Yale School of Medicineの研究によると、すでにインスリン抵抗性を有する健康な若年成人では、インスリンの刺激でエネルギーを生産する速度が赤筋で非常に減少し、人生の終わりに糖尿病になるリスクが高いという。 内科、内分泌学の教授であり、この研究の責任者でもある、Gerald Shulman, M.D.による新しい研究は、効率的に砂糖や脂肪を燃やす能力の減少が、糖尿病の初期に重要な要因であることを示した。また、新しいデータは、基本的な欠陥がミトコンドリア内にあることを示している。ミトコンドリアは細胞の中にあるエネルギー工場で、生命を維持するのに必要な化学的なエネルギーの大部分を生産する。 研究チームによって、2型糖尿病の両親を持つ若年成人で研究が行われた。これは、リスクが引き継がれ、なおかつまだ糖尿病の症状が出てないうちに行うためである。研究者は、被験者の筋肉細胞内のミトコンドリアが、インスリン刺激に対する反応が不十分であることを観察した。正常なミトコンドリアは、エネルギーを運ぶ分子であるATPの生成を90%にまで高めることによってインスリンに対して反応をする。しかし、インスリンに抵抗のある人々のミトコンドリアでは、ATPの生成を5%高めただけである。 これらの研究結果から、インスリン抵抗性のある被験者の筋細胞内にリンを輸送するように刺激するインスリンの量が著しく減少したことがわかった。これはまた、インスリンの信号におけるひどい欠陥を示し、インスリン抵抗性を有する被験者たちの、インスリンの刺激によってできるエネルギーの生成において観察された異常について説明できるかもしれない。リンはミトコンドリアの複雑なエネルギー生成過程において鍵となる要素である。 (RxPG.News - 9月5日)