3種類の天然由来の増殖因子である化学物質が、体内でのアルコールの作用を理解するのに、決定的な役割を果たすかもしれない。 3種類の増殖因子(インスリン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞由来の神経栄養因子(GDNF))の研究は、2005年6月のResearch Society on Alcoholism(アルコール依存症における研究学会)の年次総会で最初に発表された。このシンポジウムの議事は現在、雑誌Alcoholism: Clinical & Experimental Research(アルコール依存症:臨床および実験的研究)の2月号に掲載されている。 「増殖因子は、神経細胞の発達に関わるタンパク質であり、細胞を生存させ続けるためにも重要です」と、シンポジウム共同議長のDorit Ron氏(サンフランシスコ州カリフォルニア大学神経学助教授)は準備された声明で発表した。 「増殖因子(インスリン、BDNF、GDNF)は、細胞の生存における役割とは独立して、アルコールの作用を制御することができるようです」と、Ron氏は話す。 シンポジウムで発表された研究のいくつかは次の通り。 ・遺伝子操作したミバエでは、インスリンの径路がアルコールの酔わせる作用に対する感度を制御することを示した。 ・マウスでの研究では、低濃度のアルコールで、アルコールの消費を制御するために脳内のBDNFの出現が増加することがわかった。 ・脳の腹側被蓋野でGDNFの出現が増加すると、ラットのアルコールの自己管理を減少させるようにみえた。 (HealthDay News - 1月24日)