冠動脈疾患の抗うつ薬を服用する男女は、亡くなるリスクが高いように見えると、驚異的な新しい研究は示す。 この研究結果に対する説明の準備はなかった。それは、これまでの研究と矛盾する。 「これは予期されなかった調査結果でした。」と、この研究論文の共著者で、デューク大学メディカルセンターの医学心理学教授のJames Blumenthal氏は話す。「明白な説明はありません」 しかし、「抗うつ薬で患者が亡くなったと結論づけるのは、不適当です」と、彼はつけ加えた。 「私たちが望んでいたことに矛盾します」と、ニューヨーク市のレノックス・ヒル病院で女性の心臓病のケアのチーフで、かつ、米心臓病協会のスポークスウーマンである、Nieca Goldberg博士は言い足した。「けれども、私たちはどちらにせよ、立証することができません。」 土曜日にデンバーでのAmerican Psychosomatic Society meetingで発表されたこの研究で、さまざまな要因を調整してからでさえ、抗うつ薬を服用する心臓病患者は、抗うつ薬を服用しない人よりも亡くなるリスクが55%高いことがわかったという。選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)を服用する人と、他のタイプの抗うつ薬を服用する人の間には、統計的に重要な差異はなかった。 これまでの研究で、うつ病は血小板が凝集する傾向が増加する傾向があるため、うつ病の心臓病患者は亡くなるリスクが高いことがわかっている。その結果、多くの医師は、そのリスクを相殺するために抗うつ薬でそのような心臓病患者を治療する。 最近の1つの研究によって、抗うつ薬が死のリスクや、最初の心臓発作を起こした人々が2回目の心臓発作を起こすのを、ほぼ半減することがわかった。 その研究にもかかわらず、心臓病の人々における抗うつ薬の効果の研究はほとんどなかった。 この研究に、デュークの研究者たちは、冠動脈がどれくらいブロックされたかを調べるために心臓血管造影を受けた921人の患者の情報を分析した。 被験者の約20%の人は、抗うつ薬を服用しており、そのうち66%の人はSSRIを服用していた。 抗うつ薬をのんでなかった人々が、広く使用されているうつ病のスケールでスコア7で、抗うつ薬をのんでいる人では平均スコアが11だった。スコア10以上だと、その人はうつ病であると考えられることを意味すると、この研究は述べている。 3年で、抗うつ薬を服用する患者の21.4%は亡くなり、対して抗うつ薬を服用しないグループでは12.5%だった。 この研究には、しかしながら、限界があり、それがランダマイズされなかったということが主なことである。 Goldberg氏は、また、うつ病患者が抗うつ薬を服用することから利益を得たか否かに関係なく、徴候もなかったと話す。 デュークの研究者たちは、運動とSSRIが心拍数の可変性や血小板凝集の「粘性」といった冠動脈疾患のバイオマーカーに影響するかどうかを調べるためのランダマイズされた試験における患者をすでに登録している。 「このことは興味深く、私たちが考えたことと異なっています。なぜなら、私たちが、これらの薬物療法が安全であると一般に考えるためです」と、Goldberg氏は話す。「それは、私たちがうつ病を治療するべきでないことを意味しませんが、私たちは、起こったことをただ観測するのと対照的に、なぜこのことが起こったかを理解する必要があります」 (HealthDay News - 3月4日)