初期の研究で、レストレスレッグ症候群と心臓病の間に関係がある可能性があることが分かった。 寝ている間に周期的に足が動くことが、レストレスレッグ症候群(RLS)の特徴的なものであるが、研究に参加した患者で血圧が上昇したことが、モントリオール大学の研究で新たに報告された。 血圧上昇は高齢のRLSの患者で最も大きく、これらの患者が特に影響を受けやすいことを示唆すると、この研究の研究者たちの1人である心臓内科医のPaola Lanfranchi, MD, MScは話す。 Lanfranchi氏は、睡眠検査の間に記録された血圧上昇が、中度の睡眠時無呼吸(心臓病の危険因子として知られている)の患者で見られたものと同様であったと話す。 「私たちは、心臓病における睡眠障害の重要な役割について、さらにもっと研究しているところです」と、彼女はWebMDに語る。 「私たちは他の睡眠障害でこのことを調べました。この研究は、レストレッグを、もっと近くで調べる必要があることを示唆しています」 ・睡眠中に記録された血圧 レストレッグ症候群は、神経学的かつ睡眠の障害であると考えられる。というのは、患者が横たわって眠る際に、概して最もひどい症状を体験するためである。 80%以上の患者は、睡眠中に概して20〜40秒毎に、不本意に足がぴくぴくしたり、ぐいっとけいれんが起きる。 その結果、他の睡眠障害の人のように、患者は夜間、何度も繰り返し目を覚まし、多くの人が昼間の疲労や記憶障害、集中の問題を体験する。 これまでの研究で、RLS患者はまた、高血圧や心臓病のリスクが高くなることが分かっているが、睡眠障害が心血管障害の一因となるか、あるいは逆はどうか明らかではないと、Lanfranchi氏は話す。 この質問に答えるために研究を行い、モントリオール大学の研究者たちは、睡眠研究室で夜を過ごすことを、未治療のRLSの10人の患者に頼んだ。そこでは、研究者が足の動きや血圧の変化をモニターした。 どの患者も心臓病にも高血圧にもかかっておらず、血圧降下薬も服用していなかった。 Lanfranchi氏らは、睡眠に関する周期的な足の運動と関連して、血圧の収縮期の値が平均で22ポイント(上の血圧)、弛緩期で11ポイント(下の血圧)上昇したことがわかった。 彼らは、時間が経つにつれて頻繁に生じ、この値の上昇(しばしば徐々に起きる)が心臓や血管の障害につながると結論づけた。この研究結果は雑誌Neurologyの4月10日号で発表される。 この研究では、心臓病のRLS患者はいなかったが、これらの患者は最も大きいリスクを有しているかもしれないと、Lanfranchi氏は話す。 「夜間の血圧上昇は、これらの患者の既に障害のある心臓に非常に有害であるかもしれません」と、彼女は語る。 「これらの患者のケアをしている臨床医は、このことに気をつける必要があります」 ・RLSの薬物はリスクを下げることができるか? この研究結果を確認し、RLSを治療するのに使用される薬物療法が潜在的なリスクを減少させることができるかどうかはっきりさせるために、さらに多くの研究が必要であるということに、すべての人は同意している。 睡眠障害の専門家Merrill Mitler, PhDは、利用可能な薬物療法は症状にゆるやかにしか効かないので見込みがないとWebMDに語る。 Mitler氏はthe National Institute of Neurological Disorders and Strokeのプログラム・ディレクターである。 しかし、University of Maryland School of Medicineの神経学の教授のWilliam J. Weiner, MDは、確信を得るためにもっと多くの研究を要すると話す。 Weiner氏はボルチモアのthe Maryland Parkinson’s Disease and Movement Disorders Centerのディレクターである。 「この研究は興味深い始まりですが、これは非常に小規模の研究で、この患者たちが心臓病を発症したかどうか調べるための追跡調査を行っていません」と、彼はWebMDに語る。 「この血圧変動が心臓病の原因となるという結論は非常に大きな飛躍です」 (WebMD - 2007年4月9日)