科学者たちは痒みの遺伝子を特定し、この症状に対する治療の希望を与えると考えている。 GRPR「痒み遺伝子」は、ワシントン大学チームによって脊髄神経細胞で発見された。 研究者たちはマウスで実験を行い、皮膚から脊髄を経由して脳まで痒み信号を中継する役割を果たすと話す。 それが正しいなら、ひどい痒みのある人々を助ける鍵を握っているかもしれないと、彼らが述べていると、ネイチャー誌は報じている。 慢性的な痒みは湿疹のような皮膚疾患に起因したり、腎不全や肝障害などの深刻な問題から生じることもある。 また、モルヒネのような強力な鎮痛剤や、癌治療の重大な副作用かもしれない。 最も深刻なケースでは、睡眠障害や傷になったりするものの、それに対する有効な治療法がほとんどないと、研究者たちは語る。 歴史的に、科学者たちは痒みを痛みのひどくないバージョンと考え、痛みを理解することに研究を合わせてきた。 実際、GRPR(ガストリン放出ペプチド受容体)遺伝子が最初に科学者の注意を惹きつけたのは、そのような研究の間だった。 それが少数の脊髄細胞にのみ存在するのに気がつくほど、その遺伝子は目立っていたが、マウスの実験を行った後、それが痛みの経路に関係がないことが分かった。 けれども、痒みのテストを行ったとき、影響があることが分かったのである。痒みの刺激を与えると、遺伝子を中和したマウスは、その遺伝子を有するものほどには反応しなかった。 研究主任のZhou-Feng Chen氏は、遺伝子が痛みに関係のない痒みに対して特定されたという事実が、特定の治療が開発されるかもしれないという望みを提供すると話す。 「それは、薬が痛覚に影響を及ぼさずに痒み感を抑制するように使われるかもしれないことを示唆します。それに、痛みが危険を警告する重要な防御のきっかけなので、私たちの痛覚の能力を損なわないような抗痒み薬物を有することは注目すべき利点かもしれません」 (BBC - 2007年7月26日)