プロザックやゾロフト(いずれも日本未発売)のような抗うつ薬は、セロトニンと呼ばれる脳内物質に影響を与えるが、身体の免疫系にも影響を及ぼすかもしれないということが、新しい研究でわかったという。
選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)と呼ばれるグループの薬物に属するプロザックやゾロフトは、セロトニン神経接合部で長くとどまるようにすることによってうつ病に効くと考えられている。この新しい研究結果は、医学雑誌Bloodで発表され、セロトニンがまた、ある免疫細胞間の信号分子としても作用することを示した。
様々な研究室の技術を使って、ワシントンDCのジョージタウン大学のGerard P. Ahern博士や同僚たちは、セロトニンが2つのタイプの免疫細胞(樹状細胞とT細胞)間を伝えられることがわかった。
この研究結果は、樹状細胞が炎症を起こしている場所でセロトニンを拾って、次に、それをT細胞に伝えることを示す。それは新しい細胞内の成長や分割に影響を与える。抗うつ薬のプロザック(フルオキセチン)を用いて治療を行うと、このセロトニン摂取を阻害した。
研究者たちは、SSRIがどのように免疫系に影響するのかを、より理解するために、さらなる研究が必要であると述べる。これらの薬は、いつの日か免疫反応を変更するために使われるようになる可能性があるとつけ加えた。
SOURCE: Blood, February 1, 2006.
(ロイター - 1月27日)
日本で使用されているSSRIでも同様のことが言えるのではないかと思われる。