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うつ病関与のタンパク質特定か

うつ病に対して重要な役割を果たすように思えるタンパク質が特定されたという。

p11と呼ばれるタンパク質で、脳内化学物質セロトニンの信号を調節するのを助けるようである。プロザックなどの選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRIs)と呼ばれる抗うつ薬のターゲットであるセロトニンは、うつ病や不安障害に関係している。

「p11と呼ばれるこのタンパク質の欠乏しているマウスでは、あたかも抗うつ薬で治療しているかのように十分な量が作用しているのに、うつ病のような振舞いを見せます」と、研究論文著者であり、ニューヨーク市のロックフェラー大学のノーベル賞を受賞した神経科学者のPaul Greengard氏は、準備された声明で発表した。

マウスの実験では、p11が、セロトニン受容体5-HT1Bと共に、どのように働いているかを明らかにし、うつ病と同様に、強迫神経症、薬物中毒、不安および攻撃性にも関連していた。

この研究結果はScienceの1月6日号に掲載されている。

「P11は、うつ病の病理病態をセロトニンシステムにつながるタンパク質として見なすことができます」と、この研究の論文の筆頭著者で、スウェーデンのストックホルムにあるKarolinska Instituteの薬理生理学部のPer Svenningsson氏は話した。

うつ病はしばしばSSRIsなどの化合物で治療される。SSRIsはセロトニンの濃度を増加させる。「放出されたセロトニンは14種類のセロトニン受容体に作用し、そのあるものが治療の作用に関与し、あるものは副作用に関与するのです」と、彼はつけ加えた。

研究者たちは、1つの特定のセロトニン受容体、5-HT1B受容体を研究し、それがp11と相互に作用することがわかった。うつ病の人と同様の振舞いをする、「無力な」マウスと呼ばれるマウスの組織では、このタンパク質は枯渇している。それがうつ病患者の脳組織でも枯渇していると、研究者たちは話した。

「p11を過剰発現させるマウスは、活発に動き回り、まるでそれらが抗うつ薬の薬物治療を受けているかのように行動します」と、Svenningsson氏は話す。言い換えると、p11のないマウスは「幾分うつ病のように行動し、抗うつ薬の薬物療法に対してあまり反応を示しません」と、彼はつけ加える。

この研究結果は、すぐに臨床に応用されないものの、Svenningsson氏は、「この研究は、5-HT1B受容体が、p11との相互作用でうつ病と関係があるかもしれないということを強調します」と話した。

「将来の抗うつ薬がこの5-HT受容体をターゲットにしていたものから、おそらく付加的に5-HT受容体を、しかし必ずしもすべてが5-HT受容体をターゲットにするものではなくなるかもしれません。うまくいけば、そのような抗うつ薬には、副作用がより少ないでしょう」と、Svenningsson氏は言う。

1人の専門家が、p11が将来抗うつ薬としてのターゲットになるかもしれないということに同意している。

「p11が新しい治療法となる可能性があるものの、残念なことに現在、私たちはp11に関してよくわかっていないので、薬として選択的にそれをターゲットにすることができません」と、イギリスのオックスフォード大学で薬理学助教授であり、この雑誌の付記の著者のTrevor Sharp氏は話す。

「けれども、p11はセロトニン受容体と機能上つながっていますし、この受容体に選択的に作用する薬物を多数開発中で、これらの薬物のうちいくつかは、研究室モデルの抗うつ薬としての可能性を示しています」と、Sharp氏は言う。「数年後には、これらの種類の薬物が、すでにある抗うつ治療より良いかどうかがわかるでしょう」
(HealthDay News - 1月5日)
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