飲料水における塩素処理の副生成物への長期曝露は、あるタイプの白血病(慢性骨髄性白血病(CML))のリスクを高めるが、慢性リンパ性白血病(CLL)や他のタイプのもののリスクは減らすように見えるということが、新しい研究でわかったという。 この調査結果は、アメリカの雑誌Epidemiology(疫学)で発表され、686人の白血病の症例と、3420人の似ているが影響されていない「対照群」を比較した、住民をベースにした研究に基づいている。彼らは30年以上にわたって飲んでいた水質の情報がわかっている。被験者は、20〜74歳のカナダの居住者だった。 1Lあたり40マイクログラム以上の高い濃度で、塩素処理の副生成物であるトリハロメタンへの長期にわたる曝露は、CMLのリスクを72%まで上げたと、カナダのSainte-FoyにあるInstitut National de Sante PubliqueのPatrick Levallois博士と同僚たちは述べる。 対照的に、その長期被曝がCLLのリスクを40%削減したことがわかった。 さらに、分析から、塩素処理の副産物に曝露される時間が増加するにつれ、さまざまな「サブタイプ」の白血病のリスクが減少したことがわかったと報告している。 「総トリハロメタンとブロモジクロロメタンはCMLの病因で特に重要であるかもしれませんが、塩素処理で殺菌してできた副生成物のCLLにおける保護作用の可能性はまだはっきりしていません」と、この論文著者は結論づけている。「無作為の誤りか、バイアスのかかった選択で、これらの結果を説明することができるかもしれません」と、彼らは話す。 SOURCE: American Journal of Epidemiology, January 15, 2006. (ロイター - 1月16日)