昨日TVで、アスベストについて説明していた。
次第にとんでもないことになっていきそうな気がする。
市民団体「中皮腫・じん肺アスベストセンター」事務局長である
永倉氏の話によると、
2030年には中皮腫とアスベスト肺による死亡者数は1万2千人を超える見込みで、
この数字は1年間の交通事故死亡者数を大きく上回るという。
1970年代に使用を中止されたものの、
ヘアドライヤー、ベビーパウダー、トースター、
たばこのフィルターなんかに使用されていたらしい。
あんか、火鉢、塗料、接着剤、理科の実験で使う金網、
焼き魚用金網などにも使われていたとのこと。
もしこれらの中で、古い物を持っていれば、気をつけた方がいいだろう。
建物にも、かつて使用されていたので、当然まだ残っているところもある。
特に学校の建物が問題となっている。
防火・耐震の目的で天井にアスベストが吹き付けられていたそうだ。
それ以外でも、高度経済成長期に建てられたビルや住宅の
改修・解体が集中する時期らしいので、飛散の問題が生じる。
ここで問題なのは、
普通のマスクではこのアスベストを防ぐことができないということ。
国家検定に合格した高性能のフィルター付防塵マスクでないとだめだそうだ。
ということは、震災時に使い捨てのマスクをして、
倒壊したビルの辺りをうろうろしていた人たちは全て
吸ってしまっていることになる。
おまけに、
どのくらいアスベストを吸ったら発症するかという値は、わからないそうで、
仮にその値が存在するとしてもきわめて低く、定量化できないとのこと。
つまり、誰でも吸っている可能性があり、
それはすなわち中皮腫になる可能性があるということになる。
中皮腫を発症するまでの潜伏期間は20〜40年で、
「静かな時限爆弾」とも呼ばれる。
アスベストを見つけたら、それに触らないように、
傷つけないようにすることが大事というが、
正直いって、そう簡単にわかるものではないような気がする。
私も石綿といえば、実験なんかで使う石綿付金網のように、
白いものしか知らなかった。
茶色のものなど数種類もあるなんて、
今回の騒ぎのおかげで知ったようなものである。
それにTVの画像でしか見ていないので、
実際に見ても気がつかないかもしれない。
というより、これだと区別する自信はない。
喫煙者は、たばこによってすでに肺を傷めつけているので、
特にアスベストの影響を受けやすいのではないかと思う。
ということは、
排気ガスの影響を受けるようなところに住んでいる人もリスクが
高いだろう。
症状もほとんど無症状のことが多いし、検査もけっこう難しそうなので、
早期発見は困難のようだ。
そもそも、このアスベストの問題が大きくなったきっかけは
一体何だったのだろうか。