血中のアミノ酸のホモシステイン濃度の高い女性は、骨密度(BMD)が低くなるリスクが増加すると、ヨーロッパ人の研究者たちは報告する。「私たちの研究結果は、ホモシステインが骨の健康に重要であるという証拠が増加しているものに加えます」と、ノルウェーのベルゲン大学の、論文の代表執筆者であるClara Gram Gjesdal博士は、ロイター・ヘルスに語った。 「人々が長生きするにつれ、骨粗鬆症の増加するというのは、公衆衛生上の主な問題です」と、彼女は話す。「私たちの研究で観察されたささやかな関係が原因であるなら、葉酸塩や他のビタミンBの摂取でホモシステイン濃度が下がるので、公共の健康には大切かもしれません」 5,300人以上の中年〜年配の男女の住民の群からのデータを使用し、研究者たちは、総ホモシステイン濃度が、中年〜年配の女性では腰のBMDに逆比例していることを観測したが、男性ではみられなかった。 ホモシステイン濃度の高い女性は、ホモシステイン濃度の低い女性と比べて、BMDが2倍近く低かった。 さらに、高ホモシステイン濃度は、喫煙や、身体的活動、ビタミンDとカルシウムの摂取、エストロゲンの使用などの交絡因子を調整してから、女性の骨粗鬆症を予測した、とGjesdal氏は話す。 Gjesdal氏は、昨年発行された2件の「流行を仕掛けた記事」で、総ホモシステイン値が男女の骨粗鬆症の骨折に対する危険因子であることを示したことに言及した。ホモシステインの最も高い四分位数(測定値を小さい順に並べたときの,小さい方から4分の1目の値)の被験者は、3つ目の低い四分位数の人と比較すると、骨粗鬆症になるリスクが約2倍高かった。 高いホモシステイン値が「女性で骨粗鬆症になるのに修正可能な危険因子」であるかもしれないと、論文著者たちは結論づける。「ランダム化された試験で、ビタミンBサプリメントがBMDや、骨折のリスクに影響するかどうかを調べる必要があります」と、Gjesdal氏はつけ加えた。 SOURCE: Archives of Internal Medicine, January 9, 2006. (ロイター - 1月13日)