ヒトの鳥インフルエンザから予防することのできる抗体が、科学者の国際チームによって分離された。 この発見は、ヒトでのこのウイルスの流行の際に、インフルエンザワクチンを補う治療につなげることができる。 H5N1鳥インフルエンザウイルスは、2003年以降世界中で180人以上が亡くなったと見積もられている。 いくつかの国ではすでに、ヒトで発生可能な鳥インフルエンザのめにワクチンを備蓄しているが、それがどれくらい効果があるか誰も分かっていない。 ・緊急の解毒剤 これは、結局ヒトでの流行を誘発するかもしれない鳥インフルエンザの特定の種が分かっていないためである。 しかし、スイスやベトナム、米国で研究している科学者たちは、同時にウイルスのいくつかの異なる種に対して予防を提供することができると思われる抗体を分離したと話す。 抗体は、細菌やウイルスを中和するために、私たちの免疫系によって使われる。このケースでは、ベトナムの鳥インフルエンザ生存者がこの病気を退けるために生産した抗体を、科学者たちが分離した。 スイスのthe Institute for Research in BiomedicineのAntonio Lanzavecchia教授は、抗体が研究室やマウスで効果があることがすでに証明されており、ヒトで使用できると確信していると語る。 「私たちは、感染し、その感染症から生還し、もちろん、これらのウイルスを中和する抗体を作った個人の免疫反応をある程度利用します」と、彼は話す。 「そして、この技術を使って、私たちはこの抗体が今や試験管内で再生産され、最終的に他のヒトの治療にたくさん生産するために、これらの抗体を作る細胞を分離することができます」 この抗体は、鳥インフルエンザ流行が襲う国で重要な労働者(看護士や医師など)の予防に用いることができるだろう。 研究者たちは、鳥インフルエンザにすでに感染(2、3日以内に与えるなら)している人々に緊急解毒剤としても使えると話している。 ヒトでの治験がまもなく始まることが望まれる。 (BBC - 2007年5月29日)