土にふれることは、免疫システムを高める方法であると同様に、気分を引き揚げる方法かもしれないと、イギリスの科学者は話す。
土中から通常発見される「善玉」菌で治療を行った肺がん患者は、裏づけがないものの、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の改善が報告されている。
同じ細菌にさらされたマウスは脳の「幸福」化学物質のセロトニンをより多く作ったと、ブリストル大学の論文著者は雑誌Neuroscienceに語った。
一般的な抗うつ薬は、この脳内物質を増やすことによって作用する。
・土の役割
セロトニンの不足はうつと関係がある。
科学者たちは、bacterium Mycobacterium vaccaeがセロトニンニューロンを活性化する抗うつ薬の特性を有するかどうかはっきりさせるのに、現在さらなる研究が必要であると話す。
Lead researcherのChris Lowry博士は次のように話す。「これらの研究は、身体がどのように脳とコミュニケートするのか、また、健康な免疫システムがなぜ、心の健康を維持するのに重要であるのか理解するのに役立ちます」
「それはまた、私たちがみな、土いじりをするのにもっと多くの時間を費やすべきでないかどうかという疑問を残しています」
この研究も、免疫システムの不均衡がある個人をうつ病のような気分障害になりやすい状態にする理由を理解するのに役立つかもしれない、と彼はつけ加えた。
・気分と免疫
カナダの研究者もまた、セロトニンと気分、免疫との間の関係を探っている。
ジョージタウン大学メディカルセンターのチームは、セロトニンが免疫システム内の主要な細胞の間を通過し、その化学物質が免疫応答を活性化しうることを、最近発見した。
このことは、うつ病で感染しやすい人において、セロトニンが健康な免疫機能を回復するかもしれないということを示している。
反面、身体が自身を攻撃する自己免疫疾患の引き金となるという点に対して、セロトニンや、セロトニンを増やす抗うつ薬が最終的には免疫を強めることも可能である。
この研究のLead researcherであるGerard Ahern氏は次のように説明している。「この時点では、私たちは薬が免疫にどのように影響を与えるかまだ分かっていないので、免疫細胞機能におけるセロトニンの正常な役割を本当に明らかにする必要があります」
(BBC - 2007年4月1日)
陶芸をすると、心が落ち着くという話を聞いたことがあるのですが、
それとはまた違うのでしょうか。