このほど米国環境保護政府機関は、汚れが付着しにくい、防汚性化合物で利益を上げているテフロングループに関連する毒性の健康安全データを隠蔽していたことに対して罰金として1650万ドルを支払うよう、化学物質の大企業デュポン社に命じた。
EPA(環境保護政府機関)によると、訴訟における8件の違反のうち7件は、perfluorooctanic acid(PFOA=テフロンブランドの防汚性化学物質を含む"fluorotelomer"化合物の分解物)に関する重要なデータを過去20年以上もの間、デュポン社は報告することを怠っていたという。
「これは、EPAがこれまで環境法令下で行った中で、もっとも大きい民間行政処分です」と、Office of Enforcement and Compliance Assuranceで管理者のアシスタントをしているGranta Nakayama氏は水曜日の午後、記者会見で話した。「この決定は、規定する共同体に、EPAが非常に真剣に、有毒化学物質に関するリスクの重要な情報を提出するよう要求をするという明確なメッセージを送ります」
EPAの決定は、デュポン社が1025万ドルの罰金と、さらに2つのEPA環境整備計画をサポートするために625万ドル支払うことを強制する。この計画には、デュポン社の9個のfluorotelomerがベースになった製品が分解してPFOAを形成する「分解の可能性」を3年の調査にかかる費用の500万ドルを含まれている。
声明で、「この決定は、デュポン社に対するこの件を、責任の承認なしで閉じます」と、デュポン社は述べた。
デュポン社の副社長と代表弁護人のStacey Mobley氏の2番目の声明では、「私たちは既に米国プラント建設地からのPFOAの放出を98%カットしており、2007年までにそれらの放出を99%までに減少させるように努力します」と発表した。
EPAのOffice of Prevention(予防)(殺虫剤や毒物の)でdeputy assistant administrator(代理の助手の管理者?)をしているSusan Hazen氏は、ヒトにおけるPFOAの健康に関する作用(もしあれば)の結論はまだであると、レポーターに語った。
「政府機関は、動物実験に基づく情報や、動物における毒性作用の情報を持っていますが、私たちを、ヒトの健康への重大な影響があると信じるように導くような、この点における情報はありません」と、彼女はレポーターに話し、PFOAのヒトの健康への影響を調べる研究が、EPAが資金提供をして進行中であるとつけ加えた。
しかし、ワシントンDCを拠点とする非営利のEnvironmental Working Groupに対する公務のディレクターであるLauren Sucher氏は、この研究が、PFOAが時間がたつにつれて、血流に集まり、排泄するまでに何十年もかかることを示していると話す。
「労働者たちに害を及ぼすことを示す研究もあり、白血病、高コレステロール値を有する労働者のリスクを高め、それは明らかに心臓病の危険因子です」と、Sucher氏は言う。
PFOAは時間がたつにつれて、血中に蓄積する。EPAはまだPFOAがヒトの健康に危険であると決めつけていないものの、先の研究ではこの化合物が白血病や高脂血症になるリスクが高くなることと関連していた。
今年の初めに、かつて長年デュポン社の科学者だったGlenn Evers氏の「内部告発者」の証言は、PFOAによって引き起こされるリスクを長年にわたって調べたデータを会社が隠蔽していたケースをも、後押しした。
最近のABC Newsの報告によると、デュポン社の職員たちは、Evers氏のクレームについて「不正確な個人的な見解」と決め付けて「強く反論しています」。
難燃性や、油をはじいたり、撥水の特性のために、fluorotelomersはゴア-テックス加工や、家具、カーペット、紙製食品容器、「テフロン」の防汚調理器具のような製品に何十年もの間、至るところで使われている。
Environmental Working Groupは、2年以上も前にデュポン社の隠蔽を主張し、続いて、この会社に対する政府機関の訴訟を促し、EPAと共に申立てを提出した。
「私たちは、EPAが私たちの告訴に従って行動し、20年以上もの間健康や安全性の重大な情報を隠したことに対して、デュポン社を実際に訴えたことに非常に満足しています」と、Sucher氏はHealthDayに語った。
しかし、彼女は、政府機関が既存の規則の下で最大3億1300万ドルの罰金を徴収したかもしれないということを指摘した。その額は、デュポン社がテフロン関連の製品から稼いだ何十億ドルもの総収入のほんの一部にしかすぎないだろうと、彼女は言う。
「デュポン社が過去20年以上も不法に隠蔽して利益を得ているなら、最大の罰金で、より満足し、さらに強い抑止力があったでしょうか?もちろん」と、彼女はつけ加えた。
Nakayama氏によると、デュポン社に対するEPAの告訴で8つの項目が引用されたが、次はその抜粋である。
・PFOAのヒトの胎盤関門透過における1981年からのデータを提出しないこと
・家庭の飲料水中のPFOA濃度に関するデータを提出しないこと
・PFOAの毒性データを求めるEPAの要求に答えないこと
・ウエスト・ヴァージニア州ワシントンにあるデュポン社の工場の近くに住む居住者のPFOAの血中濃度を上げるという情報を提出しないこと
・PFOAに関するラットの研究のデータを隠蔽したこと
Nakayama氏は、最初の項目が最も重大であると考えられると言う。
「これは、人間の子供のPFOAの胎盤輸送や、子供におけるPFOAの濃度に関する最初で唯一の情報です」と、彼は話した。「ヒトのデータはほとんどなく、子供におけるPFOAに関する情報も、ましてや、胎児の情報は非常にまれですが、化学物質の作用の進行の可能性を研究することは重要です」。
それで、このすべてのことは、PFOAの形に分解するかもしれないfluorotelomerという化学物質を含む製品に毎日触れ、食事している消費者をどこに置き去りにするのでしょうか?
「消費者たちが関心を持つべきことですが、恐れるべきではありません」と、Sucher氏は話した。「もっとも、私たちは、消費者たちが確実にこれらの化学物質にさらされる機会を最小にすることを提案します」
その「機会」というのは、と彼女はつけ加えた。テフロンの調理器具の使用をやめ、PFOAを放出する可能性のある容器に入っている皿にのったレンジ用持ち帰り食品や、撥水性および防汚性衣服、特別な「汚れを防ぐ」コーティングを前もって施したカーペットやソファを買わないようにすることである。
(HealthDay News - 12月14日)
ところどころ自信がなくて、あやふやな文になってます。
さらに情報を知りたい方は、次のURLへ。
http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/
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