independent scientific review panel(独立科学調査委員会)がEnvironmental Protection Agency(米環境保護局)にアドバイスするところによると、テフロンの製造に使用される化学物質や、他の焦げ付き防止及び防汚製品は、発癌物質の「可能性」があると考えるべきであるという。 この委員会の最終的な素案に含まれる勧告は、予備の調査結果と一致しており、perfluorooctanoic acid及びその塩類がヒトの発癌物質の可能性があるという動物実験からの「暗示的な証拠」のみがあるとEPAはしている。 「優勢的な委員会の視点は『発癌性がある可能性』の記述が現在利用可能なデータと、より一層一致していたということですが、一方で委員会の数人のメンバーは、現在ある証拠が、発癌性の記述が『暗示的』を超えないという結論に達しています」と、委員会はこのほど素案で発表した。 PFOAを独占的に製造している、デラウェア州ウィルミントンを拠点とするデュポン社の職員は、委員会の結論に反対している。 「私たちは癌の分類に関して委員会の勧告と意見を異にしており、EPAのリスク評価の草稿を支持し続けます」と、デュポン社にとっての健康及び環境科学のディレクターであるRobert Rickard氏は話す。 「この反映から分類することを勧めます。より重要なことはリスクで、私たちはPFOAが一般住民に癌の危険性を引き起こさないと確信しています」と、Rickard氏は、発癌性の分類が動物のデータに基づいているとして、ヒトの研究のデータを反映しないとつけ加えた。 PFOAは、フッ素ポリマーの製造に使用される加工補助剤で、防汚性の調理器具など、さまざまな製品に応用される。この化学物質は、防汚性織物や脂をはじく食物のラッピングなどの製品の被膜に使用されるfluorotelomersの製造における副産物でもある。 PFOAはC-8としても知られているが、この発癌性の可能性に関してEPAと意見を異にする一方で、調査委員会のほとんどのメンバーは、EPAのリスク評価が、PFOAの肝臓や精巣、膵臓、乳癌を引き起こす可能性に関する付加的なデータを含むとも勧告している。委員会のほとんどのメンバーはまた、ホルモンや神経免疫系におけるこの化学物質の作用がリスク評価に含まれており、この研究が、ヒトの危険性を評価するのに、年齢、性差、人種によって限定されるべきではないと忠告もしている。 この委員会は、EPAの科学諮問委員会によって設立されたが、この調査結果は、2月15日のテレビ会議でSAB職員たちによって再検討されることになっている。 「この現実の結果は、委員会が立ち返って、『ここにこの余分なものを含んでいた』と言う委員会です。それは本当に厳密な分析ではありませんでした」と、Environmental Working Group(ワシントンDCを拠点とする非営利団体で、PFOAに関する精査を政府にうながしている)のsenior scientistのTim Kropp氏は話す。 EPAは、この委員会の勧告を受け入れるか、拒絶するかまだ決めていないものの、Kropp氏はEPAが顧問会議の忠告を退けるのはまれであると言う。 「彼らは、より厳密な分析をして、リスク決定をするのに、もっと科学的な方法で行うように頼んだので、そのことで議論することはできません」と、彼は語る。「それはただ良い科学でしかありません」 EPAの職員は、政府機関がこの報告に対してどのように応じるかについて話すことを断った。 「そうなるだろうと予想していました」と、EPAの次官のMarcus Peacock氏は言って、彼が完全な報告を読んでいないことをつけ加えた。「私たちが知っていること以上に、ここでわかっていないことがあります」。 EPAのPrevention Pesticides and Toxic Substances(予防、殺虫剤、毒物)のオフィスの代理長官補佐であるSusan Hazen氏は、PFOAをさらに理解するための研究がすでに進行中であると話す。 Hazen氏やPeacock氏はさらに、PFOAやその前駆物質、または類似の化合物を製造、使用するデュポン社や他の7つの会社に、それらの環境への放出や、製品中の化学物質の濃度を、2000年に使用したものを基準として、2010年までに95%までに減らすように注文をつけることを、先週発表したEPAのイニシアチブに対して指摘した。 EPAはまた、2015年までにこの産業が排出物や製品から、PFOAや関連する化学物質の除去に向かって動いて欲しいとしている。 (Associated Press - 1月30日)