引掻いて匂いを嗅ぐ簡単なテストで、アルツハイマー病に罹る機会をいつか予測できるようになるかもしれない。 新しい研究では、シナモンや塗料の希釈液など一般的な匂いを判別しにくくなった高齢者は、アルツハイマー病を発症する傾向が高いという。 彼らはまた、軽度の認知障害(しばしばアルツハイマー病に進行する)のリスクが高かった。 さらに軽度の障害の人は、仕事をいくつか保持したり、独立して生活できるかもしれないが、一般的な物の名前を覚えるのに苦労するかもしれない。 The Rush University Medical Centerの研究はGeneral Psychiatryのアーカイブで発表されている。 研究者たちは、平均年齢80歳のシカゴ地域の高齢者589人で追跡調査を行った。彼らは研究開始時には認知障害ではなかった。 この研究の始めに、12種類の香料の引掻いて匂いを嗅ぐテストをした。それぞれの匂いに対して、4つの代替物からその香りを特定するように求められた。例えば、シナモンにさらして、果物か、シナモンか、樹木もしくはココナッツの匂いかどうか尋ねられた。12種類の匂いのうち被験者が正しく特定したのは平均で9.3だった。 4つ間違った被験者は、1つだけ間違った人よりも軽度認識障害の発症が50%高かった。 研究者が喫煙や卒中の履歴(これは嗅覚を鈍くする)に対して調整したあとでさえ、この結果は説得力を持ったと、研究主任のRobert Wilson氏は話す。 これまでの研究で、アルツハイマー病の人々は嗅覚が乏しいことが分かっている。 この新しい研究で、人がアルツハイマー病の症状や軽度の障害でも経験する前によく嗅覚が損なわれるようになることが分かった。このことは、アルツハイマー病のリスクのある人を予測するのに臭気検査の使用の可能性を高める。今はアルツハイマー病を予防できることは何もない。けれども、開発中の数種の薬物がこの病気の進行を遅くするかもしれない。 (CHICAGO SUN-TIMES - 2007年7月3日)