Be Here and Now

慢性的な痛みに苦しむ人々は、日常的な「多重タスク処理」によって記憶に負担がかかることを発見するかもしれないという。

この研究はペインクリニックで治療を受けた24人の男女で行われ、慢性的な痛みが患者の作業（あるいは短期の）記憶を損なうらしいということが分かった。

特に、同時に別の仕事を実行している間、多くの人々は情報の一つの「記憶痕跡」を維持するのに苦労した。実生活で、例えば、ペンを探し赤ちゃんを抱いている間、電話番号を覚えるのは難しくなるかもしれないと、研究の共著者のBruce D. Dick博士はロイター・ヘルスに語る。

Dick氏によると、慢性的な痛みが人の注意を混乱させ、さもなければ脳が短期記憶（情報が長期記憶に保存されるまでに処理される、一時的な「貯蔵タンク」）につぎこむリソースのいくらかを基本的に「消耗する」ことは、あり得る。

「日々の活動において私たちの多くは多重タスクをし、いろいろな仕事の間短期記憶のリソースを分割します」と、カナダ、エドモントンのアルバータ大学で麻酔学及び痛みの医療の準教授のDick氏は説明する。

しかし、新しい研究結果では、慢性的な身体の痛みが、そのような精神的な多重タスクに利用可能なリソースを枯渇することを示唆している。

Dick氏と同僚のSaifudin Rashiq氏は、雑誌Anesthesia and Analgesia（麻酔と鎮痛）でこの研究結果を報告している。

この研究のために、研究者たちは関節や背中、四肢、少なくとも6ヵ月間体のどこかに痛みがある24人の患者を、the university pain clinicから募集した。

注意と短期記憶の標準的なテストに基づき、16人の患者は、痛みが原因で悪化すると分類された。これらの患者のうち、最も悪化した人々は特に記憶痕跡を維持するのに問題があった。

Dick氏によると、この研究結果は多くの慢性痛の患者が、長く維持してきたもの、つまり身体の状態の結果として記憶が悪くなるということを支持する。

「私たちの研究結果も、痛みによって崩壊する特定の認知メカニズムを指摘します」と、彼は述べた。

Dick氏によると、望みは、いつか認識機能が影響を受けているとき、患者が認識する慢性的な痛みを助け、彼らにその混乱を克服する方法を提供することである。

SOURCE: Anesthesia & Analgesia, May 2007.
（ロイター - 2007年5月31日）