ベータカロテン剤は加齢黄斑変性症(AMD)の予防の役に立たないかもしれない。 Ophthalmology(眼科学)のアーカイブにおける新しい研究では、12年間ベータカロテン剤を服用している健康な男性が、ベータカロテン剤を服用しない男性と、AMDなどの加齢黄斑症(ARM)を発症しやすさは同様であったという。 AMDはアメリカの視覚損失の主な原因で、米国では1300万人以上の人に影響を及ぼしている。55歳未満の人では珍しい。 AMDは黄斑(読書や、テレビを見たり、運転したり、裁縫したり、あるいは集中して正確なビジョンを要することを行うのを可能にする網膜の一部)をターゲットにする。AMDは徐々に黄斑を傷つけていく。 ・ビタミンと視覚の研究 新しい研究では、研究の開始時に40〜84歳の2万2千人の明らかに健康な米国男性の医師で行った。 ボストンのBrigham and Women's Hospitalの予防医学部門のWilliam Christen, ScDを含む研究者たちは、男性たちをランダムに2つのグループに分けた。 男性の1つのグループは、1日おきに50mgのベータカロテンを含む錠剤を服用するように割り当てられた。もう片方のグループは、ベータカロテンを全く含んでいない偽の錠剤(プラセボ)を服用した。 12年間追跡調査を行った。ほとんどの人はその間、従順にその錠剤を服用した。毎年、彼らは自分の医学履歴を更新した。 男性はこの研究のために自分の目を調べさせる必要はなかったが、研究者たちは報告されたARMの診断を確認しようとした。 ・研究の結果 研究の終わりに、ベータカロテングループの162人の男性とプラセボ・グループの170人はARMを発症した。2つのグループの違いは、偶然といえるほど小さかった。 研究の間、プラセボ・グループの男性は、もし望むなら、自分自身のビタミンをのむことができた。プラセボ・グループの男性の6%近くはベータカロテンを含むビタミンを摂取した。それはおそらく結果を歪曲しなかったと、研究者たちは述べている。 この調査結果は、Christen氏らが男性たちの年齢や他の危険因子を調整したものである。 ベータカロテンのサプリメントの長期使用は、ARMを発症する率を上下させないと、研究者たちは結論づけている。 (WebMD-2007年3月14日)