にきびの治療に、抗生物質を6週間以上使用すると、上気道感染症に罹るリスクが2倍になるということが、新しい研究でわかった。
研究結果から、抗生物質の長期使用で、現在の薬物に耐性を有する菌に感染するリスクが高くなると考えられると、University of Pennsylvania School of Medicineの研究者たちは話す。
にきびの患者の治療に、抗生物質の長期投与は標準的に適用され、テトラサイクリン系の抗生物質やクリンダマイシンなどが最もよく使用される。
「にきびの患者は、抗生物質を長期投与して治療することによる作用、つまりバクテリアのコロニー形成に関するリスクや、治療の間に抗生物質に曝露されたバクテリアの病原体の中で耐性を増すリスクを研究するのに、理想的なモデルの代理となります」と、研究者たちは記述している。
Archives of Dermatologyの9月号で報告されているが、U.Pennチームは、にきびの11万8千人以上の患者を研究した。6週間以上局所で、あるいは経口の抗生物質で治療した患者で、1年以内に上気道感染症に罹る人は、抗生物質の治療を受けなかったにきびの患者に比べて、2倍以上多かった。
研究結果は、抗生物質がバクテリアに対して作用するが、上気道感染の90%(風邪やインフルエンザを含む)はウイルスによって引き起こされるという予想に反してるように見えるかもしれない。
しかしながら、研究者たちは、抗生物質の長期服用者で、これらの病気に罹るリスクが増加することを説明しながら、同様に、上気道において薬物に耐性のあるバクテリアの活性が、ウイルスの『感染力』を高めるとしている。
にきびの患者に対するこれらの研究結果がどういう意味をもつかは、明らかでないという。
「患者と医師は、患者がこの治療を受けることで感染するリスクと利益のバランスをとる必要があるにせよ、ないにせよ、いずれにしてもさらなる研究が求められます」と論文の著者たちは記している。
(HealthDay News - 9月19日)
にきびの外用薬でも耐性ができるので長期投与しないこと、という説明がある。
とはいえ、たった6週間で、というのは早すぎるような気も。