高い血糖値を有する女性の、がんになるリスクが増加していることが、ヨーロッパの研究で分かった。 糖尿病は砂糖の多い食物を非常にたくさん食べることで、高血糖を引き起こす。 スウェーデンの研究で、6万4,500人の人を調べたところ、女性では血糖が高くなることと、膵臓や皮膚、子宮、尿路のがんと関連性があった。 糖尿病の専門家は、この関連性を確認するためにもっと多くの証拠が必要であると話す。他の研究には、高脂肪食が乳がんのリスクの増加と関連があるというものがある。 ・脂肪性の食事が乳がんと関連している この研究はウメア大学のチームによって行われ、高血糖は(49歳未満の女性で)乳がんのリスクと関連性があった。 全体として、空腹時血糖値の上位25%の女性は、下位25%の女性よりもがんを発症する機会が26%高かった。 この研究はthe Vasterbotten Intervention Projectという、スウェーデンの主要な健康調査の一部である。 研究に参加してもらった被験者は1980年代の半ばに40歳、50歳、60歳だった人である。 空腹時血糖値と同様に、グルコース液を摂ってから血中の糖の量(グルコース負荷試験)も測定された。全部で、研究は13年間にわたった。 研究の期間、2,478件のがんの症例が特定された。 この研究ではまた、年齢が上がるにつれ値が高くなるhyperglycaemia(異常に高い血糖値)の明らかな証拠を見つけた。 ・生活様式の変化 Par Stattin博士によって導かれた研究者は話す。「総合的に異常なグルコース代謝は、男性ではなく女性において、がんのリスクが統計的に非常に増加することと関連していました」 男性では、上昇した血糖値は、それほどの程度ではないにしても、前立腺がんに対して保護するようにみえた。 この研究は一部World Cancer Research Fund(WCRF)によって支払われた。 Greg Martin博士(WCRF UKの科学及び研究のマネージャー)は次のように話す。 「この研究の結果は重要です。 けれども、女性たちが血糖値が高過ぎて、この事実に気づいているなら、ライフスタイルを変えようと、より動機づけられるので重要です。 そして朗報は、果物や野菜を健康的にバランスよくたくさん摂って、健康的な体重を維持することで、血糖値を下げることが可能であるということです。 こういった健康なライフスタイルで最大40%のがんを防ぐことができることが分かっているので、このことはまさに、人々が大きな違いを作るためにできる小さな変化を作る理由です」 ・血液検査 これまでの研究で、2型糖尿病の患者のがんのリスクが増加することがわかっている。 しかしこの新しい研究では、血糖値が上昇してない時にでも、女性でがんのリスクが高くなることがわかった。 Natasha Marsland氏(the charity Diabetes UKのケアマネージャー)は話す。「これは興味深い研究です。けれども、高い血糖値とがんとの間に関連性があるかどうか結論づける前に、さらに研究を行う必要があります。 医師のところで簡単な血液検査をするのが、血糖値が高いかどうか調べるのに最も良い方法です。高血糖値が糖尿病を示しますが、いつもそうであるというわけではありません。 もしある人が白人で40歳以上、あるいは25歳以上で黒人か南アジアがバックグラウンドで、家系に2型糖尿病か肥満の人がいるなら、糖尿病かどうか調べるために医師に簡単な血液検査をしてもらうことを考えるべきです」 (BBC - 2007年3月21日)