定期的に運動をする人はパーキンソン病を発症しない傾向があるかもしれないが、ゆっくりとした散歩は充分でないかもしれない。 このニュースは1992年〜2001年まで追跡調査を行った14万3300人以上の米国の男女の研究に由来する。 この研究が開始されたとき、被験者は平均63歳だった。彼らは、毎週軽い運動(ウォーキングもしくはダンス)をし、中程度から激しい運動(ジョギング、ランニング、水泳、自転車、テニスかラケットボール、エアロビクスか美容体操)を行ったと報告した。 研究の終了までに、計413人の被験者がパーキンソン病と診断された。 Harvard School of Public HealthのEvan Thacker, SMを含む研究者たちによると、最も活動的な被験者は次の10年間でパーキンソン病を発症する傾向が最も少なかった。 ・運動とパーキンソン病 「私たちがこの研究から学んだ最も重要なことは、中程度から激しいレベルの高い活動的なレクリエーションの身体活動(バイクや、水泳、エアロビクスなどのような)は、パーキンソン病のリスクが低くなることと関係があるということでした」と、Thacker氏はWebMDに語る。 「この研究の始めに、高いレベルのレクリエーションの身体活動を行った人は、低レベルの身体活動もしくは全く行わなかった人に比べて、次の10年間にパーキンソン病になるリスクが低かったのです」と、Thacker氏は話す。 Thacker氏は、2007年5月1日にthe American Academy Neurologyの59回年次総会でこの研究を発表することにしている。 ・運動の程度 パーキンソン病のリスクの低下は、中程度から激しい運動をたくさん行った人でのみ見られた。 「この研究で、ハイレベルのレクリエーションの身体活動を報告した人々は、毎週エアロビクスを5〜6時間、水泳を3〜4時間行うのに相当する運動を行っていました」と、Thacker氏は話す。 「パーキンソン病のリスクは、全く運動をしないと報告した人やウォーキングのような軽い運動しかしていないと報告した人よりも40%低かったのです」と、彼は言う。 ・運動強度は重要 「歩いたり、踊ったりするような軽い身体活動は、パーキンソン病のリスクと全く関係がありませんでした」と、Thacker氏は話す。 「他方で、バイクに乗ったり、水泳、ジョギングなど中程度から激しい運動をする被験者は、パーキンソン病のリスクの低下と関連していました」と、彼は語る。 中程度から激しい運動のうちで、最も良いものとして際立った特定のフォームはなかった。 「費やされた時間や強度の総合的なレベルは、特定の活動より重要でした」と、Thacker氏は話す。 ・研究の限界 研究は純粋に観察だった。つまり、被験者が運動するように要求されたのではない。 研究者は被験者の年令や性別、喫煙を考慮したものの、他の要素がこの結果に影響を及ぼした可能性を除外することはできない。 Thacker氏らはパーキンソン病を不充分な運動のせいにしてるわけではない。彼らの研究はまた、運動がパーキンソン病を防ぐとも約束していない。 多くの要素がパーキンソン病を発症の差異に影響するかもしれないし、医師はパーキンソン病を発症する理由をそれほど正確に知っているわけではない。 「私たちの研究は、パーキンソン病を予防するものを発見する、複雑なパズルの1ピースにすぎません」と、Thacker氏は語っている。 (WebMD - 2007年4月23日)