感染すると人間や牛の脳をスポンジ状にしてしまう異常プリオンは、大きさによって感染力にかなりの差があり、比較的小さめの粒子が最も危険であることを、米国立アレルギー感染症研究所のチームが突き止め、8日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
人のクロイツェルト・ヤコブ病(CJD)や牛海綿状脳症(BSE)など、現在は不治のプリオン病に対する治療法を開発する上で、特定サイズのプリオンを狙い撃ちするといった有効な戦略づくりに役立つ発見だ。チームは一方で「治療目的で脳内の異常プリオンを小さくしようとする試みは、かえって逆効果になる恐れがある」と注意を呼びかけた。
異常プリオンは、人や牛などの体内にある正常プリオンを異常な形に変形させてしまう感染性のたんぱく質。
従来は、異常プリオンの分子が1個でもあれば感染力があり、BSE牛の脳によくみられる、分子が多数集まって繊維状になった塊は、より感染力が強いのではないかと考えられていた。
しかしチームが今回、異常プリオンの大きさと感染力の強さの関係を、ハムスターを使った実験で調べたところ、最も強力な感染力を持つのは、わずか14〜28個の分子が集まってできた小さな粒子とわかった。大きな塊にも感染力はあるもののずっと弱く、また分子が5個以下だと感染性は全くみられないことも明らかになった。
(共同 - 9月7日)
プリオンの感染力が最も強い大きさの範囲がわかったようだ。
とはいえ、大きいままだと弱くてもやはり感染力があるということなので
一番いいのは、徹底的に確実に、小さくしてしまうことになるのだろうか。
「
BSEの原因は、ヒトという仮説」にも一応リンクしておく。