セラピストと話したり、日記を書いたりして感情を言葉にすることは、実際に気分が良くなるのを助けるかもしれません。新しい研究によると、感傷的な本当の気持ちを引き出そうとする方法ではなく、もっと退屈な種類の方法の方が良い傾向があるという。 研究者たちは、人々が怒りや恐怖の顔の絵を見るとき、扁桃体として知られる脳の領域の活性の引き金になることが分かった。それは、生体反応の連鎖が危険な時に身体を守るように設計されている。 しかし、人々が同じ顔を見て、それを怒った顔と呼ぶとき、脳内で非常に抑制された反応がある。 「『怒る』という単語を加えるとき、扁桃体で反応が減少しているのが分かります」と、研究者のMatthew D. Lieberman, PhD(UCLAの心理学の准教授)は、ニュース・リリースで話す。 代わりに、感情をラベル付けすることは、腹外側前頭前野(ventrolateral prefrontal cortex)と呼ばれる、額や目の後ろに位置する脳の別の領域の活性を刺激することが分かった。そこは、感情的な体験や感情を処理することに関する言葉を考えることと関 係がある。 「感情を言葉で表すとき、あなたは、この前頭前野を活性化して、扁桃体で反応が減少するのが分かります。運転中に黄色の信号を見て、ブレーキを踏むのと同様に、感情を言葉にする際、あなたは自分の感情的な反応にブレーキを踏むようにみえます」と、Lieberman氏はニュースリリースで述べる。 ・感情を言葉で表すことは役に立つかもしれない。 Psychological Scienceで発表された研究では、研究者たちは、さまざまな絵を見た30人のボランティアの脳の活動をモニターするために、機能的磁気共鳴画像装置(MRI)を使用した。 画像は、個人が怖がったり怒ったり、異なる感情表現をするものだった。いくつかのケースでは、彼らの顔の下に「怒り」や「恐怖」という言葉があり、被験者たちは、どの感情が画像について説明しているかを選ばなければならなかった。他のケースでは、ハリーやサリーといった2つの名前を見て、彼らは性別に適切な名前を選ばなければならなかった。 結果は、被験者が正しい感情を特定するように求められたとき、扁桃体の活動がかなり抑えられたことが分かった。さらに、感情をラベル付けしなければならなかったとき、腹外側前頭前野で活動が刺激された。 「彼らがなぜ日記を書いているか、本当に悲しみをもつ人々に尋ねれば、このことが自分の気分が良くなる方法だと考えているからだとは言わないでしょう」と、Lieberman氏は語る。「人々は意図的に自分の否定的な気持ちに打ち勝つためにこれをしません。それはただその効果を有するように思えます」 「一般的な心理学は、あなたが落ち込んでいるときに、ただ自分で立ち直るように言いますが、世界はそのように働いていません。もしあなたが、自分で立ち直ろうとしているのを知っていれば、通常うまくいきません。自分をだますのは難しいです。あなたの気持ちをラベル付けすることは、気分が良くなりたいということを要求しないので、この問題がありません」 (WebMD - 2007年6月26日)