胸部エックス線で早期の肺癌を検出することができるが、一方でそれはまた、多くの誤診を生む可能性があることが、新しい研究で、わかったという。
米国国立ガン研究所の研究者たちは、Prostate, Lung, Colorectal and Ovarian Cancer Screening Trial(前立腺、肺、大腸、および卵巣癌のスクリーニング検査)のデータを分析した。検査で基本の胸部エックス線を受けた6万7000人以上の人では、約6,000人(9%近く)がフォローアップを必要とする異常な結果だった。
さらなる検査の後、胸部エックス線結果で異常がみつかった人のうち126人(2.1%)は、最初に胸部エックス線を受けてから12カ月以内に肺癌と診断された。 肺癌が検出された人の44%は、ステージ1だった。ステージ1の肺癌患者たちは、外科手術の対象と考えられる。
「陽性の予測値(胸部エックス線の)は低かったです。それは、最初のエックス線検査で多くの誤診があったことを意味します。もしあなたが胸部エックス線で陽性の結果だったなら、メッセージは『慌てない』ことです」と、この試験を導いたNCIの研究者のChristine Berg博士は、準備された声明で発表した。
彼女は、組織の変化や、他の良性の因子が、エックス線で腫瘍として現れることがあると述べた。
「早期癌の検出率は、私たちが一般的な社会で見るものより良かったです。しかし、それが死亡率の利益になるかどうかは、まだ不明です。一般市民に、肺癌スクリーニング・ツールとして胸部エックス線を推奨するのは早すぎます」と、Berg氏は話す。
この研究結果は、12月21日号の国立ガン研究所の雑誌で報告された。
(HealthDay News - 12月21日)
そういえば、最近にも乳癌ではなかったのに切除手術を行ったというニュースがあった。
このケースでは、患者本人が仕事の関係で急いだということもあるようだけれど、
やはり、あわててはいけないということかもしれない。