眠りながら死ぬ人々は、彼らがあまりに多くの脳細胞を失ったので呼吸するのを止めるのかもしれません、と米国の研究者は月曜日に報告した。
睡眠時無呼吸(眠っている時に、しばらく呼吸が止まる状態)は、呼吸のような自律神経の機能を制御している脳幹の細胞の破壊によって引き起こされることがあるかもしれない、と言う。
ラットでの実験は、年を取ると次々と主要な脳幹の細胞が死んで減少し、混乱した睡眠を引き起こし、ついには完全に呼吸するのを止めた。
ロサンゼルスのカリフォルニア大学の神経生物学者であるJack Feldman氏は、同じことが高齢者で起こっているかもしれないと話す。
「私たちは中枢の睡眠時無呼吸の陰にあるメカニズムを明らかにしたいと思いました。睡眠時無呼吸は、65歳以上の人に、最も一般的に影響します」と、Feldman氏は報告した。
「呼吸の通路が遮断されて起こる睡眠時無呼吸とは異なり、中枢性の睡眠時無呼吸は、脳の呼吸センターで何か誤作動が起きることによって引き起こされます」
今週のネイチャーNeuroscienceで、Feldman氏らの記述によると、ラットの脳にあるpre-Boetzinger complex(呼吸リズム生成ニューロン)の脳細胞を故意に殺した。
そして、彼らはラットの呼吸をモニターした。
「ラットがレム(rapid eye movementの略)睡眠に入ったとき、完全に呼吸が止まり、ラットが再び呼吸を始めるために目覚めようとするのを見て、私たちは驚きました」と、研究に携わっていたLeanne McKay氏は話した。
「時間がたつにつれて、ノンレム睡眠に入ると、呼吸の中断は厳しさを増し、ついにラットは目覚めます」
Feldman氏は、同じことが高齢者、特にパーキンソン病などの変性疾患に起こりうると信じる。それは睡眠が妨害されることによって明らかである。
「私たちの研究は、pre-Boetzinger complex(呼吸リズム生成ニューロン)は、私たちが年を取るにつれ失う神経を含むことが明らかです」と、Feldman氏は話す。
「私たちは、私たちの脳がpre-Boetzinger細胞の損失を60%まで代償できると推測しますが、これらの脳細胞の累積赤字は、結局、睡眠中の呼吸を乱します。肉体が平均寿命を超えて、これらの細胞を維持する生物学的理由はありません。そのため私たちが年をとると、それらは補充されないのです」と、フェルドマン氏は言う。
「それらを失うと、中枢性の睡眠時無呼吸になる傾向がより出てくるようになります」
そして、このことが起こるとき、弱っている人は起きることができないかもしれない。 彼らは、呼吸することを単に止めるのである。(ロイター-8月8日)
http://health.yahoo.com/news/122926
一部訳があやふやな部分もあるのだけれど、
要は、睡眠時無呼吸という状態には2種類あって、
よく問題になるのは、太り過ぎなどによって、
呼吸の際に空気の通り道が塞がれてしまって起こる場合である。
一方、老化や脳の障害によって、
脳という元の部分で呼吸を司る細胞が死滅減少するために、
うまく呼吸の調節が行えなくなる場合があるということだ。
もちろん、ここで言及しているのは、後者である。
いわゆる老衰で亡くなる状態というのが、
これに当てはまるのではないかと思われる。
これを読んで、自然の摂理の偉大さを感じると同時に、
なんだか切なくなってしまった。
特に、睡眠が浅くなり、何度も目が覚めるという状態を経るという部分、
心配になって夜眠れなくなりそうだ。