イギリスの研究は、職場でのストレスが、心臓病、卒中や他の心血管障害のリスクと関係があるということを強化する。 この報告によると、仕事でストレスが多いと報告する人々は、メタボリック・シンドロームである、肥満や、高血圧、高コレステロール値などの心血管の危険因子からくる病気を発症しやすいという。 これまでの報告で、仕事のストレスと心臓病との関係がわかっていたが、「この関係の基礎となる生物学的過程は、はっきりしていません」とUniversity College Londonで疫学と公衆の健康のsenior lecturerであり、この新しい研究の代表執筆者である、Tarani Chandola氏は話す。「この研究は、仕事のストレスにさらされることとメタボリック・シンドロームとの間に、量-反応の関係があることを示しています」 研究結果は、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌の1月21日号に掲載されている。 Chandola氏と同僚たちは、14年の間、35〜55歳の1万人以上のイギリスの公務員に質問した。この期間中に4回、彼らが仕事でストレスを感じたかどうか尋ねた。血圧、コレステロール値や、他のメタボリック・シンドロームの因子も測定した。 「仕事のストレスにさらされるレベルが高くなるにつれ、メタボリック・シンドロームになる可能性が、徐々に高くなりました」と、Chandola氏は言う。 慢性的に仕事のストレスのある男性は、仕事のストレスを報告しない人よりも、メタボリック・シンドロームの発症が2倍高かった。また、仕事のストレスのある女性でもこのシンドロームを発症しやすいものの、この研究ではほんの数名だけだった。 メタボリック・シンドロームの人々はまた、果物や野菜をほとんど食べないなど、健康上の習慣が悪い人が多いようであった。彼らはさらに、喫煙したり、飲み過ぎたり、運動も十分しない傾向があるという。 なぜ、ストレスがメタボリック・シンドロームにつながるのか、あるいは2型糖尿病にも関係があるのか? Chandola氏は考えをいくつか提供する。 ストレスが自律神経系(器官や血管、腺の活動の制御する)に影響を与えるかもしれないと、彼は話す。あるいは、ストレスは肉体のホルモンの生成に影響を及ぼすかもしれない。「私たちは現在、両方のシステムにおける仕事のストレスの作用を調べています」と、彼は語る。 Chandola氏は、ストレスを和らげるのに、段階が必要であるとしている。これまでの報告で、公務員たちは、仕事で公正に扱われていたと感じると、心臓病のリスクが減少したが、自分の仕事をあまりコントロールできなかったり、まったくできなかったと感じた人は、そのリスクが高くなったことがわかった。 「労働者たちが、仕事をコントロールしているという感覚や参加しているという感覚を増加させるように職場を再設計すると、実験グループの労働者では、病気欠勤日がほとんどありませんでした」と、Chandola氏は語る。 個々のレベルでは、労働者の感覚の調節を修正するのにカウンセリングが役立つかもしれないとしている。 (HealthDay News - 1月20日)