OTC(薬店で販売されているもの)の咳止めシロップに、毎年米国で何十億ドルも費やされたにもかかわらず、大部分のものに、咳を軽減する作用はほとんどないと、米国の呼吸器専門医は話す。
一般に、OTCの咳止めシロップは、効果が出るには少ない量の薬物を含み、咳の治療をするのに証明されていない薬物の組み合わせを含むと、アメリカの大学の呼吸器専門医のための咳のガイドライン委員会の議長である、Richard Irwin博士は言う。
ドラッグストアの棚には咳止めシロップがたくさん置かれ、処方箋が不要で、迅速に、かつ、しばしば眠くなることなしに症状を緩和することをうたっている。
しかし、「私たちが始めなければならない最も良い研究では、それらが作用を示さないために、これらの薬物療法を使用するための正当化がそれほどないということを示唆するでしょう」と、マサチューセッツ州ウースターにあるUniversity of Massachusetts Medical Schoolで薬学教授をしているIrwin氏は話す。
この団体の新しい咳の治療ガイドラインは、OTCの鎮咳薬の使用に水をさしている。Irwin氏は、そのような薬は、風邪の咳(最も一般的な咳の原因)を治療するのに無効であるばかりでなく、百日咳のように深刻な咳に対する治療を遅らせると話す。
このガイドラインでは、昨年承認された百日咳のための新しいワクチンを受けることを、成人に強く勧めている。
大衆薬協会(OTCの薬物療法のメーカーのための商取引団体)は、そのガイドラインに反論し、OTCの鎮咳薬が毎年何百万人もの人々の緩和に寄与していると語った。
このガイドラインは、American College of Chest Physiciansの雑誌Chestの1月号で発表された。この推薦は大学、アメリカ胸部学会、およびカナダの胸部学会によって支持されている。
OTCの多くのポピュラーな鎮咳薬は眠気を引き起こさないと、誇らしげに広告を出しているが、Irwin氏は、風邪による咳を和らげる抗ヒスタミン剤の古いタイプのものを含んでいないためであると言う。
これらのジフェンヒドラミンのような抗ヒスタミン剤は、OTCで購入できるものの、鎮咳薬としては販売されていないと、彼は話した。
OTCの咳止めシロップには、風邪が原因の咳を和らげる薬物が2種(コデインとデキストロメトルファン)含まれているものがあるが、一般に含量が少なすぎて効果がないと、Irwin氏は語る。
デキストロメトルファンはRobitussin(米国の商品名)に含まれ、これはOTCで最も良く売れている咳止めシロップである。食品医薬品局は、Robitussinの成分が安全かつ有効であるとしていると、Robitussinを製造するWyeth社のConsumer Healthcareのスポークスマンである、FrancisSullivan氏は話している。
Sullivan氏は、Robitussinに「人々が、もしそれに効果がないと感じるなら、トップブランドにはならなかったでしょう」と言う。
咳は喘息、アレルギー、ひどい胸やけ、後鼻漏、気管支炎など、根本的な原因が多くある。
Edward Schulman博士は、このガイドラインの委員でアメリカ胸部学会代表であるが、患者が3週間以上咳が続いたり、息切れがあるなら肺炎や重篤な状態かもしれないので、受診すべきだとしている。
通常、風邪の咳が続くのは3週間未満である。液体をたくさん飲めば、これらの咳が軽減するので、チキンスープも良いと、Schulman氏は話す。
(Associated Press - 1月10日)
これはあくまでもアメリカでの話なので、
日本人がこれを服用した際、成分の量が少ないというのは当てはまらないだろう。
一方、抗ヒスタミン剤は、咳というよりも、
くしゃみや鼻水なんかのアレルギー症状に効く薬なので、
この記事に出てくることに疑問を感じるのだが…?
いずれにせよ、効き目がないからといって、量を多めにのむのは、
副作用の問題が出てくる可能性があるので、良くない。