セロトニンは、セロトニン受容体というところにくっつくことによって作用を発揮する。
セロトニンを鍵、受容体を鍵穴として、よく例えられるが、
この鍵と鍵穴がうまく合い、結合することによって作用が起きる。
セロトニン受容体には、いくつも種類があり、
どの受容体にくっつくかによって、その作用も異なってくる。
セロトニンのことを略して「5HT」と表すため、
受容体の名前は「5HT1」「5HT2」というように表し、
とりあえず5HT7まであるようだ。
さらに細かく分類され「5HT1A」と表される。
関連する薬のあるセロトニン受容体と、その存在場所、作用、
それに薬(一般名)について箇条書きにしてみると…
1.5HT1A受容体
縫線核や海馬に存在する。
体温や血圧の調節に関連
これに作用する薬は抗不安薬として用いられる(タンドスピロン)
2.5HT1B受容体
黒質、線条体や海馬台に存在する
ドパミンや5HTの遊離を抑制
これに作用する薬には片頭痛の薬がある(スマトリプタン)
3.5HT1D受容体
脳血管や黒質、線条体に存在する
血管を収縮させたり、伝達物質の遊離を抑制
これに作用する薬には上記と同じく片頭痛の薬がある(スマトリプタン)
4.5HT2A受容体
大脳皮質、線条体、平滑筋に存在する
幻覚、痛覚、不安、認知、平滑筋収縮、血管凝集の作用
これを遮断し統合失調症に有効な薬としてリタンセリン、リスペリドンがある
5.5HT2C受容体
脳に多く存在する
脳脊髄液産生の調節や拒食にも関連
これを遮断し統合失調症に有効な薬としてリタンセリン、リスペリドンがある
6.5HT3受容体
CTZ(化学受容器引き金帯)や腸管に存在する
嘔吐、血圧・呼吸反射、不安、記憶に関連
これを遮断し、抗がん剤治療における悪心・嘔吐に有効な薬
(オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン)
以上のようになる。