こないだTVをつけたら、
NHKで過労死に至るメカニズムについての番組をやっていた。
すでに始まっていたので、全部を見たわけではないが、
脳に見張り番ともいうべき働きをする部分が
発見されたそうである。
ちょうど、第三の目と言われる場所を
少し入ったところの前頭部にあるらしい。
疲れてくると、この見張り番が脳幹に働いて、
リラックスホルモンとも言われるセロトニンを放出、
それが脳内全体に行き渡るとのこと。
しかし、その際に休養をとらずにずっと働き続けたりして
疲れが蓄積されていくと、
見張り番も疲労し、セロトニンの分泌が減少していく。
そうすると、疲れを感じなくなっていき、
引き続き仕事を続けても平気になっていくという。
疲れたという自覚なしにこの状態を続けていくことは、
交感神経がずっと働き続けるということを意味するのだろう。
体内のバランスが崩れ、特に循環器系に悪影響をもたらす。
最終的には、心筋梗塞などによる過労死に至る。
疲れを自覚しなくなることが問題なので
第三者的に疲れの度合いを計測する検査方法がいろいろ
開発されつつあるようだ。
その中の1つで面白いと思ったのは、
ヒトの血中に必ず存在するとされる
「ヘルペスウイルス6型」を使った検査法である。
普段は血中にのみ存在するのだが、ヒトが疲れてくると、
ヘルペスウイルスが危険を察知し、
他の宿主を求めるかのように、口の中に出てくるのだそうだ。
それで、口の中にどれだけ、
このウイルスがいるのかを調べることによって、
疲れの度合いを客観的に明らかにするというのである。
慢性疲労症候群の専門外来を開設した
大阪市大病院の紹介もあり、
これから、疲れと免疫の関連性など、
さらに研究を続けていくという話だった。
ついこないだまでは、慢性疲労症候群といっても、
なにそれ?と、
ほとんど誰も知らないような分野であったのが、
次第に認知されてきていることは喜ばしい。
ついでに繊維筋痛症も広めてほしいものだ。
番組は、過労死がテーマで時間も30分と短かったので、
大体こんな感じだったが、
私としては、それをさらに深く掘り下げて欲しかった。
セロトニンというと、鬱。
すなわち、鬱病との関連性である。
ストレス社会において、鬱病が増加の一途を辿っているのは、
こういうメカニズムなのであって、
誰でもかかりうる立派な身体の病気であるということであろう。