秋と冬の数カ月の間、昼が短くなり日光が不十分になるにつれ、「ふさぎ込ん」で、まもなく回復する人たちがいる。しかし、季節性情動障害(SAD=seasonal affective disorder)の人は、非常に劇的な経験をするが、助けなしで乗り越えることはたびたび難しい。 SADの人々はたくさん眠り、暴食し、その結果、秋や冬に、太る傾向がある。彼らは、非常に疲れを感じ、通常の予定をこなすことができない。ある人たちは、落ち込みやイライラを感じ、社会的な関わりに関心さえ抱かなくなる。 冬の間の日照の減少のために、睡眠-覚醒のサイクルの乱れ、SADが引き起こされると考えられる。日照が少ないと、メラトニンというホルモンのレベルが低下する。メラトニンはSADの特徴である、余分な睡眠や疲労を引き起こす。春が戻ると、その兆候は、遠ざかる傾向がある。 「SADは診断や、しばしば治療をも必要とする、まさに疾患です」と、Screening for Mental Health"のエグゼクティブ・ディレクターで、ハーバード・メディカル・スクールの精神科の教授であるDouglas Jacobs博士はロイター・ヘルスに話した。 「この病気は通常、ひどい病的状態になったり入院には至りませんが、自滅的になる人もいます。そうなったら、すぐに、専門家に相談するべきです」と、Jacobs氏は説明した。「SADはたいてい、非常にマイルドで自然治癒しますが、ある状況では、受診が必要です」 甲状腺機能不全(甲状腺の活性が異常に低い)や、一般に単核症、あるいは「キッス病」として知られるウイルス性感染症単球増加症は、SADの兆候によく似ているので、SADと間違えることがある。「そのため、医療機関を受診することが大切なのです」と、Jacobs氏は話す。 SADの治療は、兆候のひどさに応じて、日照時間の短い季節に、もっと日光を浴びたり、窓の近くで過ごす時間を長くするという単純なものである。しかし、兆候が、さらにひどくなるなら、光線療法(明るい人工の光を浴びる)が必要かもしれない。それでもまだひどくなるなら、精神療法や抗うつ薬を使った薬物療法が適切かもしれない。 米国の人口の10〜20%はSADに関連する症状に苦しむ。そのうち、75%が女性である。 (ロイター - 12月16日)