ホルモン補充療法は、高齢の女性の心臓に害を及ぼし、保護しないかもしれないという、更なる証拠が発表された。 英国、オーストラリア、ニュージーランド出身の5,000人の女性で行った研究で、60歳以上の女性が心血管障害のリスクが高いことが分かったという。 ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルのこの研究は、何百万人もの世界中の女性に対してリスクがあることを明らかにした主要な米国の研究を支持している。 専門家たちは、若い女性における短期間のHRTの使用は安全で有効であると話す。 それは、ホットフラッシュや寝汗などの不快な更年期症状のいくつかを軽減するのに使用される。 HRTは現在、英国では、めったに高齢の女性に処方されない。 WISDOMの研究は1999年に始まり、オーストラリアのアデレード大学や、ニュージーランドのWellington School of Medicine and Health Sciences、英国の医学研究審議会の医師たちが関わった。 一般医診療所に登録した平均年齢63歳の5,692人の健康な女性を特定し、ランダムに選んで、エストロゲンとプロゲストゲンを混合したHRTの錠剤もしくは、「ダミー」の偽薬を投与した。 HRTが一部の患者の健康を危険にさらすという重大な証拠を発見し、the US Women's Health Institute (WHI)の研究が2002年に中止されたとき、the WISDOMの研究もまた、方法がほとんど同じで中止された。 けれども、研究者たちは最初の数年間の試験で結果を分析することができた。 ・心臓の'障害' WHI研究のように、HRTを与えられたグループで、狭心症、心臓発作、もしくは突然の心臓死や、危険な血栓の可能性など「主要な心血管障害」の数が、ホルモン療法を受けなかったグループに比べて、非常に増加したことが分かった。 WHI研究が中止されてから、英国でのHRT使用は50%減っている。 Madge Vickers博士(この研究を導いたthe MRC General Practice Research Frameworkの元代表)はつけ加える。「重要なことに、WISDOM研究は、HRTから病気の予防の恩恵が全くなく、閉経後何年も経ってからホルモン補充療法を始める女性に対して何らかの潜在的なリスクがあることを示しました」 「けれども、ほとんどの女性が更年期障害の緩和のためにHRTを摂取し、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)はこの方程式の重要な部分なのです」 John Stevenson教授(ロンドンのロイヤルブロンプトン病院出身のコンサルタントの代謝の医師でthe charity Women's Health Concernの会長)は、HRTが、若い女性にとって安全な治療であると強調した。 彼は次のように話す。「これは更年期障害の女性を助けるのに有効性の高い方法であり、非常に高齢の女性がHRTのコースを始めるなんてとんでもありません」 「50代の女性は1年か2年HRTを与えられるかもしれませんが、兆候が軽くなったかどうか確認して止めさせるでしょう」 (BBC - 2007年7月11日)