フィンランドと米国の研究者たちは、穀物繊維や全粒粉を多く含む食事が、閉経後の女性の動脈に形成されるプラークによる、アテローム性動脈硬化症の進行を遅くすると報告した。
いくつかの研究で、食物繊維、特に穀物繊維をたくさん摂ると、心血管系の疾患や死のリスクが減少したが、それらのほとんどは、冠動脈の疾患のない患者で行われており、心臓病になった患者の動脈で形成されたプラークの進行における、繊維の摂取の効果を直接評価していない。
ボストンのタフツ大学のAlice H.Lichtenstein博士らは、229人の冠状動脈の閉塞がある閉経後の女性で、全粒粉の消費の効果を調べた。うち少なくとも30%の人がエストロゲン補充療法とアテローム性動脈硬化症の治験に参加している。またこの研究で、食事のアンケートを使用し、食物繊維の摂取を見積もった。
1週間当たり穀物繊維を3g以上、全粒粉を6食以上の摂取を、3年の間続けた女性は、食物繊維をあまり摂らなかった女性に比べて、冠状動脈の閉塞が少し衰退したことが、American Heart Journalで報告された。
しかしながら、病気の進行の違いは、コレステロールを下げるスタチン系の薬で治療する患者でみられるのと大差なかったと、研究者たちは指摘する。
Lichtenstein氏はロイター・ヘルスに次のように語った:
「現在、心臓病の女性が全粒粉で作られた製品を食べると、それらの病気の進行の度合いを遅くするという良いデータがあります。この結論は3年の期間を通しての、(プラークの)進行を直接測定したことに基づいています」
「全粒粉の豊富な食事を摂ることは、一般の人にとっても利益があると思われます」と、Lichtenstein氏はつけ加えた。
(ロイター - 9月2日)
食物繊維や全粒粉が身体に良いというのは、常々言われてきたことであるが、
こうして具体的に病名が出てくると、改めてそうなのかと思う。
この研究は、閉経後の女性を対象に行われているが、
最後の言葉にもあるように、男性女性に限らず、
健康なうちから予防的に摂取することが大事かもしれない。