNRIやSSRIの薬物が、現在の主流となっている。

これらの薬の効果の発現までに時間がかかる仕組みはまだよくわかっていないらしいが、
シナプス間隙(小胞と受容体の間)にセロトニンが増えることによって
フィードバック機能が働き、遊離を抑制してしまったりすることもあるようだ。
時間が経つにつれ、小胞にある受容体の脱感作で、
次第に遊離セロトニンが増えるということのようである。
他にも、セロトニン受容体の増加などが考えられているらしい。
いわば、人間本来のもっているホメオスタシスの機能が働くということかもしれない。
書いた人 hampton | comments(2) | - |




コメント

「人間本来のもっているホメオスタシスの機能が働く・・・」知ってる言葉がでてきたぁー

”ホメオスタシス=”恒常性”という言葉だったと思う。僕は文系ですが、高校時代生物で学んだやつですよね。内外の環境変化に関係なく形態的・生理的性質を一定に保とうとする性質・・・性質ではないか?言葉がみつからない・・の事(言葉の使い方間違ってたらhamptonごめんなさい)、要は意思とは関係なく自律的に行われている身体のしくみのことだ。あっ、しくみだ!血糖値の調節で習いました。

航空機テロ・・という脅威が存在します。人間はその危機を脱するために様々な対策を講じますが、どこかの水かさが減少すればどこかの水かさが増加するのが恒常性でしたよね・・列車がねらわれる。列車の対策を講じれば・・次に・・と。対処療法的では恒常性が働き、リスクの大きさはなんら変わらない。(リスクホメオスタシスと言ったと思う)副作用という言葉が恒常性で説明がつくのかどうかは門外漢だが、リスク対処にも副作用がつきもののような気がする。今のままじゃあ、何をやってもリスクの量はかわらんのじゃないか。やっぱりアメリカの仕掛けた力の論理では前後において何も変わらなかったということになる。
つまり、人間というやつは意識するしないに関係なく、リスクの変化に応じて自分の行動を適応させてしまうため、結果としてリスクのトータル量は変わらない・・・そして、現代社会ではその水かさが増減するパイプがあまりにも複雑多岐につながりあってしまっている。
どうしましょう。我々小市民は?
トレハロースに続きまた変な引用してしまいました。乱文、似非教養的文章掲載・・陳謝!&旅恥書捨(笑)
旅の空から・・春団治 | 2005/07/08 7:16 PM

ホメオスタシスの定義はまったくその通りです(^^)
さすがですね。
私は高校時代には生き物が苦手という、ただそれだけの理由で
生物を取っていないので、大学で少々苦労しました。

たしかにリスク対策をいくらとっても、
それだけまたリスクの可能性は出てくるわけで、キリがありませんよね。
対策を講じれば講じるほど、ますます複雑になってくるのもわかります。
ついこないだまで働いていた病院でも、そんな感じで、
いくらやっても、次の問題が出てきて大変でした。
処方箋はアンダーラインや印鑑だらけで、
とんでもない状態になってましたし。
それでも間違いは起きるんですよね。

だから、いくら機械化して便利になっても、
その機械が壊れる可能性だってあるし、
第一その機械を作ったり使ったりするのは人間ですから、
これで完璧というわけにはいきません。
テロへの警戒態勢というのも、やはりどっかスキがあるでしょうし、
そのスキがまた日常化していたら気がつかない可能性もあるし、
そこを突かれたらひとたまりもないでしょう。

あ、ここはテロの話ではありませんでしたね(笑)
いずれにせよ、とにかく悪いことが起こらないように祈るばかりです。
hampton | 2005/07/09 1:15 AM


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