潰瘍を引き起こし、胃癌とも関係のある胃の細菌は、喘息になりにくくするかもしれない。 このニュースはInternal Medicineのアーカイブで発表されている。 この細菌はヘリコバクター・ピロリ(H.ピロリ)と呼ばれる。潰瘍や、胃がんのリスクの増加と関係がある。 H.ピロリは世界中で見られるが、発展途上国でより一般的であると、Yu Chen, PhD, MPHやMartin Blaser, MDは述べる。 Chen氏とBlaser氏はニューヨーク大学癌研究所で働いている。Blaser氏はまた、Department of Veterans Affairs New York Harbor Healthcare Systemでも働いている。 彼らは1988年〜1994年まで行われた国の健康に関する研究に参加した7,663人の米国の成人に関するデータを研究した。 被験者は、それまでに喘息に罹ったことがあるかどうか尋ねられた。彼らはまた、それまでにH.ピロリに感染したことがあるかどうか確認するために血液検査も行った。約2,400人の被験者のサブグループは、花粉やカビに対する皮膚の感受性をチェックするために皮膚試験も行った。 ・H.ピロリと喘息 総合的にH.ピロリ感染は、現在喘息に罹っている被験者の差異に影響はなかった。しかし、それは過去、特に幼年期に喘息に罹っていたリスクを明らかに減らした。 H.ピロリ感染はまた、花粉症(アレルギー性鼻炎)やアレルギー症状、もしくは花粉やカビに対する皮膚過敏性を有したことのないことと関連があった。 「現在の観察は、幼児期に微生物に感染すると(皮膚)感受性を増したり喘息になるのを予防し減らす『衛生の仮説』と一致している」と研究者たちは記述している。 H.ピロリには「コストと利益」があるかもしれないと、 Blaser氏は、ニューヨーク大学のニュースリリースで語っている。「相対的なコストや利益は個人で明らかに異なります」と、彼はつけ加える。 この研究では、H.ピロリが喘息をどのように減らすかは分からない。 「1つの仮説は、あなたが胃にH.ピロリがあるなら、何十年もの間進行中の炎症過程があり、これは特定の方向における免疫システムをゆがめています」と、Blaser氏は話す。 (WebMD - 2007年4月23日)