一般に使用される鎮痛剤は喫煙者の口腔癌の危険性を減少させうるが、長期使用で心臓病で死ぬ確率が上がるかもしれないと、ノルウェーの科学者たちは発表した。 非ステロイド性抗炎症剤、またはNSAIDsとして知られている鎮痛剤は、約500人の喫煙者で行った研究において、口腔癌の発症の確率を半分にした。その効果は禁煙するのに匹敵していた。 しかしながら、患者には心血管疾患で死亡するリスクの方が高いため、この薬物は総合的には生存を増加させなかった。 「これらの調査結果は、NSAIDsの長期使用を検討する際、リスクと利益の慎重な分析が必要であることを強調します」と、オスローのNorwegian Radium HospitalのJon Sudbo博士は医学誌Lancetでの報告で述べた。 一般に使用されるNSAIDsにはイブプロフェンやナプロキセンがある。COX-2阻害剤として知られる新しい鎮痛剤には、メルクのVioxx(日本未発売)があるが、心臓発作や卒中になる危険性がある。 安全に関する問題が出て、メルクは2004年9月に市場からVioxxを引っ込めた。 NSAIDsは、COX-1やCOX-2と呼ばれる2つの酵素を阻害することによって、作用する。しかしながら、それらは消化管出血を引き起こす場合がある。COX-2阻害剤は、その損傷を抑制するように設計された。 Sudbo氏や彼のチームは、口腔癌に罹っている454人のヘビー・スモーカーたちと同数の癌に罹っていない喫煙者で、NSAIDSの使用を比較した。ちょうど、この研究において263人以上の人がNSAIDsを使用していた。 NSAIDsは、喫煙者が口腔癌になるリスクを53%削減したという。しかしながら、NSAIDsを服用しなかったグループの7%の人と比較して、この薬を服用した人のうち42%の人は、心血管疾患で死亡した。 Sudbo氏は、この薬のリスクと利益において、より多くの光を与える口腔癌予防の研究が計画されているか、あるいは進行中であると話す。 国立がん研究所によると、米国だけで、約3万人の人が口腔か唇、あるいは、喉や口腔の奥の一部の癌と診断されている。 タバコや葉巻、パイプ、噛み煙草を吸うことが、ほとんどの口腔癌の原因になる。 アルコールを飲む人々もまた、飲まない人よりも、その病気になるリスクが高い。 「これから数年にわたって行われるこれらの試験で、NSAIDsが口腔癌の患者への破壊的な影響や、家族および国民の健康を減少させるかどうかわかるでしょう」と、彼はつけ加えた。 (ロイター - 10月6日)