Archives of Internal Medicineの2004年1月12日号に掲載されている電話調査の結果によると、朝の頭痛は、うつと不眠症の指標になるかもしれないとしている。また睡眠時の呼吸の乱れに対しては特定されていない。
「一般住民において、朝の頭痛が多いことは知られていませんが、スウェーデンの研究によると、人口の5%の人が、しばしばあるいは頻繁に頭痛で目を覚ますという結果が出ています。臨床実験では、朝の頭痛と、閉塞型睡眠時無呼吸症候群やいびきとの間に深い関係があるという報告がありました」と、カリフォルニア州のStanford University School of MedicineのMDであり、DSc、PhDでもあるMaurice M. Ohayon氏は書いている。
電話調査では、朝の頭痛や器質性(精神)障害を含む質問や、精神賦活剤や、睡眠薬、精神障害の薬を使用しているかどうかの質問をした。イギリス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペインの一般的な人から15歳以上の1万8980人の人で調査を行い、うち1,442人(7.6%)は慢性的な朝の頭痛(CMH)を報告した。
CMHの頻度は「毎日」が1.3%の人でみられた。「しばしば」は4.4%で、「時々」は1.9%の人にみられた。CMHの持続時間の平均持続期間は42カ月だった。CMHは男性より女性で多くみられ(女性8.4%対男性6.7%)、45歳〜64歳の人で約9%と高かった。
CMHに関する症状は、不安障害やうつ病の症状と共存し、CMHと共存する場合は28.5%で報告され、共存なしでCMHのみの人は5.5%だった。睡眠関連の呼吸障害では共存15.2%:共存なし7.5%、高血圧では共存11.0%対共存なし7.2%、と、筋骨格障害では共存14.1%:共存なし7.1%が報告された。抗不安薬の使用では共存20.1%:共存なし7.3%と、多量のアルコール消費では共存12.6%:共存なし7.7%だった。
Ohayon博士は、「朝の頭痛は13人のうち1人にみられます。約80%の人で、朝の頭痛が再発し、特定できる器質性、精神障害もしくは睡眠障害と関係しています。医師は、あらゆる要因の可能性を特定するために、朝の頭痛を訴える要因の多様性を意識し、患者に徹底的なインタビューを行う必要があります」としている。
(Medscape - Arch Intern Med. 2004;164:97-102 - 2004年1月12日)
朝、頭痛とともに目覚めるという経験のある人は多いと思う。
この調査は1年以上も前のものであるが、身近なものだと思ったので取り上げてみた。
この頭痛は、片頭痛なのか緊張型なのかまでは言及していないものの、
頭痛の症状を呈するものの中に、
うつ病などの病気が隠れていることがあるということのようである。
逆のパターン、つまり頭痛がずっと続くために、うつ状態になったり、
睡眠障害を起こしたりすることもあるような気がするのだけれど、どうなのだろう?