高脂肪食が与えられているラットは、もう充分食べたということを体に伝えるホルモンに対する感受性が失われることがわかった。人間にも同じことがいえるかもしれない。 ペンシルバニア州立大学での、高脂肪食か低脂肪食のどちらかを与えるラットでの実験では、脂肪性の食事がコレシストキニンまたはCCKと呼ばれるホルモンに対する感受性を低下させたことがわかった。 CCKは小腸によって分泌され、脂肪やタンパク質の消化を助ける。 また、もう食べるのをやめるようにと脳に伝えるために作られる「満腹信号」の1つでもある。 新しい研究では、低脂肪食のラットは、CCKを投与すると、脂肪の多い食事を止めた。 そうでない高脂肪食のラットは、より一層の脂肪性のスナックを食べる結果となった。 University Park内にあるペンシルバニア州立大キャンパスの栄 養学の助教授であるMihai Covasa博士によると、ずっと高脂肪食物を食べていると、食べるのをやめるようにというCCKの信号に対する感受性が低下するという研究結果が示唆された。 Covasa博士は、ラットの研究結果を人間に置き換えることができると、ロイター・ヘルスに話す。 2週間高脂肪食を摂っていた人々は、脂肪性のものを食べることに満足しなくなっていき、さらにもっと食べ始めた。 Covasa氏とDavid M.Savastano氏はNutrition Journalの8月号に研究結果を報告した。 研究におけるラットは高脂肪食か低脂肪食のどちらかで3週間飼育された。 次に、脂肪性のスナックで誘惑すると、高脂肪食で生活していたラットは低脂肪食のラットよりも食べる量が多かった。 そして、ラットにCCKを注射すると、そのホルモンはその後1時間以上にわたって、低脂肪食のグループの食欲を抑えることがわかった。しかし、高脂肪食グループでは抑えられなかった。 Covasa氏は、脂肪の摂取に気をつかって、さまざまな食物や栄養を摂る重要性を、この研究結果が強調しているとした。 「どれだけ食べているかに注目すべきだが、何を食べているかということも重要です。」と、彼は述べた。(ロイター-8月8日) http://health.yahoo.com/news/122936