コーヒーを愛する女性への朗報である。コーヒーを飲むことが慢性の高血圧を引き起こさないらしいということがわかった。 しかし、ある理由で、同じ研究において、コーラを飲んだ女性は、高血圧になるリスクが大きかった。研究者たちは、そのことに驚いたが、この研究が決定的でないと注意した。 カフェインは、どちらの飲料にも含まれる周知の成分であり、血圧を短期的に増加させることがわかっている。しかし、この研究でコーヒーを飲む人は12年間の追跡調査で、コーヒーを飲まない人より高血圧を発症しやすいというわけではなかった。 コーヒーと高血圧に関するこれまでのデータは複雑だが、血圧への一時的な効果が、長期にわたるリスクを増加することを意味するというのが一般的な認識であると、この研究のlead authorであり、Boston's Brigham and Women's Hospitalの研究者である、Wolfgang Winklemayer博士は話す。 その考えを「反論する有力な証拠を見つけました」と、研究者たちは記述する。 コーヒーを多く飲む女性(毎日4杯以上のレギュラーかカフェイン抜きのコーヒーを飲む)は、ほとんど、あるいはまったく飲まない人よりも高血圧を発症するリスクがわずかに低いという結果を示すという証拠さえあった。 Winkelmayer氏は、コーヒーには多くの抗酸化物質があり、それが心臓を保護し癌のリスクを下げるのを助けると考えられると言う。 コーラを飲む人に対する結果は驚くべきもので、面倒な感があるが、コーラがどのようにして血圧を上げるのかは明らかでないため、まだまだ決定的ではないとしている。 政府によって資金を供給されたこの研究は、9日(水)にアメリカ医学学会誌で発表された。 いくつかの最近の研究で、抗酸化物質の主な食物源であるとする報告も含め、コーヒーが健康に良いという可能性が示されている。他には、コーヒーをたくさん飲む男性は、糖尿病のリスクが減少するとか、コーヒーは肝臓癌を予防するかもしれないという日本の研究もある。 Winkelmayer氏のグループは、2つの長期にわたる健康に関する研究に参加した、ほとんど白人で平均55歳の15万5594人の女性の看護師に関するデータを調べた。定期的に彼女たちに食事や健康に関する質問をし、12年間続けられた。 約3万3000人が高血圧と診断された。 毎日3杯以上のコーヒーを飲んだ女性は、ほとんど、あるいはまったく飲まなかった女性よりも、高血圧の発症が約7〜12%少なかった。 毎日少なくとも4缶の砂糖の入ったコーラを飲んだ人々は、少ししか飲まない人やまったく飲まなかった女性に比べて、高血圧になるリスクが28〜44%増加した。ダイエットソーダはまた、非ダイエット飲料よりわずかに少ないものの、リスクが増加した。 ギリシヤのAthens Medical Schoolの講師で、コーヒーが心臓血管に主にネガティブな作用につながるという研究を行っているCharalambos Vlachopoulos博士は、この結果が他の人たち(年齢や人種の異なる男女を含む)に「必ずしも適用されるわけではない」と話す。 カフェイン含有のソフトドリンクを飲む10代の黒人は高血圧になりやすいという研究を行っている栄養学者のMargaret Savoca氏も、コーラをたくさん飲む人でのWinkelmayer氏の研究結果が、カフェインで説明がつくということを疑うと言った。 ソーダを多量に飲む女性は、コーヒーをたくさん飲む人々とは異なる別の特性を持っているかもしれず、カフェインは違う影響を与えるかもしれないと、グリーンズボロのノースカロライナ大学のSavoca氏は話す。 ナトリウムも犯人かもしれないと、ニューヨーク市バルハラのWestchester Medical Centerで薬学のチーフをしているWilliam Frishman博士は言う。 炭酸飲料1缶にはそれほど塩が入っていないが、炭酸飲料を多く飲むとそれだけ増え、1日に4缶以上飲むと高血圧になるのは一般的である。 「だれも、コーラが危険であると言わないでしょう」と、Frishman氏は話し、さらにこう言う。「適度に飲むべきです」 (Associated Press - 11月8日)