食品医薬品局は、抗うつ剤パキシルが先天異常に関連しているかもしれないという研究結果がでたと警告している。 パキシルのメーカーのグラクソスミスクラインは、薬の注意書きのリストに、この研究結果を含めるとしている。 FDAおよびメーカーによると、再評価調査で、他の抗うつ剤を服用している女性と比べて、妊娠の最初の3ヵ月間パキシルを服用していた女性に、先天異常をもって生まれる新生児が増えていたことがわかった。 グラクソスミスクライン社から医療関係者へのレターによると、心臓欠陥も増加しているとのこと。FDAは火曜日にその内容を発表した。 一般名がパロキセチンという薬物はすでに、妊娠している女性に対する「カテゴリC」の薬物に分類されている。これは、妊娠中の人における作用の研究が行われていないことを意味している。 医師たちに「妊娠中の女性にパロキセチンを使った治療のリスクと効果を量りにかけて慎重に考えるよう」アドバイスしている。 「医療関係者が、これら最新の調査結果について、代わりになる治療法と同様に、患者と議論することを勧めています」と、グラクソスミスクライン社は話す。 この研究に基づいて、メーカー側は、この薬と先天異常の発生の増加との間の関連性が明確でないとしている。 (Associated Press - 9月27日)
米国の厚生省職員は妊娠の最初の3ヵ月までに、抗うつ剤のパキシルを服用する女性から奇形児が生まれることに関する警告を出した。 グラクソスミスクラインという薬品メーカーがスポンサーの研究は、他の抗うつ剤を服用する女性と比べて、パキシルを服用する女性から奇形児が生まれるリスクが約2倍高いことを示唆した。最も多かった異常は心臓血管だった。通常よりも、約50%リスクが高かった。 9月6日頃最初に問題を米食品医薬品局に警告したグラクソスミスクライン社は、薬の注意書きを変更すると、会社の広報担当のMary Ann Rhyne氏は予告した。 Mary Jo O'Sullivan博士はUniversity of Miami School of Medicine産婦人科の教授であるが、この調査結果がある関心を高めると話す。「パキシルと先天異常の増加の間に関連するものがないと絶対的に否定することはできません」と、彼女は言う。 O'Sullivan氏は、「慎重でなければなりません。もし、患者の妊娠の前にパキシルを止めて別の薬に変える方法があれば、それは理想的な方法でしょう」と、アドバイスする。「しかし、パキシルを服用していることが、必ずしも先天性奇形のリスクが圧倒的に高くなるということを意味するものではありません。これは、さらに多くの研究を必要とします」 パキシル(一般名:パロキセチン)は、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRIs)と呼ばれる薬のグループのもので、1988年に最初に市場に出て、子供と同様、成人のうつ病、不安、その他気分や行動障害を治療するために今日広く使用されている。 このクラスのポピュラーな薬は最近多くの議論の対象となっている。 2月に、スペインの研究者たちは、妊娠中にSSRIsを服用していた女性から生まれた新生児が、生まれて2、3日の間に、離脱症状を経験するかもしれないと報告した。この関連性は、パキシルを使用している女性で最も高いようにみえた。 そして昨年、SSRIsを使用している青少年の間での自殺企図の報告から、FDAによって注意書きで警告するように命じられた。また、10〜14歳の子供では、SSRIsが躁病の症状の引き金となることもある。 SSRIsと先天異常に関するデータは決定的ではない。いくつかの研究ではリスクが高くなるという結果が出て、他の研究ではそうではないという結果が出た。 イギリスの妊娠中の女性が、ブプロピオン(一般名:ウェルブトリン[日本未発売])とパキシルを服用することで心臓血管に欠陥が生じたため、この研究をグラクソスミスクライン社は引き受けた。 この研究で、研究者たちは、UnitedHealthcare、これは米国の北東部、南東部、中西部、西部をカバーする国の管理ケアプランであるが、これと提携したデータベースを元にした。彼らは、妊娠の最初の3ヵ月までにブプロピオンを服用する女性に焦点を合わせて、最初の3ヵ月前後にブプロピオンを服用していた女性から生まれた新生児と、最初の3ヵ月の間に他の抗うつ剤を服用していた女性から生まれた新生児とで比べた。 すべての分析が完了すると、ブプロピオンに関するリスクは増加していなかった。パキシルを含む他の抗うつ剤に関連しているリスクを調査した二次分析は、FDAの依頼で実施された。 その分析から、最初の3ヵ月に服用すると、他の抗うつ剤と比べて、パキシルの一般的な奇形のリスクは約2倍になることがわかった。このグループの女性から生まれた新生児の中で、先天異常は全体の4%、あるいは1,000回の出生あたり43.6人だった。 心臓血管に異常が起きるリスクは、2倍を少し上回った。 これらのうち心室中隔欠損がよくみられた。心室中隔は、心臓の心室を左右に分ける筋肉の壁で、そこに1つ以上の穴が存在している。これは最もよくみられる先天的な心臓の欠陥である。 一般の住民における総合的な先天異常の割合は約3%で、心臓の欠陥の割合は約1%である。最初の3ヵ月にパキシルを服用する女性から生まれた新生児では総合的な先天異常の割合は約4%で、他の抗うつ剤を服用する女性では約2%だった。「私は、説明できる結果が出ることを願っていました」と、Ryne氏はこの食い違いについて話した。 研究者は、この関係が1つの原因のものであるのか、また一般に、この被験者における研究が不足しているかどうかはまだわからないとしている。例えば、スウェーデンの出生登録のデータから、SSRIsと関係のある主要な先天異常のリスクの増加はみられなかった。 「この薬には、妊婦への注意が既にあります。それは、医師が潜在的利益や潜在的リスクに関して患者と話すべきであるということを意味し、私たちはこの研究がその議論の一部となることを勧めます」と、Ryne氏は話す。「注意書きには、すでにカテゴリCという妊婦に対する警告がありますが、この警告は胎児への影響を決定するのには適切でなく、よくコントロールされた研究が行われるべきであることを意味します。これは医師が患者とすでに話し合っておくべき薬です」 「他のあらゆるものと同様に、それはリスクと利益の比です」と、O'Sullivan氏は話す。 (HealthDay News - 9月28日)
ドライ・マウスは、加齢による正常な症状であると考えられてきた。 しかしながら、Maryland Department of Health and Mental Hygieneによると、今やドライ・マウスはしばしば、抗ヒスタミン剤や、心臓病の薬、鎮痛薬などの薬物療法の副作用であることが明らかであるという。また、閉経後の女性ホルモンの減少によっても、ドライ・マウスになる。 唾液が不足すると、食物や細菌は長時間口の中に残り、さらにプラークや虫歯につながる。 ドライ・マウスの治療法はないが、水を飲んだり、唾液代用品を使用したり、加湿器やスプレー式点鼻薬を使用することで、対症的に緩和される。また、カフェインやアルコール、たばこ製品は避けること。 (HealthDay News - 9月23日)