最新の研究によると、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染は、米国で成人の約1/3の人に影響を与えているが、鉄の欠乏で貧血のリスクが増加することにも関連しているという。 さらに、十二指腸潰瘍がなくてもこの関連性があり、出血による鉄欠乏性貧血を引き起こす場合があると、アメリカの雑誌Epidemiology(疫学)で研究者たちが報告している。 「米国の住民のサンプルで初めて、私たちはH.ピロリ菌の感染と鉄の欠乏、そして鉄欠乏性貧血との間に、明らかにつながりがあることを発見した」と、ヒューストンのテキサス大学の、代表執筆者であるVictor M. Cardenasは、ロイター・ヘルスに語った。 H.ピロリ菌感染はこれまでに、胃炎やほとんどの潰瘍を引き起こすことがわかっていた。この細菌はまた、胃癌の危険性を増加させる。 研究者たちは現在のNational Health and Nutrition Examination Survey(1999-2000)のデータ分析に基づく、この新しい関係を特定した。少なくとも3歳の7,462人の被験者に関するデータが、この分析に含まれていた。 H.ピロリ菌感染の存在が、鉄の欠乏と、鉄欠乏性貧血の危険性を、それぞれ1.4、2.6倍上げた。H.ピロリ感染はまた、他のタイプの貧血にもあったが、はるかに少なかった。 H.ピロリ菌感染は、出血性潰瘍を引き起こすことを除いて、どのように鉄の欠乏を促進するか? 「H.ピロリ菌の急速な代謝で、鉄を隔離するようにみえ、それが可能なメカニズムの1つです」と、Cardenas氏は話す。 彼は、彼のグループが現在、H.ピロリ菌の根絶で、子供における鉄の欠乏を改善することができるかどうか調べるための、ランダム化された試験に対する基金を探しているとつけ加えた。 SOURCE: American Journal of Epidemiology, January 15, 2006. (ロイター - 1月12日)