脳内物質が不活化すると、人々に心臓病の危険性を上げるような、良くない生活様式の選択をさせるか? それは神経化学とヒトの行動との関係を調べる新しい研究によって引き起こされた問題である。 ピッツバーグ大学で行われた研究は、活動性を低下させる脳のセロトニンシステムが、人々に喫煙したり、不十分な食事をしたり、座ったままでいるようにすること(すべて初期の動脈硬化(アテローム性動脈硬化症)につながる行動)を助けるかもしれないということを示すという。 セロトニン(メッセージを脳のニューロン間に伝える化学物質)が気分や、食欲、血圧を調節する際に重要な役割を果たすと信じられている。これはセロトニンシステムとアテローム性動脈硬化症との関係を示す最初の研究である。研究者たちは、この研究結果が心臓病や卒中を予防するための新しいアプローチにつながるだろうと話す。 「心臓病や卒中に対して知られている多くの危険因子(高血圧、コレステロール、肥満、糖尿病、喫煙、および運動不足)は、ある程度私たちの生活様式の選択によって制御することができます」と、Matthew F. Muldoon博士(薬学部助教授)は準備された声明で発表した。 彼は「これまで誰も、ある人々がなぜこれらの不十分な生活様式を選択して、心臓病に対する複数の危険因子を有するのか、脳の異常で説明がつくかもしれないという可能性を研究してきませんでした」と話す。 Muldoon氏と同僚たちは、30〜55歳の244人の人を研究して、セロトニンシステムの活性が低レベルの人が、高いレベルの人よりも、頚動脈が厚くなる傾向があることがわかった。 この研究結果は金曜日にデンバーでのAmerican Psychosomatic Society meetingで発表された。 「さらなる研究で、心臓病や卒中になる危険因子が脳のセロトニンシステムによって一部制御されるということを確証することができるなら、心臓病や卒中を予防するためのまったく新しい道を開くかもしれません」と、Muldoon氏は話す。 これまでの研究で、彼と彼の同僚たちは、太りすぎて、ほとんど運動をせず、高血圧で、血糖値やコレステロールの高い人々が、セロトニン活性レベルの低いことがわかったという。 (HealthDay News - 3月3日)